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ダイコク電機とは

ダイコク電機株式会社は、愛知県名古屋市中村区に本社を置く、パチンコ・パチスロホール向け機器および情報システムの専業メーカーである。ホール向けコンピュータシステムでは業界最大手の地位を確立しており、ホールコンピュータと遊技機ユニットを2本柱とする事業構造を持つ。円谷フィールズホールディングスの持分法適用関連会社でもある。
同社は、パチンコホールの運営管理を支える情報インフラを主力とし、ホールコンピュータ分野では業界シェア約4割を占めるトップ企業である。遊技台の稼働状況や売上データをリアルタイムで可視化する「データロボ」、出玉や貯玉を管理するカードシステム「ロボカード」など、ホール運営に不可欠な中核機器を多数展開してきた。これらの機器は単なる設備投資商品ではなく、ホール経営の効率化や営業戦略の高度化を支える基盤として位置付けられている。
事業面では、パチンコホール向け情報ネットワーク「MIRAIGATE(ミライゲート)」を軸とした情報システム事業が中核となっている。1990年に開始した会員制情報サービス「DK-SIS」は、同社サーバーと全国のホールコンピュータをネットワークで接続し、遊技台データ、機種別営業情報、業界動向などを提供する仕組みである。2010年代には管理遊技台数が120万台を超え、市場全体の4分の1以上をカバーする規模に成長し、業界のデファクトスタンダード的な存在となった。毎年発刊される「DK-SIS白書」は、遊技業界の実態分析資料として高い認知度を持つ。
一方で、同社はホール向け機器にとどまらず、遊技機メーカー向けの制御システム開発も手がけてきた。過去には複数のパチンコ機・パチスロ機のハードウェアおよびソフトウェア開発を受託し、技術力を蓄積している。2009年以降は子会社DAXELを通じてパチスロ機分野にも本格参入し、近年はアニメ作品とのタイアップ機種に特化した展開を進めている。2024年にはスマート遊技機分野への本格参入も進め、遊技機の世代交代に対応した事業領域拡張を図っている。
また、パチンコ関連メディア事業にも関与しており、かつて地上波番組のスポンサーを務めたほか、スカパー!向けに「パチ・スロ サイトセブンTV」を運営するなど、情報発信面でも業界内で一定の存在感を示してきた。近年は子会社化や事業取得を通じて、IT関連、人材、文化事業など周辺分野への展開も進めている。
沿革を振り返ると、1960年代に電気設備関連事業として創業し、1970年代にパチンコ業界向け機器に特化して以降、ホールコンピュータの開発・販売を通じて成長してきた企業である。創業家の方針として、経営の硬直化を避けるため社長任期を原則12年以内とする考え方が受け継がれており、ガバナンス面での特徴ともなっている。
全体としてダイコク電機は、パチンコホール向け情報システムというニッチだが不可欠な分野で圧倒的なシェアと実績を持ち、設備販売と情報サービスを組み合わせたビジネスモデルを構築している企業である。業績はパチンコ業界全体の設備投資動向や規制環境の影響を受けやすい一方、DK-SISを中心としたストック型収益基盤を有しており、業界構造の変化に合わせた事業転換が今後の評価軸となる。
ダイコク電機 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 23,228 | 490 | 986 | 612 | 41.4 | 40 |
| 連22.3 | 24,390 | 1,191 | 1,367 | 1,228 | 83.1 | 60 |
| 連23.3 | 31,824 | 4,019 | 4,260 | 2,927 | 198.1 | 70記 |
| 連24.3 | 53,861 | 12,001 | 12,102 | 8,464 | 572.6 | 120特 |
| 連25.3 | 57,415 | 12,212 | 12,231 | 7,727 | 526.8 | 120 |
| 連26.3予 | 51,000 | 7,500 | 7,500 | 4,700 | 322.8 | 100 |
| 連27.3予 | 52,500 | 7,800 | 7,800 | 4,900 | 336.5 | 100 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 2,983 | -1,976 | -666 |
| 連24.3 | 8,429 | -1,734 | -3,183 |
| 連25.3 | 7,666 | -7,845 | -3,295 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 12.6 | 8.7 | 6.0 | – | – |
| 連24.3 | 22.2 | 20.7 | 14.2 | – | – |
| 連25.3 | 21.2 | 17.0 | 13.4 | 11.7〜5.1 | 0.86 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績水準を見る。連24.3の売上高は約538億円、営業利益は120億円、経常利益は121億円、純利益は84億円である。連25.3は売上高が約574億円に拡大し、営業利益122億円、経常利益122億円と高水準を維持した一方、純利益は77億円とやや減少している。連26.3予では売上高510億円、営業利益75億円、経常利益75億円、純利益47億円と、利益水準が大きく低下する前提となっている。利益のピークは24.3〜25.3で、26.3は減益局面に入る想定である。
収益性指標を見ると、営業利益率は23.3で12.6%、24.3で22.2%、25.3で21.2%と、直近2年は20%超の高い水準にある。遊技機関連企業の中では非常に高い利益率であり、収益力が一気に高まった局面であることが数字から読み取れる。ただし26.3予では営業利益そのものが減少しており、利益率も低下する可能性が高い。
資本効率の面では、ROEは23.3で8.7%、24.3で20.7%、25.3で17.0%と、24.3をピークに高水準を記録している。ROAも23.3で6.0%、24.3で14.2%、25.3で13.4%と同様の動きであり、直近数年は資産・資本を効率的に使えていたことが分かる。ただし、これらは高収益期の数字であり、26.3予の減益を前提にすると今後は低下する可能性が高い。
バリュエーション面では、25.3実績PERは高値平均11.7倍、安値平均5.1倍とレンジが広い。利益変動が大きい銘柄であることを反映した評価といえる。PBRは0.86倍で、純資産に対しては1倍を下回る水準にあり、資産価値面では割高感は出ていない。
総合すると、ダイコク電機は24.3〜25.3にかけて非常に高い利益率とROE・ROAを示した「好業績期」の数字が並んでいる一方、26.3予では売上・利益ともに明確な減少が想定されている。PERが低めに見えるのは、利益水準が循環的で持続性に不透明感があるためと考えられる。現状の数値からは、高収益期を一度通過した後の調整局面に入りつつある企業であり、評価の軸は「今後も20%前後の営業利益率を維持できるか、それとも26.3予のように大きく落ちるか」に集約される。利益の持続性に確信が持てるかどうかで、割安にも見え、妥当にも見える数字構成になっている。
配当目的とかどうなの?
