株価
平和とは

平和は、東京都台東区に本社を置くパチンコ・パチスロ機の大手メーカーであり、遊技機事業とゴルフ事業を中核とするエンターテインメント企業である。東京証券取引所プライム市場に上場しており、系列会社としてパチスロメーカーのオリンピアを擁する。
同社の起源は、創業者である中島健吉が1949年に群馬県桐生市でパチンコ機の製造販売を始めたことにさかのぼる。1950年代に一度は倒産を経験したものの、1956年に製造・販売会社を分けて再出発し、1960年にそれらを統合して現在の企業の前身となる会社を設立した。その後、パチンコ機のエレクトロニクス化など技術革新を先導し、業界の成長とともに長年トップクラスのシェアを維持してきた。1988年に店頭公開、1990年代にかけて東証2部、1部へと上場を果たしている。
事業の中核である遊技機事業では、パチンコ機およびパチスロ機の企画・開発・製造・販売を行っている。オリンピアとの資本提携および完全子会社化を通じて、パチスロ分野の開発力も強化してきた。ルパン三世、アントニオ猪木、ゴルゴ13、タイムボカンシリーズなど、知名度の高い版権コンテンツを多数保有しており、タイアップ機を軸にヒット機種を生み出してきた点が特徴である。業界初となる機能や独自の演出手法を数多く導入してきたことでも知られ、演出やサウンドへのこだわりがブランド力につながっている。一方で、遊技機事業は規制変更やホールの入替動向に左右されやすく、業績の変動幅が大きいという性格を持つ。
2010年代以降は経営の多角化を進め、2011年にPGMホールディングスを買収し、ゴルフ事業へ本格参入した。さらにアコーディア・ゴルフを傘下に収めることで、国内最大規模、世界的にも最多水準となるゴルフ場運営・保有体制を構築している。ゴルフ事業では、ゴルフ場の運営、会員権販売、付帯サービスの提供などを行い、遊技機事業に比べて収益の安定性が高い。パチンコ・パチスロ事業の業績変動を補完する役割を担っており、平和グループ全体のキャッシュフローの安定化に寄与している。
全体として平和は、規制産業である遊技機事業における長年の開発力・ブランド力と、ゴルフ場運営というストック型・安定収益事業を組み合わせた独自の事業構造を持つ企業である。ヒット機種の有無や規制動向に左右されやすい側面を残しつつも、ゴルフ事業の拡大によって収益基盤の分散を進めてきた点が、現在の平和の大きな特徴といえる。
平和 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 107,744 | 5,311 | 5,799 | 865 | 8.8 | 80 |
| 連22.3 | 121,558 | 10,235 | 10,467 | 2,193 | 22.2 | 80 |
| 連23.3 | 142,290 | 26,905 | 26,631 | 20,685 | 209.7 | 80 |
| 連24.3 | 136,381 | 23,430 | 22,746 | 16,611 | 168.4 | 80 |
| 連25.3 | 145,867 | 27,690 | 21,332 | 13,064 | 132.5 | 80 |
| 連26.3予 | 286,000 | 56,000 | 45,800 | 22,000 | 223.1 | 80 |
| 連27.3予 | 305,000 | 62,000 | 51,800 | 25,000 | 253.5 | 80 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 25,585 | -15,224 | -14,501 |
| 連24.3 | 13,926 | 2,710 | -11,217 |
| 連25.3 | 24,925 | -500,031 | 509,939 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 18.9 | 8.9 | 4.8 | – | – |
| 2024 | 17.1 | 6.9 | 3.8 | – | – |
| 2025 | 18.9 | 5.3 | 1.2 | 11.6〜16.0 | 0.81 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益水準を見ると、連24.3は営業利益234億、経常利益227億、純利益166億である。連25.3では営業利益276億へ増加した一方、経常利益は213億、純利益は130億と減少しており、利益構造の中で一部に調整が入っていることが分かる。連26.3予では営業利益560億、経常利益458億、純利益220億と大幅な拡大が見込まれており、売上規模の拡大を前提に利益水準も一段引き上げられる想定になっている。
収益性を見ると、営業利益率は2023年18.9%、2024年17.1%、2025年18.9%と非常に高い水準で安定している。事業そのものの稼ぐ力は強く、利益率という観点では大きな問題は見当たらない。一方でROEは2023年8.9%、2024年6.9%、2025年5.3%、ROAは2023年4.8%、2024年3.8%、2025年1.2%と年々低下しており、資本効率・資産効率は明確に悪化している。利益は出ているものの、投下資本や総資産が膨らむ中で効率的に回し切れていない状態が数字に表れている。
評価指標を見ると、2025年の実績PERは安値平均11.6倍から高値平均16.0倍と、収益力に対しては低めから中立的なレンジにある。実績PBRは0.8倍と1倍を下回っており、純資産に対しては割安な評価が付いている。市場は高い営業利益率を評価しつつも、ROE・ROAの低下や資本効率の悪化を織り込んで慎重な評価をしていると読み取れる。
これらを総合すると、平和は営業利益率が高く、事業としての収益力は非常に強い一方で、資本効率は年々低下しており、成長や資本活用の面では課題を抱えている企業である。PBR1倍割れという評価は、稼ぐ力に対する割安感を示すと同時に、効率や成長性に対する市場の警戒感の裏返しでもある。
数値だけで判断すると、平和は高収益体質と割安な株価評価によって下値の堅さは期待できるが、ROE・ROAの改善や資本効率の回復が見えない限り、大きな評価上昇は起きにくい。投資対象としては、成長株というよりも、利益水準と資産価値を重視しつつ状況改善を待つタイプの銘柄と位置付けられる。
配当目的とかどうなの?
