株価
鶴見製作所とは

株式会社鶴見製作所は、水中ポンプ専業メーカーとして国内トップクラスの地位を確立している企業であり、水中ポンプ市場では約3割のシェアを持つとされる業界の中核的存在である。本社は大阪府大阪市鶴見区に置き、東京本社、京都工場などを拠点として事業を展開している。東京証券取引所プライム市場に上場しており、ブランドステートメントとして「水と人とのやさしいふれあい」を掲げている。
事業の中心は水中ポンプであり、汚物用、雑排水用、汚水用、海水用、耐食用、一般工事排水用、サンド用など、用途や使用環境に応じた多様な製品ラインアップを持つ。建設現場の仮設排水や下水処理、工場排水、防災用途まで幅広く対応できる点が強みであり、過酷な環境下での使用を前提とした高い耐久性と信頼性が評価されている。
近年は、建設現場向けの可搬型水中ポンプだけでなく、工場やプラントなどに設置される設備常設型ポンプにも注力している。これにより、単発の建設需要にとどまらず、工場設備やインフラ施設における継続的な更新・保守需要を取り込むビジネスモデルを強化している点が特徴である。陸上ポンプについても、一般揚水用、海水用、吸排泥用、残水吸排水用など幅広い用途をカバーしており、水中ポンプとの組み合わせによる総合的な提案力を持つ。
また、液封式ポンプとして復水器抽気用や真空吸引用ポンプを展開するほか、水処理機械分野では前処理用、移送用、曝気・撹拌用装置を手掛けている。加えて、集水関連機器、高圧洗浄機、自動タイヤ洗浄機など、周辺機器まで含めた製品群を揃えており、水処理・排水に関わる現場全体をカバーできる体制を構築している。
生産体制については、日本、中国、台湾に工場を持ち、国内品質を基盤としつつ、コスト競争力と供給能力を両立している。これにより、国内市場だけでなく海外需要にも柔軟に対応できる体制を整えている。特にアジア地域では、都市化やインフラ整備、防災投資の進展を背景に、水中ポンプや水処理関連設備の需要拡大が見込まれており、同社の事業領域と親和性が高い。
さらに、ツルミの機場用大型ポンプは、治水、上下水道、農業用水などの分野で広く使われており、社会インフラの根幹を支える役割を担っている。単に製品を供給するだけでなく、設計から調達、施工、点検整備までを一貫して手掛け、ポンプ設備全体としての最適なシステム構築を行う点も同社の大きな特徴である。
総じて鶴見製作所は、水中ポンプ専業トップとしての技術力と市場シェアを背景に、建設・工場・上下水道・防災といった幅広いインフラ分野で安定した需要を持つ企業である。景気循環の影響は受けるものの、社会インフラに直結した製品と、常設設備への展開によるストック性のある需要を併せ持つことで、堅実かつ持続的な事業展開を行っているメーカーと位置づけられる。
鶴見製作所 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(単位:百万円) | 営業利益(単位:百万円) | 経常利益(単位:百万円) | 純利益(単位:百万円) | 一株益(円) | 一株当たり配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 45,325 | 5,549 | 6,404 | 4,156 | 83.0 | 18 |
| 連22.3 | 51,214 | 5,508 | 7,368 | 4,817 | 96.3 | 20 |
| 連23.3 | 56,219 | 7,263 | 8,991 | 6,262 | 127.0 | 22 |
| 連24.3 | 62,629 | 8,941 | 12,638 | 8,288 | 168.8 | 25 |
| 連25.3 | 68,058 | 10,251 | 10,492 | 8,783 | 179.4 | 27 |
| 連26.3予 | 74,000 | 11,000 | 11,300 | 7,800 | 162.6 | 29 |
| 連27.3予 | 77,000 | 12,000 | 12,200 | 8,500 | 177.2 | 29〜30 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(単位:百万円) | 投資CF(単位:百万円) | 財務CF(単位:百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,966 | -2,654 | 3,012 |
| 2024 | 9,534 | -5,914 | 1,483 |
| 2025 | 7,027 | -7,986 | 2,530 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.9 | 8.1 | 6.3 | — | — |
| 2024 | 14.2 | 9.3 | 7.1 | — | — |
| 2025 | 15.0 | 9.3 | 6.6 |
12.0(高値平均) 7.0(安値平均) |
1.11 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、売上高は連24.3で約626億円、連25.3で約680億円、連26.3予で約740億円と着実に拡大している。営業利益も約89億円から102億円、さらに110億円規模へと増加しており、本業の収益力は明確に強化されている。一方、経常利益は約126億円から104億円へ一度低下した後、113億円程度まで回復する見通しで、やや振れはあるものの高水準を維持している。純利益は約82億円、約87億円から、26.3予では約78億円とやや減少する予想であり、最終利益段階では保守的な見積もりが入っている印象を受ける。
収益性に目を向けると、営業利益率は12.9%、14.2%、15.0%と年々改善しており、製造業としてはかなり高い水準にある。ROEは8.1%から9.3%へ上昇し、その後も9.3%を維持しており、資本効率は着実に改善している。ROAも6%台後半で安定しており、総資産を使ってしっかり利益を生み出せている企業と評価できる。これらの数字からは、事業の競争力と価格決定力が比較的高いことがうかがえる。
評価面では、2025年実績PERが高値平均12.0倍、安値平均7.0倍とレンジが広い。業績の安定度が高まっている一方で、景気や公共投資動向への感応度を市場が意識していることが反映された水準といえる。PBRは1.1倍程度で、ROEが9%台であることを踏まえると、極端な割高感はなく、むしろ収益力に対しては概ね妥当な評価水準に位置している。
以上を総合すると、鶴見製作所は売上・営業利益ともに拡大基調にあり、営業利益率15%前後という高収益体質を確立しつつある点が大きな強みである。ROE・ROAも改善しており、事業の質は明らかに向上している。一方で、PERが1桁台まで評価される局面もあることから、市場は依然として景気変動リスクを織り込んでおり、成長株として高い倍率を与える段階には至っていない。
結論として、この銘柄は高収益な事業基盤を背景に安定的に利益を積み上げる力を持つ一方、評価倍率の大幅な拡張を前提とするタイプではない。現在の数値を見る限り、割高ではなく、業績の持続性を前提に中長期で保有する分には妥当性の高い水準にあり、堅実なインフラ・設備関連銘柄としての投資対象と判断できる。
配当目的とかどうなの?