ダイコク電機は配当目的として「やや魅力はあるが、安定高配当株とは言い切れない」という位置付けになる。予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに3.44%と、東証全体で見れば平均よりやや高めの水準であり、インカム狙いとして一定の水準は確保されている。直近まで営業利益率やROEが高水準だったことを背景に、配当額そのものはしっかり出ている点は事実である。
一方で注意すべき点も明確である。連26.3予では、営業利益・経常利益・純利益はいずれも24.3、25.3から減少する前提となっており、業績はピークアウト局面に入っている。この状況で配当利回り3.44%が維持されているということは、配当性向は相対的に上昇する方向になりやすく、今後の業績次第では配当に対する余裕度は低下する可能性がある。
また、ダイコク電機は過去の数字を見る限り、業績の振れが比較的大きく、高収益期と通常期の差がはっきり出やすい企業である。毎年安定して配当を積み上げていくタイプというよりは、業績サイクルに応じて配当水準も調整されやすい性格を持つ。
以上を踏まえると、ダイコク電機は4%超の高配当を長期で狙う安定配当株ではなく、3%台半ばの配当を受け取りつつ、業績の山谷を意識して付き合う中配当・循環型の銘柄と整理できる。配当を主目的に長期で持ち続けるというよりは、業績が高水準にある局面や評価が低下した局面で、インカムを補助的に受け取るスタンスの方が数字との整合性は高い。
今後の値動き予想!!(5年間)
ダイコク電機の現在値2,906.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社はパチンコ・パチスロホール向けコンピュータシステムで最大手の地位を持ち、ホールコンピュータと遊技機ユニットを2本柱とする遊技機関連機器メーカーである。
ホール経営データを扱うDK-SISを中心とした情報サービスにも強みを持ち、業界全体の稼働動向や設備投資の影響を受けやすい事業構造となっている。直近ではスマート遊技機対応需要を背景に業績が急拡大したが、26.3期予想では利益水準がやや調整局面に入る前提となっており、業績の振れ幅が大きい循環型の性格が改めて意識される局面にある。
良い場合は、スマート遊技機の入れ替え需要が想定以上に長期化し、ホール側の設備投資意欲が底堅く推移するシナリオである。ホールコンピュータ更新や周辺システムの追加投資が継続し、営業利益率は20%前後の高水準を維持、ROEも15%前後で安定する。この場合、市場からは「高収益体質が定着した遊技機インフラ企業」として評価され、PERが10倍前後まで許容されれば、5年後の株価は3,800円〜4,800円程度まで切り上がる展開が考えられる。配当を受け取りつつ、キャピタルゲインも狙える局面となる。
中間のケースは、スマート遊技機関連需要は一巡するものの、ホールの更新投資が完全には止まらず、一定水準で推移するシナリオである。売上・利益は高水準からやや落ち着くが、過去の平均と比べれば依然として高めの水準を維持する。営業利益率は20%前後からやや低下し、ROEも10%台前半に収れんする。この場合、市場評価は現状水準を大きく上回らず、株価は2,600円〜3,400円程度のレンジで推移しやすい。リターンの中心は配当となり、値動きは比較的落ち着いたものになる。
悪い場合は、遊技人口の減少やホール閉店が想定以上に進み、設備投資が急速に冷え込むシナリオである。スマート遊技機関連の需要が短期で収束し、売上・利益ともに大きく減少する。この場合、営業利益率は低下し、ROEも一桁台まで落ち込む可能性がある。市場評価は再び循環色の強い業種として慎重になり、PERは低位にとどまりやすい。5年後の株価は1,800円〜2,300円程度まで下振れし、配当も水準引き下げのリスクを伴う。
総合すると、ダイコク電機の株価は現在値2,906.0円において、スマート遊技機需要による業績拡大の反動を織り込みつつある段階にあると整理できる。今後5年間は、遊技業界全体の設備投資サイクルと高収益体質がどこまで維持できるかが最大の評価軸となり、好調が続けば上方向、需要一巡が鮮明になれば横ばいから下振れという時間帯になりやすい。投資スタンスとしては、急成長株というよりも、業績サイクルを見極めながら配当を受け取る中期視点の銘柄と位置付けられる。
この記事の最終更新日:2026年1月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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