平和を配当目的で見ると、数字上は「悪くないが、安定高配当株とまでは言い切れない」という位置付けになる。まず利回り水準として、連26.3・連27.3ともに予想配当利回りは3.87%であり、製造業やサービス業全体の中では中の上に位置する。極端に高配当ではないが、インカム目的として一定の魅力はある水準である。
配当の原資となる利益を見ると、営業利益率は18%台と高く、事業そのものの収益力は非常に強い。一方で、ROEは2023年8.9%、2024年6.9%、2025年5.3%と低下傾向にあり、資本効率は明確に悪化している。つまり、利益は出ているが、資本を効率よく使って増やしている状態ではない。この点は、将来的な増配余地という観点ではプラス材料になりにくい。
また、PBRは0.8倍と1倍を下回っており、株価は資産価値に対して割安な水準にある。このため、無理な配当を出している状況ではなく、現時点の配当は財務的には十分に維持可能と考えられる。ただし、ROAが2025年に1.2%まで低下している点を見ると、大規模投資や資産増加によってキャッシュの使い道が配当以外に向いている可能性も読み取れる。
これらを踏まえると、平和の配当は「高配当を積極的に伸ばしていくタイプ」ではなく、「一定水準を安定的に維持する配当」に近い性格である。利回り約4%を受け取りながら、業績や資本効率の改善を待つスタンスであれば相性は良いが、配当成長や連続増配を強く期待する投資には向きにくい。結論として、配当目的での投資は成立するが、主役級の高配当株というより、資産価値の下支えと安定配当を組み合わせた中配当銘柄という位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
平和の現在値2,064.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社はパチンコ・パチスロ機の大手メーカーであると同時に、PGMやアコーディア・ゴルフを傘下に持つレジャー事業の比重が極めて大きい企業である。足元では遊技機事業の利益率は高い一方、ゴルフ場事業の買収・統合によって資産規模が急拡大しており、ROE・ROAが低下している。株価は高成長を織り込む水準ではなく、低PBRと安定配当を前提とした評価にとどまっている。
良い場合は、遊技機事業でヒット機種が継続的に投入され、高水準の営業利益率が維持されるシナリオである。加えて、PGMとアコーディアの統合が進み、ゴルフ場事業の稼働率改善やコスト削減が進展すれば、利益の絶対額が着実に積み上がる。この場合、ROEは緩やかに改善し、市場からは「高収益だが成熟した娯楽・レジャー企業」として再評価される可能性がある。PBRが1倍前後まで見直されれば、5年後の株価は2,800円〜3,400円程度まで切り上がる展開が考えられる。配当も現行水準を維持しつつ、インカムとキャピタルゲインの両立が期待できる。
中間のケースは、遊技機事業は一定の利益を確保するものの、大型ヒットには恵まれず、ゴルフ場事業も安定運営にとどまるシナリオである。売上・利益は増減を繰り返しながら横ばい圏で推移し、資本効率の改善も限定的となる。この場合、市場評価は大きく変わらず、PBRは0.7〜0.9倍水準にとどまりやすい。株価は現在値近辺を中心としたレンジ推移となり、5年後の水準は1,900円〜2,400円程度に収れんしやすい。投資リターンの中心は引き続き配当になる。
悪い場合は、遊技機市場の縮小が加速し、販売台数が想定以上に減少する一方、ゴルフ場事業でも稼働率低下やコスト増が重なるシナリオである。利益水準が低下し、ROE・ROAはさらに悪化する。この場合、市場評価は一段と慎重になり、PBRは0.5倍前後まで低下する可能性がある。5年後の株価は1,300円〜1,700円程度まで下振れし、配当維持にも慎重姿勢が求められる局面となる。
総合すると、平和の株価は現在値2,064.0円において、高成長期待を織り込んだ水準ではなく、安定配当と資産価値を前提とした評価にある。今後5年間は、遊技機事業の収益維持とゴルフ場事業の統合効果が評価の分かれ目となり、順調に進めば緩やかな上昇、停滞すれば横ばい、環境悪化時には下振れという時間帯になりやすい。投資スタンスとしては、キャピタルゲイン狙いよりも、配当を受け取りながら中長期で推移を見守る銘柄と位置付けられる。
この記事の最終更新日:2026年1月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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