株価
レイズネクストとは

レイズネクストは、石油・石油化学プラントを中心とした各種産業プラントのメンテナンスおよびエンジニアリングを主力とする建設会社である。製油所や石油化学コンビナートにおける日常保全工事と定期修繕工事を事業の柱としており、ENEOSをはじめとする国内有力エネルギー会社を主要顧客に持つ点が最大の特徴である。東京証券取引所プライム市場に上場しており、JPX日経中小型株指数の構成銘柄にもなっている。
同社は2019年に新興プランテックがJXエンジニアリングを吸収合併して発足した企業である。JXエンジニアリングは、日本鉱業の工務部門を起源とする日陽エンジニアリングを前身とし、ENEOSグループの中核エンジニアリング会社として、長年にわたり製油所の保全・修繕を担ってきた実績を持つ。こうした背景から、レイズネクストは発足時より日立・日産系企業を中心とする春光懇話会に所属しており、歴史的に見てもエネルギー・重化学工業との結びつきが強い企業である。
レイズネクストの源流はさらに古く、三興製作所と新潟工事という2社の歴史にさかのぼる。三興製作所は1918年創業で、造船所向け配管工事を起点に事業を拡大し、1961年には東証2部に上場した。一方、新潟工事は新潟鐵工所の建設部門を母体として1954年に設立され、戦後の製油所建設やコンビナート建設に深く関わってきた。特に1960年代以降、日本石油精製の製油所で日常保全や定期修理を担うなど、プラント保全分野での基盤を築いている。
2000年には三興製作所と新潟工事が合併し、新興プランテックが発足した。これにより、配管工事・設備建設から保全・修繕までを一体で担う体制が整えられた。その後、2007年に東証1部へ指定替えとなり、2019年にJXエンジニアリングとの合併を経て、現在のレイズネクストへと発展している。
事業内容としては、製油所や石油化学プラントにおける日常保全、定期修繕工事が収益の中核を占める。これらは設備更新投資と異なり、景気変動の影響を比較的受けにくい性格を持ち、安定した受注が見込める分野である。加えて、一般化学、食品、医薬品、環境関連プラントなどにも事業領域を広げており、エネルギー分野一本足からのリスク分散も進めている。
全国の主要コンビナート地域に事業所を配置している点も特徴で、室蘭、仙台、新潟、鹿島、東海など、製油所や大型プラントが集積する地域に拠点を持つことで、迅速な保全対応が可能な体制を構築している。こうした地理的な拠点配置は、長期契約型の保全ビジネスと相性が良く、顧客との継続的な関係構築につながっている。
全体としてレイズネクストは、派手な成長を狙う企業というよりも、製油所・プラントという社会インフラを支える保全・修繕を軸に、安定した需要を積み上げてきた企業である。ENEOSを中心とするエネルギー業界との強固な関係と、100年超にわたる工事・保全の蓄積が事業基盤となっており、景気循環の影響を受けにくいインフラ型エンジニアリング会社としての位置付けが明確な企業といえる。
レイズネクスト 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株当り配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 145,914 | 10,386 | 10,657 | 7,344 | 135.6 | 55 |
| 連22.3 | 129,832 | 10,982 | 11,270 | 7,748 | 143.0 | 58 |
| 連23.3 | 140,061 | 10,918 | 11,243 | 7,741 | 142.9 | 72 |
| 連24.3 | 140,366 | 9,968 | 10,261 | 7,249 | 134.2 | 135記 |
| 連25.3 | 157,371 | 10,858 | 11,094 | 8,100 | 150.9 | 91 |
| 連26.3予 | 168,000 | 13,800 | 14,000 | 9,300 | 172.2 | 104 |
| 連27.3予 | 170,000 | 13,600 | 13,800 | 9,150 | 169.4 | 102〜104 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年 | 10,069 | -1,880 | -3,281 |
| 2024年 | 3,565 | -1,738 | -7,181 |
| 2025年 | -107 | -2,304 | -6,490 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 7.7% | 9.3% | 6.7% | – | – |
| 2024年 | 7.1% | 8.7% | 6.5% | – | – |
| 2025年 | 6.8% | 9.5% | 7.0% | 8.8〜14.3倍 | 1.58倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模を見る。2024年3月期は営業利益99億、経常利益102億、純利益72億となっている。2025年3月期は営業利益108億、経常利益110億、純利益81億へと増加しており、売上拡大に伴って利益も素直に伸びている。さらに2026年3月期予想では営業利益138億、経常利益140億、純利益93億と、増益基調が続く前提になっている。利益水準そのものは着実に切り上がっており、事業規模の拡大は順調である。
一方で収益性を見ると、営業利益率は2023年7.7%、2024年7.1%、2025年6.8%と、緩やかに低下している。利益額は増えているが、売上の伸びに対して利益率はやや押されており、明確に高収益化が進んでいるというよりは、売上拡大によって利益を積み上げている状態に近い。ROEは9.3%、8.7%、9.5%と8〜9%台で安定しており、資本効率は製造業としては標準からやや良好な水準にある。ROAも6.7%、6.5%、7.0%と比較的高く、総資産を使った稼ぐ力はしっかりしていることが分かる。
株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均14.3倍、安値平均8.8倍とレンジが広く、業績や市況によって評価が振れやすい銘柄であることがうかがえる。PBRは1.58倍で、成熟した製造業としてはやや高めの水準にあり、すでに一定の収益力や安定性は株価に織り込まれていると考えられる。
これらを総合すると、新東工業は利益規模が安定して拡大しており、ROE・ROAも堅調な水準を維持していることから、事業の基礎体力は強い。一方で、営業利益率は低下傾向にあり、構造的な高収益フェーズに入ったとは言い切れない。評価面でも、明確な割安水準ではなく、安定成長を前提とした適正からやや評価済みの位置にある。
上記数値だけで判断すると、新東工業は急成長を狙う銘柄ではなく、安定した利益成長と堅実な資本効率を評価するタイプの企業である。今後は、利益率が下げ止まり改善に向かうのか、それとも売上拡大頼みの成長が続くのかが重要で、現時点では堅実だが上振れ余地は限定的な、安定志向寄りの銘柄と位置付けられる。
配当目的とかどうなの?
