株ウォッチング

すべての株の情報を表示し管理人のアドバイスも一言


加藤製作所(6390)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

,

株価

最新(2026-01-23)
1,381.00
前日比 +1.00(+0.07%)

加藤製作所とは

加藤製作所は、日本の建設機械・特装車メーカーであり、国内建設用クレーン分野では最大手級のポジションを占める企業である。現在の主力はラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンといった移動式クレーンで、建設現場やインフラ工事、災害復旧など幅広い用途で使用されている。油圧ショベルについては中堅クラスの位置付けであり、クレーンを中核としつつ、建設機械全般を手掛ける総合メーカーとして事業を展開している。

事業内容は、各種クレーン、油圧ショベル、アースオーガーなどの建設機械に加え、除雪車や路面清掃車といった官公庁・インフラ向け特装車の製造・販売、さらにアフターサービスまでを含む。売上構成では、荷役機械と建設機械が大半を占め、公共投資や建設投資の動向に業績が左右されやすい循環型の性格を持つ。一方で、インフラ更新需要や災害対応、除雪・清掃といった公共用途向け製品を持つ点は、需要の下支え要因ともなっている。

生産体制としては、日本国内に茨城工場と群馬工場の2工場を有しており、茨城工場では主にクレーン関連製品を、群馬工場では油圧ショベルやアースドリルなどクレーン以外の建設機械を生産している。製品の中でもラフテレーンクレーンは「ラフター」、オールテレーンクレーンは「オルター」という商標で展開されており、「ラフター」という呼称は日本国内で普通名称化するほど普及している。

海外展開については、東南アジアを中心とした代理店向け販売に軸足を置いている。国内市場に比べ規模は限定的であるものの、新興国での建設需要やインフラ整備を取り込む形で事業を継続している。製造面では日本製が中心であるが、中国製品も一定割合を占めており、コスト面と供給体制のバランスを取りながら事業運営が行われている。

同社の沿革を振り返ると、戦前から戦後にかけては建設業界向けを中心に内燃機関車を製造し、日本の工事用軌道や森林鉄道、官公庁向けで大きなシェアを持っていた。その後、1960年代後半に工事用軌道がトラック輸送へと転換したことを受け、内燃機関車事業から撤退し、建設機械専業メーカーへと業態転換した。この歴史的背景から、過酷な使用環境に耐える堅実で実用性重視の設計思想が、現在の製品にも色濃く反映されている。

近年では、環境規制や安全基準への対応、省人化・省力化ニーズへの対応といった課題に直面しているほか、日野自動車のエンジン不正問題の影響により、一部機種で受注停止を余儀なくされるなど、外部要因の影響も受けている。そのため、業績は建設投資環境だけでなく、部品供給や規制動向にも左右されやすい構造にある。

総合すると、加藤製作所は国内建設用クレーン分野を中核とする老舗の建設機械メーカーであり、公共投資・建設投資と連動しやすい循環型の事業構造を持つ。一方で、インフラ更新、災害対応、特装車といった分野で一定の安定需要も抱えており、堅実な製品設計と長年の実績を背景に、国内市場を中心とした事業を展開している企業と位置付けられる。

加藤製作所 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株配当
(円)
連21.3 58,519 -2,810 -1,921 -5,738 -489.8 10
連22.3 63,549 -7,222 -6,929 -9,575 -817.2 10
連23.3 57,530 1,258 1,865 2,403 205.1 30
連24.3 57,498 1,654 2,575 4,235 361.5 65
連25.3 52,932 903 1,401 -6,033 -514.5 70
連26.3予 57,000 -500 -1,000 200 17.9 70
連27.3予 62,000 1,800 1,300 910 81.6 70

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF
(百万円)
投資CF
(百万円)
財務CF
(百万円)
2023.3 6,471 1,369 -6,606
2024.3 -696 1,627 1,401
2025.3 -13,319 -930 6,638

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023.3 2.1% 5.2% 2.4%
2024.3 2.8% 8.4% 4.0%
2025.3 1.7% -13.6% -5.9% 0.37倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

2024年3月期は売上約574億円に対して営業利益は約16億円、経常利益は約25億円、純利益は約42億円となっており、低水準ながらも黒字を確保している。営業利益率は2.8%、ROEは8.4%、ROAは4.0%で、建設機械メーカーとしては収益性は高いとは言えないが、少なくとも利益を積み上げる局面にあったことが数字から分かる。

一方、2025年3月期は売上が約529億円まで減少し、営業利益は約9億円、経常利益は約14億円と縮小した上、純利益は約-60億円と大幅な赤字に転落している。この結果、営業利益率は1.7%まで低下し、ROEは-13.6%、ROAも-5.9%と、資本・資産のいずれに対しても収益を生み出せていない状態に入っている。

2026年3月期予想では、売上は約570億円まで回復する前提となっているが、営業利益は約-5億円、経常利益は約-10億円と赤字が続く見込みで、最終的には純利益が約2億円と小幅な黒字にとどまる想定になっている。売上水準が戻っても、本業段階では利益が出ない前提となっており、収益構造の弱さが続く見通しであることが読み取れる。

利益率の推移を見ると、営業利益率は2023年2.1%、2024年2.8%、2025年1.7%と一貫して低位で推移しており、改善が定着していない。ROEとROAも2024年に一時的な改善が見られたものの、2025年には急激に悪化しており、業績の振れが非常に大きい。

株価指標面では、2025年は安定した利益が出ていないためPERは評価できず、PBRは0.37倍と帳簿価値を大きく下回る水準にある。これは、資産規模に対して収益力が低く、先行きの不透明感が強いことを市場が織り込んでいる状態と解釈できる。

これらの数値だけを見る限り、加藤製作所は2024年までは低収益ながら黒字を維持していたが、2025年に大きく崩れ、2026年も本業回復が見えにくい局面にある。利益率、ROE、ROAはいずれも不安定で、業績は回復と悪化を繰り返している段階にあり、株価は成長や安定収益よりも、資産価値と業績下振れリスクを前提に評価されている状況と整理できる。

配当目的とかどうなの?

