株価
グリーンモンスターとは

グリーンモンスター株式会社は、投資や資産運用に関する学習支援サービスを提供する企業です。2013年7月29日に設立され、本社は東京都渋谷区神南1丁目4番9号にあります。代表取締役は小川亮氏、資本金は約3,418万円です。上場市場は東京証券取引所グロース市場で、2024年3月29日に上場しました。決算期は毎年6月末日、単元株数は100株です。
同社は主に、初心者や未経験者向けに投資を体験的に学べるアプリを開発・運営しています。代表的なアプリには、FX取引を仮想環境で学べる「FXなび」、株式投資の仕組みを体験できる「株たす」、そして積立投資や資産形成を学べる「トウシカ」などがあります。これらのアプリは実際のお金を使わずに投資を疑似体験できる仕組みとなっており、ユーザーがゲーム感覚で金融リテラシーを高められるのが特徴です。
収益モデルとしては、アプリを通じた広告や成果報酬型の仕組みを採用しています。具体的には、アプリを利用したユーザーが金融サービスを実際に利用するなどの成果に応じて、金融機関などの提携先から報酬を得る形です。このようにして、ユーザーの行動データや学習成果をもとにした収益を上げています。
グリーンモンスターは「お金を学ぶことをもっと身近に」という理念のもと、投資教育のハードルを下げることを目的としています。特に若年層や投資初心者の利用者が多く、今後はアプリを通じて資産形成支援や金融リテラシー向上をさらに拡大していく方針です。
直近3年間の業績・指標
| 決算期(6月期) | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株当たり利益 (EPS, 円) | 1株当たり配当 (DPS, 円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023/6(連23.6) | 1,711 | 164 | 169 | 121 | 49.8 | 0 |
| 2024/6(連24.6) | 1,957 | 231 | 231 | 156 | 59.3 | 10 |
| 2025/6(連25.6 予想) | 2,006 | 123 | 125 | 32 | 10.4 | 10 |
出典元:会社四季報 2025年新春号(グリーンモンスター株式会社)
キャッシュフロー(2025)
| 項目 | 2025/6(予想) | 2024/6(実績) | 単位:百万円 |
|---|---|---|---|
| 営業キャッシュフロー | -6 | 168 | 百万円 |
| 投資キャッシュフロー | -215 | -74 | 百万円 |
| 財務キャッシュフロー | -82 | 658 | 百万円 |
| 現金及び現金同等物期末残高 | 1,185 | 1,490 | 百万円 |
出典元:会社四季報 2025年新春号(グリーンモンスター株式会社)
バリュエーション
| 指標項目 | 2024/6(実績) | 2025/6(予想) |
|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 69.3倍(高値平均)/27.9倍(安値平均) | ― |
| PBR(株価純資産倍率) | 1.16倍 | ― |
| 営業利益率 | 11.8% | 6.1% |
| ROE(自己資本利益率) | 2.2% | 1.4% |
| ROA(総資産利益率) | 1.8% | 1.1% |
出典元:会社四季報 2025年新春号(グリーンモンスター株式会社)
投資判断
グリーンモンスター株式会社は、投資学習アプリ「株たす」や「FXなび」などを運営する企業です。ここ数年で売上は順調に伸びていますが、利益面ではやや厳しい状況が見られます。
2025年6月期の売上高は約20億円で、前期よりわずかに増加しました。しかし営業利益は約1億2300万円と前年の半分以下、経常利益も1億2500万円で約46%減少しました。純利益は3200万円と前期の1億5600万円から大幅に減少しています。つまり、事業は拡大しているものの利益率が落ちており、採算性の低下が課題です。
営業利益率も2024年の11.8%から2025年は6.1%へ低下しました。ROE(自己資本利益率)は2.2%から1.4%に、ROA(総資産利益率)も1.8%から1.1%へ下がっており、資本効率・総資産効率の両方で鈍化傾向が見られます。
株価指標を見ると、PERは高値平均で69.3倍、安値平均で27.9倍とかなり幅があり、PBRは1.16倍です。数値上はやや割高にも見えますが、資産価値から見れば極端な過熱感はありません。
キャッシュフロー面では、営業キャッシュフローがマイナス6百万円と、現金創出力が低下している点も注意が必要です。投資キャッシュフローや財務キャッシュフローもマイナスとなっており、資金繰りの余裕はやや減っています。
総合的に見ると、グリーンモンスターは事業拡大の過程でコストが増加し、一時的に利益が圧迫されている状況です。売上は伸びているため、今後コストを抑えて利益率を回復できるかどうかが重要になります。
投資判断としては、短期的には業績悪化と利益率低下が続いており、慎重姿勢が望まれます。ただし、同社が展開する投資教育アプリ市場は今後も拡大が期待される分野であり、事業構造を整えられれば中長期的な成長の余地があります。
したがって、現時点では「様子見〜中期的な押し目狙い」が妥当です。成長回復と利益率改善が確認できれば、再び上昇トレンドに乗る可能性もありますが、現状では積極的な買いというよりは慎重なタイミング待ちの局面といえます。
配当目的とかどうなの?