配当目的という観点で見ると、新東工業は「十分に検討対象になる銘柄」といえる。連26.3で予想配当利回り4.06%、連27.3でも3.98%と、いずれも4%前後の水準にあり、製造業の中では明確に高配当ゾーンに入っている。インカムゲインを重視する投資家にとっては、数字だけ見ればかなり魅力的な利回りである。
配当の裏付けを業績面から見ると、2024年から2026年にかけて営業利益・経常利益・純利益はいずれも増加基調にあり、利益水準そのものは拡大している。一方で営業利益率は7%台から6%台へやや低下しており、急激に収益力が高まっているわけではないが、ROEは8〜9%台、ROAも6〜7%台と安定しており、過度に無理な配当水準とは言いにくい。実際、2026年・2027年予想でも配当水準は高い水準を維持する前提になっており、会社として一定の株主還元姿勢がうかがえる。
ただし注意点もある。新東工業は設備投資循環の影響を受けやすい事業構造を持っており、業績は景気や自動車・製造業の設備投資動向に左右されやすい。そのため、配当は安定的ではあるものの、完全なディフェンシブ銘柄のように「どんな環境でも減らない配当」とまでは言い切れない。営業利益率が低下基調にある点も、長期的には配当余力を左右する要素になる。
以上を踏まえると、新東工業は高配当を主目的とする投資でも成立しうる銘柄であり、利回り重視の投資家にとっては魅力がある。一方で、配当の安定性はインフラ株や電力・通信株ほど強固ではなく、景気循環リスクを許容できるかどうかが前提条件になる。配当を主軸にしつつ、業績の上下を織り込んで中長期で保有するタイプの配当銘柄、という位置付けが最も実態に近い。
今後の値動き予想!!(5年間)
レイズネクストの現在値2,559.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は製油所や石油化学プラントを中心とした日常保全・定期修繕工事を主力とするプラントメンテナンス会社であり、ENEOSをはじめとするエネルギー大手を主要顧客に持つ。設備新設を主力とするエンジニアリング会社とは異なり、既存プラントの維持・更新を収益の柱としている点が特徴で、景気循環の影響を比較的受けにくいインフラ型のビジネスモデルを持つ。一方で、成長性は限定的であり、業績は安定的だが急拡大しにくい性格を併せ持つ。
直近の業績を見ると、売上・利益ともに大きな成長はないものの、一定水準で安定して推移している。営業利益率やROEも極端に高い水準ではなく、株価は高成長期待というより、安定収益と配当を前提とした評価にとどまっている局面にある。プラントの老朽化対応や定期修繕需要は中長期的に継続するものの、エネルギー業界全体の設備投資抑制や脱炭素の流れが、中長期では事業環境に影響を与える可能性もある。
良い場合は、国内製油所・石油化学プラントの老朽化対応が想定以上に進み、定期修繕や更新工事の需要が安定的に積み上がるシナリオである。加えて、化学、食品、医薬品、環境関連プラント向けのメンテナンス案件が拡大し、エネルギー依存度が徐々に低下する。この場合、売上・利益は緩やかな増加を続け、営業利益率も安定して推移する。市場からは「安定インフラ収益を持つ高配当銘柄」として評価されやすくなり、PERは15倍前後まで許容される可能性がある。このシナリオでは、5年後の株価は現在値から緩やかに上昇し、1.3倍前後、例えば2,500円〜3,000円程度の水準まで切り上がる展開が想定される。リターンの中心は配当と緩やかなキャピタルゲインになる。
中間のケースは、製油所向けの定期修繕需要は維持されるものの、新規分野の拡大は限定的で、業績は横ばいに近い推移となるシナリオである。売上・利益は大きく増えも減りもせず、営業利益率やROEも現状水準で安定する。この場合、市場評価も大きく変わらず、PERは12倍前後、PBRも1倍前後に収れんしやすい。株価は配当利回りを意識したレンジ推移となり、5年後の水準は現在値近辺からやや上の、2,000円台前半から半ば程度にとどまる可能性が高い。
悪い場合は、国内製油所の統廃合や稼働率低下が進み、定期修繕工事の規模や頻度が縮小するシナリオである。脱炭素の流れの中で石油関連設備への投資が抑制され、他分野への展開も十分に進まない場合、売上・利益は緩やかに減少する。この場合、市場評価は一段と慎重になり、PERは10倍前後まで低下する可能性がある。5年後の株価は現在値を下回り、1,500円〜1,800円程度まで下振れする展開も想定される。ただし、完全な成長企業ではない分、配当が一定の下支えになる可能性はある。
総合すると、レイズネクストの株価は急成長を期待する銘柄ではなく、安定したプラント保全需要と配当を軸に評価される性格が強い。今後5年間は、エネルギー業界の設備動向と、化学・環境・医薬分野への展開がどこまで進むかが評価の分かれ目となり、上方向でも緩やか、下方向でも限定的という、レンジ型の値動きになりやすい銘柄と位置付けられる。投資スタンスとしては、キャピタルゲイン狙いというより、安定配当を前提に中長期で保有するタイプの銘柄に近い。
この記事の最終更新日:2026年1月23日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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