連26.3、連27.3ともに予想配当利回りは5.06%と、表面的にはかなり高い水準にある。利回りだけを見ると、インカム目的の投資対象としては魅力的に映る水準であることは確かである。

ただし、直近の業績推移を見ると注意点が多い。2025年3月期は最終損益が大幅な赤字となっており、ROEは-13.6%、ROAも-5.9%と、収益力が明確に落ち込んでいる。2026年3月期予想でも、営業利益と経常利益は赤字見込みで、純利益がわずかに黒字という前提にとどまっている。つまり、本業段階で十分な利益を稼げている状態ではない。

この状況下で配当利回りが5%を超えているということは、配当の原資が安定した利益成長に裏付けられているというより、株価水準が低いことによって利回りが押し上げられている側面が大きいと読み取れる。PBRが0.37倍という低水準にある点も、収益力への市場評価が厳しいことを示している。

そのため、配当目的で見る場合、「業績が安定しており、配当が将来も持続しやすい銘柄」というよりは、「業績が不安定な中でも配当水準を維持する前提に立っている高利回り銘柄」という位置付けになる。業績悪化が長引けば、配当の維持が難しくなるリスクは数字上、無視できない。

総合すると、加藤製作所は、現時点では配当利回りの高さだけで選ぶと見た目は強いが、利益水準と収益安定性を踏まえると、配当の安全性は高いとは言い切れない。配当目的で保有する場合は、「高利回りだが業績変動リスクを伴う」という前提を強く意識する必要がある銘柄と整理できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

加藤製作所の現在値1,381.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は国内建設用クレーンで最大手級のポジションを持ち、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンを主力とする建設機械メーカーである。油圧ショベルは中堅規模に位置付けられ、海外では東南アジアを中心とした代理店向け販売に軸足を置いている。

事業構造としては、国内公共工事や民間建設投資の影響を受けやすく、業績は景気循環や建設投資動向に左右されやすい性格を持つ。直近数年では売上規模はおおむね横ばいから減少傾向で推移し、営業利益・純利益は黒字と赤字を行き来する不安定な状態が続いている。ROE・ROAも年度による振れが大きく、収益体質が安定しているとは言い切れない。株価水準も成長期待を織り込む局面ではなく、低PBRと高配当を意識した評価にとどまっている状況にある。

良い場合は、国内のインフラ更新需要や防災関連工事が底堅く推移し、クレーン需要が安定的に積み上がるシナリオである。海外では東南アジア市場での代理店販売が回復し、為替環境も追い風となることで採算が改善する。この場合、営業利益は安定的に黒字を確保できる水準まで回復し、ROEも5〜7%程度まで持ち直す可能性がある。市場からは「低収益だが底打ちが見えた建設機械メーカー」として再評価され、PBRが0.6〜0.8倍程度まで見直されれば、5年後の株価は1,800円〜2,400円程度まで切り上がる展開も考えられる。配当は高水準を維持し、インカムと緩やかなキャピタルゲインの両立となる。

中間のケースは、国内建設需要は一定水準を維持するものの、海外市場の回復が限定的で、収益構造の改善が進まないシナリオである。売上高は大きく伸びず、営業利益も小幅な黒字と赤字を繰り返す状態が続く。この場合、ROE・ROAは低位で推移し、市場評価も大きく変化しにくい。PBRは0.3〜0.5倍水準にとどまり、株価は現在値を中心としたレンジ推移となる可能性が高い。5年後の株価水準は1,200円〜1,600円程度に収れんしやすく、リターンの中心は引き続き配当となる。

悪い場合は、国内建設投資が減速し、クレーン更新需要が細る一方、海外事業でも採算悪化が続くシナリオである。営業利益は再び赤字基調に転落し、純利益も不安定な状態が長期化する。この場合、ROE・ROAはマイナス圏に沈み、株主資本の効率性に対する懸念が強まる。市場評価は一段と慎重になり、PBRは0.2倍前後まで低下する可能性がある。5年後の株価は800円〜1,100円程度まで下振れし、配当も維持が難しくなるリスクを抱える。

総合すると、加藤製作所の株価は現在値1,381.0円において、高成長期待を織り込む段階ではなく、業績の底打ちと配当水準を前提とした評価にあると考えられる。今後5年間は、国内建設需要の持続性と海外事業の採算改善が最大の評価軸となり、収益の安定度が高まれば上方向、低収益が続けば横ばいから下振れという時間帯になりやすい。投資スタンスとしては、キャピタルゲイン狙いというよりも、業績回復の兆しを見極めつつ配当を受け取る中長期目線の銘柄と位置付けられる。

この記事の最終更新日:2026年1月24日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE TOP