株価
オルガノとは

オルガノ株式会社は、東京都江東区新砂に本社を置く水処理装置・水処理薬品の総合メーカーであり、東ソー系の連結子会社である。東京証券取引所プライム市場に上場しており、JPX日経インデックス400の構成銘柄にも選定されている。水処理分野に特化した専業メーカーとして、産業用から社会インフラ用途まで幅広い領域で事業を展開している。
同社の中核は、水処理エンジニアリング事業であり、売上構成の約7割を占める主力分野である。半導体や液晶、電力、化学、製薬などの産業分野で使用される超純水製造装置や純水装置、工業用水・排水処理設備、復水脱塩装置、浄水・汚水処理設備などを設計から製造、据付、運転支援まで一貫して手がけている。特に半導体向け超純水製造装置に強みを持ち、台湾の半導体市場では存在感が大きく、先端工場向けの大型案件を数多く手掛けてきた実績がある。
もう一つの柱が機能商品事業であり、水処理用薬品、イオン交換樹脂、活性炭、各種処理剤などを製造・販売している。これらは装置導入後の安定運転に不可欠な消耗品であり、短納期で供給できるレディ・メイド製品群として展開されている。装置ビジネスに比べて景気変動の影響を受けにくく、継続的な収益を生む点が特徴である。社名の「オルガノ」は、同社の源流となるイオン交換樹脂がかつてオルガニックゼオライト、すなわちオルガノライトと呼ばれていたことに由来している。
事業構成としては、プラント事業、ソリューション事業、機能商品事業の三本柱で展開している。プラント事業では、合理的かつ信頼性の高い水処理システムを提供し、ソリューション事業では、水処理設備の最適運用、省エネルギー化、水使用量削減、環境負荷低減などを実現する運転管理・改善提案を行っている。単なる装置販売にとどまらず、運用段階まで含めた付加価値提供が特徴である。
生産・研究体制も充実しており、つくば工場、いわき工場をはじめ、相模原市には開発センターを設置している。水質評価を行う分析機関や、機能材であるイオン交換樹脂の精製工場なども保有し、ラボ用途から大流量を必要とする工場向けプラントまで、高品質かつ安定した処理水を供給できる体制を整えている。
海外展開にも積極的で、台湾、アジア、北米を中心に複数の海外子会社を有している。半導体投資や環境規制の強化を背景に、海外売上比率は高まりつつあり、特にアジア市場では成長分野との結びつきが強い。水処理技術を応用した排水の再利用や希少金属回収など、循環型社会や資源問題への対応も重要なテーマとなっている。
総合すると、オルガノは70年以上にわたり水処理技術を磨いてきた総合水処理エンジニアリング企業であり、超純水という高度で不可欠な分野に強みを持つ点が最大の特徴である。半導体投資など設備投資サイクルの影響を受ける一方、水処理薬品やサービスによる安定収益も併せ持ち、産業インフラと環境分野の双方を支える存在として確固たる地位を築いている企業といえる。
オルガノ 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益 EPS(円) | 一株当り配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 100,638 | 9,579 | 9,900 | 7,074 | 154.2 | 28.5 |
| 連22.3 | 112,069 | 10,850 | 11,545 | 9,210 | 200.7 | 40 |
| 連23.3 | 132,426 | 15,212 | 16,020 | 11,730 | 255.8 | 62 |
| 連24.3 | 150,356 | 22,544 | 23,425 | 17,310 | 376.9 | 102 |
| 連25.3 | 163,269 | 31,120 | 31,639 | 24,150 | 525.4 | 160 |
| 連26.3予 | 175,000 | 36,000 | 36,000 | 27,000 | 587.2 | 190 |
| 連27.3予 | 190,000 | 39,000 | 39,000 | 29,500 | 641.5 | 190〜200 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | -18,536 | -1,309 | 14,706 |
| 連24.3 | 3,726 | -1,415 | -641 |
| 連25.3 | 21,100 | -2,130 | -20,821 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均〜安値平均) | PBR(実績) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.4% | 13.6% | 7.1% | – | – |
| 2024 | 14.9% | 16.9% | 9.4% | – | – |
| 2025 | 19.0% | 19.9% | 12.4% | 18.1倍〜8.9倍 | 5.82倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、連24.3は売上高1503億円、営業利益225億円、経常利益234億円、純利益173億円となっている。連25.3では売上高1632億円、営業利益311億円、経常利益316億円、純利益241億円へと大きく伸びており、売上の増加以上に利益が拡大している。連26.3予では売上高1750億円、営業利益360億円、経常利益360億円、純利益270億円と、増収増益が続く前提になっている。3年間を通して見ると、売上の成長に加えて利益水準そのものが段階的に引き上がっており、量と質の両面で業績が大きく改善していることが分かる。
収益性の指標を見ると、営業利益率は2023年11.4%、2024年14.9%、2025年19.0%と急速に上昇している。ROEも13.6%から16.9%、19.9%へ、ROAも7.1%から9.4%、12.4%へと一貫して改善しており、事業の稼ぐ力と資本効率が同時に強化されている局面にある。特に2025年時点では、製造業の中でもかなり高い水準の利益率とROE・ROAに達しており、収益構造そのものが大きく変化してきたことが読み取れる。
評価面に目を向けると、2025年の実績PERは高値平均18.1倍、安値平均8.9倍と振れ幅が大きい。好業績が強く意識される局面では高い成長評価が付く一方で、半導体設備投資や大型案件の先行きに不透明感が出ると、評価が急速に切り下がりやすい性格があることを示している。実績PBRは5.8倍とかなり高く、これは市場が同社を高収益・高成長企業として評価していることの裏返しでもある。
これらの数値だけから判断すると、オルガノは売上・利益の拡大、営業利益率の大幅改善、ROE・ROAの上昇が同時に進んでおり、業績面では非常に強い局面にある。一方で、PBRが5倍を超えている点から、すでに高い成長と高収益が続くことを前提に株価が形成されていると考えられる。そのため、今後も同水準の利益率や成長が維持されれば評価は正当化されるが、成長鈍化や利益率の低下が見えた場合には、PERやPBRの調整を通じて株価が大きく動きやすい状況でもある。
総合すると、この銘柄は足元の業績だけを見れば非常に魅力的で、収益力という点では申し分ない。一方で、評価水準はすでに高く、割安さを狙う投資というより、現在の高収益トレンドが中長期で続くことを前提に保有するタイプの銘柄といえる。業績の勢いが続いている間は評価が維持されやすいが、成長のピーク感が意識され始めた段階では、株価の振れも大きくなりやすい、そうした性格を持つ銘柄だと整理できる。
配当目的とかどうなの?