グリーンモンスター株式会社は、配当目的での投資にはやや慎重さが必要な銘柄です。
同社は2024年6月期から配当を開始しており、1株あたり10円を実施しています。2025年6月期も同じく1株10円の配当を予定しており、配当を継続する姿勢は見られます。ただし、利益が急減している点を考えると、今後も同水準の配当を維持できるかは不透明です。
2025年6月期の純利益は約3,200万円で、前期の1億5,600万円から大幅に減少しています。EPS(1株当たり利益)は約10円で、配当金とほぼ同じ水準です。つまり、ほとんどの利益をそのまま配当に回している状態で、配当性向は実質的に100%近い水準にあります。
このため、今後も利益が減少するようであれば、減配リスクが高まる可能性があります。配当を継続するには安定したキャッシュフローが必要ですが、2025年期は営業キャッシュフローがマイナス(−6百万円)となっており、資金余力もやや弱まっています。
ただし、企業としては株主還元の意識が強く、事業の拡大と並行して配当も維持しようという姿勢が見られます。業績が持ち直し、営業利益やキャッシュフローが改善すれば、将来的に増配の可能性もあります。
今後の値動き予想!!(5年間)
グリーンモンスター株式会社(証券コード157A)の現在値は530円です。ここから今後5年間の株価の動きを「良い場合」「悪い場合」「中間の場合」の3つのシナリオで予想します。
良い場合(ポジティブシナリオ)
グリーンモンスターは、投資教育アプリ「株たす」や「FXなび」などを運営しており、金融リテラシー向上のニーズが高まる中で成長が見込まれています。アプリの利用者数が増え、広告や提携収益が拡大すれば、売上・利益の両方が安定して増加する可能性があります。また、法人向けサービスや金融機関との連携が強化されれば、収益基盤もより盤石になります。
このようなケースでは、業績の回復と市場評価の改善が進み、PERの水準が上昇。株価は5年後に1,200円〜1,500円程度まで上昇する可能性があります。初期上場時の水準に近づき、投資教育関連株として再評価される展開です。
中間の場合(現実的シナリオ)
事業は堅調に推移しつつも、大きな急成長は見られないケースです。アプリ利用者数は微増し、売上も年5〜7%程度の緩やかな成長を続けますが、コスト構造の改善が限定的で、利益率は高止まりしないまま推移します。配当は10円前後を維持しつつ、株価は徐々に安定化します。
このシナリオでは、業績に応じて株価が700円〜850円程度まで上昇する可能性があり、緩やかな上昇トレンドを描くイメージです。大きな値動きはないものの、安定した中長期保有銘柄となります。
悪い場合(ネガティブシナリオ)
広告市場の低迷や競合アプリの台頭、利用者の伸び悩みなどで収益が悪化するケースです。コスト増加が続き、営業利益率が低下、ROE・ROAもさらに悪化します。配当も減配、または一時的な無配の可能性が出てくる場合もあります。投資家心理が冷え込み、株価は下値を探る展開となります。
この場合、株価は5年後に350円〜400円程度まで下落するリスクがあります。金融教育アプリ市場が成熟してしまった場合や、事業転換に失敗した場合は、低迷が長引く可能性もあります。
まとめ
グリーンモンスターは、今は成長過程にある企業であり、利益率の改善や収益構造の安定化が今後の焦点になります。長期的に成長分野である投資教育・金融リテラシー市場に位置している点はプラスですが、業績の波が大きいため、リスクを取りながら中長期で成長を狙う銘柄といえます。
安定性よりも、将来性を見てゆっくり育てるタイプの投資が向いている銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年10月27日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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