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JUKI(6440)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-05)
548.00
前日比 -2.00(-0.36%)

JUKIとは

JUKIは、アパレル向け工業用ミシンで世界トップクラスのシェアを持つ縫製機器メーカーであり、特にアジア市場で強い存在感を持つ企業である。本社は東京都多摩市に置き、1938年に軍需向け機械製造を目的として設立された。その後、戦後の武器製造中止を機に工作機械技術を転用し、ミシン事業へと転換した。

1947年に家庭用ミシンを発売し、その高い性能が評価され、通商産業大臣賞を受賞している。1950年代にはお年玉付郵便はがきの特等賞品に採用されるなど、家庭用ミシン分野で高い知名度を築いた。現在でも家庭用ミシンでは国内3位グループに位置し、ブラザー工業、ジャノメと並ぶ大手メーカーとして認知されている。

1953年に工業用ミシン事業へ本格参入し、同時に海外輸出を拡大した。1969年には自動糸切り機構を開発し、縫製工程の生産性を大きく向上させた。この技術革新は縫製工場の効率化を進め、現在のファストファッションの大量生産体制を支える基盤技術の一つとなった。この開発ストーリーはNHKの番組でも紹介され、JUKIの技術力を象徴する出来事として知られている。

現在の主力事業は工業用ミシンであり、直線縫い、オーバーロック、電子制御ミシン、自動縫製装置などを展開している。単体機械の販売に加え、縫製ライン全体の自動化・省人化を提案するシステム販売も行っており、世界中の有名アパレルブランドの生産現場で使用されている。工業用ミシンのシェアは世界1位とされ、180カ国以上で製品が使われている。

生産・販売体制はグローバルに広がっており、日本国内の工場に加え、中国、ベトナム、インドなどアジアを中心に生産拠点を配置している。販売拠点もアジア、中東、欧州、米州、アフリカまで広がっており、アパレル生産の中心地に密着した事業展開が特徴である。このため、売上の大半は海外向けであり、特にアジア市場の動向が業績に大きな影響を与える構造となっている。

JUKIのもう一つの柱が、表面実装機、いわゆるチップマウンター事業である。1987年から電子部品実装機の製造に着手し、縫製機械とは異なる分野への多角化を進めてきた。2014年にはソニーグループの実装機事業と統合し、合弁会社を設立するなど、技術基盤の強化を図っている。さらに2022年には三菱電機系企業のノンアパレル事業を統合し、電子機器製造向け装置分野の拡充を進めている。これにより、アパレル市況に左右されやすい事業構造を補完する役割を担っている。

このほか、自動倉庫、異形部品挿入機、データエントリー装置なども手掛けており、製造現場の自動化・省人化という共通テーマのもとで事業領域を広げている。過去には白物家電の販売を行っていた時期もあり、試行錯誤を重ねながら現在の事業構成に至っている。

全体としてJUKIは、縫製というニッチだが世界規模で不可欠な工程に強みを持ち、工業用ミシンを軸に高いグローバルシェアを築いてきた企業である。一方で、アパレル市況、新興国経済、為替変動の影響を受けやすく、業績には景気循環性がある。そのため、工業用ミシンの世界首位という地位と、表面実装機を中心とした第2の柱の育成が、長期的な事業安定性を左右する構造となっている。

JUKI 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
一株益
(円)
一株当り配当
(円)
連22.12 117,454 2,858 1,163 -78 -2.7 20
連23.12 94,750 -2,699 -3,684 -7,035 -238.5 15
連24.12 95,185 -962 -3,327 -3,235 -109.0 0
連25.12予 90,000 2,000 0 800 26.8 10
連26.12予 95,000 3,000 1,000 800 26.8 10

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業キャッシュフロー
(百万円)
投資キャッシュフロー
(百万円)
財務キャッシュフロー
(百万円)
連22.12 -14,641 -4,930 17,485
連23.12 2,254 -2,751 2,456
連24.12 9,371 -2 -4,147

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA PER PBR
2023 -2.9% -22.3% -5.1%
2024 -1.1% -10.4% -2.3% 0.53倍
2025 2.2% 2.5% 0.5% 20.48倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の推移を見る。連23.12の売上高は947億円、営業利益は-26億円、経常利益は-36億円、純利益は-70億円である。連24.12は売上高951億円とほぼ横ばいで推移したが、営業利益は-9億円、経常利益は-33億円、純利益は-32億円と赤字幅は縮小している。連25.12予では売上高900億円、営業利益20億円、経常利益0億円、純利益8億円が見込まれており、黒字転換を前提とした計画となっている。連26.12予では売上高950億円、営業利益30億円、経常利益10億円、純利益8億円と、利益水準の改善が続く想定である。

収益性を見ると、営業利益率は2023年-2.9%、2024年-1.1%、2025年2.2%と段階的に改善しており、赤字構造からの脱却を目指す過程にあることが数値から確認できる。ただし、2025年時点でも利益率は低水準にとどまっている。