オルガノ株式会社を配当目的で見ると、数字上ははっきりと「配当重視の銘柄ではない」と言える。予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに1.16%と、東証プライム上場企業の中でもかなり低い水準にある。インカム目的で一般的に意識される3%前後、あるいは高配当株とされる4%以上と比べると、配当収入を主目的とする投資には明確に不向きな水準である。
これを業績と照らし合わせると、同社は売上高・営業利益・純利益ともに大きく伸びており、営業利益率は19.0%、ROEは19.9%、ROAは12.4%と、収益性は非常に高い水準にある。それにもかかわらず配当利回りが低いのは、利益を積極的に配当へ回すのではなく、成長投資や事業拡大、技術力強化に優先的に使っていることを示している。
実際、PBRは5.8倍と高く、市場は同社を「配当を多く出す企業」ではなく、「高収益・高成長を継続する企業」として評価している。この評価構造の中では、配当を大きく引き上げるインセンティブは弱く、仮に増配があっても利回りが大きく改善する可能性は低い。
以上の数値だけから判断すると、オルガノは配当収入を目的として保有する銘柄ではなく、業績成長や利益率の高さを背景とした株価上昇を期待するタイプの銘柄である。インカム重視の投資家にとっては物足りない一方、配当を抑えてでも成長を優先する企業に投資したい場合には、方向性が明確な銘柄といえる。総合すると、オルガノは「配当をもらいながら持つ株」ではなく、「成長と高収益を評価して持つ株」であり、配当目的での投資には適さないという結論になる。
今後の値動き予想!!(5年間)
オルガノ株式会社の現在値16,300.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は半導体・電力・化学など向けの超純水製造装置や水処理プラント、水処理薬品を主力とする総合水処理エンジニアリング企業である。とりわけ半導体向け超純水分野に強みを持ち、台湾をはじめとする海外半導体市場で存在感が大きい。
一方で、業績は半導体設備投資や大型プラント案件の動向に左右されやすく、設備投資サイクルの影響を受ける循環型の側面も持つ。直近では営業利益率、ROE、ROAが大きく改善しており、株価は高収益・高成長を前提とした評価が強く織り込まれている局面にある。
良い場合は、世界的な半導体投資が中長期で拡大し、先端ロジック・メモリ向けの大型超純水案件が継続的に積み上がるシナリオである。加えて、水処理薬品やサービス事業が安定収益として寄与し、売上高は2,000億円規模に近づき、営業利益率も18〜20%前後を維持する展開が想定される。この場合、ROEは20%前後で定着し、市場の見方は「高収益体質が構造的に定着した企業」へと一段と強まる。PBRは高水準を維持し、PERも15〜18倍程度が許容されれば、5年後の株価は28,000円〜35,000円程度まで上昇する可能性がある。配当利回りは低水準のままだが、利益成長を背景としたキャピタルゲインが主なリターンとなる展開である。
中間のケースは、半導体投資は拡大と調整を繰り返しながらも全体としては横ばい〜緩やかな成長にとどまるシナリオである。大型案件の波はあるものの受注は一定水準を維持し、売上高は1,700〜1,900億円程度、営業利益率は15〜18%で推移する。この場合、ROE・ROAは高水準を保つが、さらなる改善は限定的となる。市場評価は落ち着き、PERは10〜13倍、PBRは4〜6倍程度に収れんしやすい。株価は高値追いにはなりにくいものの、業績の安定感から下値も限定され、5年後の水準は18,000円〜23,000円程度と、現在値をやや上回るレンジで推移する可能性が高い。
悪い場合は、半導体設備投資が大きく減速し、大型超純水案件の受注が細るシナリオである。売上高の伸びが鈍化、もしくは一時的に減少し、営業利益率も15%を下回る水準まで低下する可能性がある。この場合、ROE・ROAも低下し、高収益前提で形成されていた市場評価が見直されやすくなる。PBRは2〜3倍程度まで低下し、PERも8〜9倍水準で評価されると、5年後の株価は12,000円〜15,000円程度まで下振れするリスクがある。配当利回りが低いため、インカムによる下支えは弱く、株価調整局面では値動きが大きくなりやすい。
総合すると、オルガノの株価は現在値16,300円において、足元の高収益・高成長を相当程度織り込んだ水準にあると考えられる。今後5年間は、半導体投資と水処理需要の拡大がどこまで持続するかが最大の評価軸となり、急成長の継続か、それとも成長鈍化による評価調整かが問われる時間帯になる。投資スタンスとしては、配当目的ではなく、高い収益力と成長性を前提に中長期での値上がりを狙う銘柄であり、業績トレンドの変化を丁寧に見極めながら保有する姿勢が求められる。
この記事の最終更新日:2026年1月22日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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