株式会社鶴見製作所を配当目的で見た場合、提示されている数値だけから判断すると、結論は「配当目的としての優先度は高くない銘柄」と整理できる。まず表面上の数字を見ると、予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに1.28%と低水準にとどまっている。日本株市場では、一般的に3%前後からが配当目的として意識されやすく、4%を超えると高配当株と見なされることが多い。その基準で考えると、鶴見製作所の利回りはインカム狙いとしては明確に物足りない水準である。
一方で、業績や収益性を見ると、配当を出せない会社ではないこともはっきりしている。営業利益率は12.9%から15.0%へと上昇し、ROEも9%台、ROAも6%台と、製造業としては高収益・高効率な部類に入る。実績PBRが1.1倍程度であることからも、利益水準に対して株価が過度に割高というわけではなく、内部留保を積み上げやすい体質であることがうかがえる。
ただし、こうした数字にもかかわらず配当利回りが1%台にとどまっている点からは、同社が積極的に配当を還元する方針を取っているわけではないことが読み取れる。利益は主に事業拡大や設備投資、財務の安定性確保に回されており、株主還元よりも事業の持続性や競争力維持を優先する経営姿勢が反映されていると考えられる。
そのため、鶴見製作所は「安定して高い配当を受け取りたい」という目的には向きにくい。一方で、事業の収益性が高く、業績も拡大基調にあるため、将来的な増配余地が全くないわけではないが、それを主目的に投資するには根拠が弱い。
結論として、鶴見製作所は配当目的のインカム投資よりも、本業の高収益性と事業の安定性を評価して中長期で保有するタイプの銘柄であり、配当はあくまで「おまけ」として受け取る位置づけが妥当である。配当利回り重視の投資家にとっては優先順位は低く、キャピタルと事業価値を重視する投資スタンス向けの銘柄と判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
鶴見製作所の現在値2,258.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は水中ポンプ専業トップとして市場シェア約3割を占め、建設・上下水道・産業プラントなどのインフラ用途に加え、設備常設型のニーズにも対応する安定したビジネスモデルを持つ企業である。収益性は高く、営業利益率は12%台後半から15%台、ROEは8〜9%台で推移しており、投資家からは堅実な収益源として評価されている。一方で、配当利回りは1%台前半と高くはなく、インカム目的のみの投資対象としては優先度が高くない。業績は景気循環の影響を受ける側面もあるが、社会インフラ需要に支えられた底堅さを持つ。
良い場合は、国内外の建設・インフラ投資が堅調に推移し、上下水道・治水関連の大型案件やプラント向けの更新需要が順調に進むシナリオである。特に水中ポンプの高付加価値機や専用機種の需要が拡大するとともに、海外展開が進んで売上規模が拡大することで、業績が予想を上回る成長軌道に乗る可能性がある。この場合、営業利益率は15%台後半まで改善し、ROEも10%近辺で安定することで、市場評価はPER12〜14倍程度まで上昇しやすい。こうした評価倍率の上昇を前提にすると、5年後の株価は3,200円〜4,000円程度まで上昇する余地があり、事業成長と評価改善の両面が値上がりを牽引する展開となる。
中間のケースは、国内の既存インフラ需要が安定的に推移し、海外展開や新分野での成長は緩やかに進むシナリオである。売上高・利益は小幅な増減を繰り返しつつも横ばい圏で推移し、営業利益率は14〜15%程度、ROEは9%前後で大きな変動がない。この場合、市場は同社を堅実だが劇的な成長株ではないと見なす傾向が強く、PERは9〜11倍程度、PBRは0.9〜1.1倍程度に収れんする可能性が高い。こうした前提では、5年後の株価は2,000円〜2,800円程度のレンジで推移する展開となり、配当を含めたトータルリターンは安定的だが急騰するほどではない。
悪い場合は、国内外の設備投資が想定以上に低迷し、建設・プラント需要が停滞するシナリオである。この場合、受注環境の悪化が利益率にも波及し、営業利益率が10%台前半まで低下、ROEも7%前後まで落ち込む可能性がある。その結果、市場は同社の景気感応度を意識し、PERは7〜8倍まで低下する局面を迎えるリスクがある。配当利回りは相対的に高く見えるものの、増配余地は乏しく、株価の下値を支える力は限定的となる。この悪い場合では、5年後の株価は1,400円〜1,800円程度まで下振れする可能性があり、現在値から見ると元本割れリスクが顕在化するシナリオとなる。
総合すると、鶴見製作所の株価はインフラ関連の堅実な需要を背景としつつも、景気や投資環境の変動を受ける側面がある。現在値2,258円はPERや収益性を考えれば中立〜やや割安に見える水準であり、5年間という時間軸では、良い場合・中間・悪い場合いずれのシナリオでも極端な値動きにはなりにくい。ただし、良い場合には評価倍率の上昇と業績拡大が同時に進んで大きな上昇余地を生む可能性があり、投資スタンスとしては、業績動向を注視しながら中長期で保有する姿勢が妥当である。
この記事の最終更新日:2026年1月21日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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