資本効率の指標では、ROEが2023年-22.3%、2024年-10.4%、2025年2.5%と改善傾向にあるものの、2025年でもわずかに正の水準に戻る段階である。ROAも2023年-5.1%、2024年-2.3%、2025年0.5%と改善しているが、資産に対する収益力は依然として低い。

株価指標を見ると、2024年の実績PBRは0.5倍であり、純資産に対して低い評価水準にある。2025年の予想PERは20.4倍とされており、利益規模が小さい中で、黒字化を前提とした将来期待を織り込んだ水準となっている。

以上を総合すると、JUKIは2023年から2024年にかけて大幅な赤字を計上した後、2025年以降の黒字回復を前提とする局面にある。営業利益率、ROE、ROAはいずれも改善傾向にあるが、水準そのものは低く、回復途上の段階にある。一方で、PBRは0.5倍と低位にあり、資産価値面では慎重な評価がなされている。予想PERは20倍超であり、利益回復が計画通り進むことを前提とした評価となっているため、投資判断としては「割安修復」よりも「業績回復が実現するかどうか」を見極める局面にあると整理できる。

配当目的とかどうなの?

まず配当利回りを見ると、連25.12および連26.12の予想配当利回りはいずれも1.82%とされている。一般的な高配当水準とされる3%台以上と比べると、利回りそのものは低めの水準にとどまっている。

業績との関係を見ると、23.12および24.12は純利益が大幅な赤字であり、24.12では配当は無配となっている。25.12予では純利益8億円への黒字転換が見込まれ、配当も10円の復配予想となっているが、利益規模は小さく、配当余力は限定的である。一株益26.8円に対して配当10円とすると、配当性向は高めの水準となり、余裕のある配当とは言いにくい。

キャッシュフローの面では、営業キャッシュフローは22.12に大幅なマイナスを記録した後、23.12、24.12と改善している。ただし、黒字化からの回復初期段階であり、安定したキャッシュ創出力が確立したとは言えない状況である。

以上を踏まえると、JUKIは現時点で配当を主目的に保有する銘柄とは位置付けにくい。1%台後半の利回りはインカム投資としての魅力は限定的であり、配当の持続性や増配余地も、業績回復が計画通り進むことを前提としている。配当狙いというよりは、業績回復が進んだ場合の利益改善や評価修正を期待する局面にある銘柄と整理できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

JUKIの現在値549.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社はアパレル向け工業用ミシンで世界トップクラスのシェアを持つ縫製機器メーカーであり、特にアジア市場での存在感が大きい。主力の工業用ミシンはアパレル生産拠点の設備投資に左右されやすい一方、表面実装機を第2の柱として持ち、アパレル市況一本足からの脱却を図っている。事業構造は景気循環の影響を受けやすく、業績は振れやすいが、足元では赤字から黒字回復局面にある。

良い場合は、アパレル市況の回復とアジアを中心とした縫製工場の設備投資が持ち直し、工業用ミシンの受注が想定以上に回復するシナリオである。これに加えて、表面実装機事業が電子機器向け需要を取り込み、収益の下支えとなる。営業利益率は2%台からさらに改善し、ROE・ROAもプラス圏で定着する。この場合、市場は「業績回復局面入り」を評価し、赤字期に付いていた低評価が修正される。PERは回復期待を背景に高めでも許容され、5年後の株価は800円〜1,000円程度まで切り上がる展開が考えられる。

中間のケースでは、アパレル向け需要は緩やかに回復するものの勢いは限定的で、表面実装機事業も安定はするが大きな成長には至らない。営業利益は黒字を維持するが水準は低く、営業利益率は2%前後、ROEも数%程度にとどまる。この場合、評価は「回復途上の企業」として落ち着き、PERは現在想定されている水準近辺で推移する。株価は大きなトレンドを作らず、500円〜650円程度のレンジでの推移が中心となり、値上がり益は限定的になる。

悪い場合は、アパレル市況の回復が遅れ、価格競争の激化により工業用ミシンの採算が改善しないシナリオである。表面実装機事業も市況の波を受け、全体として利益回復が頓挫する。営業利益率は再び低下し、ROE・ROAもゼロ近辺にとどまる。この場合、黒字定着への期待が後退し、市場は慎重姿勢を強める。PERは低下し、PBRも低位で推移したままとなり、5年後の株価は300円〜450円程度まで下振れする可能性がある。

総合すると、JUKIの株価は現在値549.0円において、業績回復への期待と不確実性が拮抗した水準にある。今後5年間は配当を軸に保有する銘柄というより、黒字回復がどこまで定着し、利益水準を引き上げられるかが最大の評価軸となる。回復が順調に進めば評価修正余地がある一方、回復が遅れた場合には下方リスクも大きく、投資スタンスとしては業績改善の進捗を確認しながら向き合う中長期目線の銘柄と位置付けられる。

この記事の最終更新日:2026年1月24日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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