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ツバキ・ナカシマ(6464)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-04)
321.00
前日比 -10.00(-3.02%)

ツバキ・ナカシマとは

株式会社ツバキ・ナカシマは、軸受用の精密鋼球や精密ローラーを主力とする、日本を代表する精密機械・自動車部品メーカーである。特にベアリング向け精密鋼球では世界シェア約3割を占め、シリンダや回転体の性能を左右する転動体分野で圧倒的な存在感を持つ企業である。近年はスチール球に加え、軽量化や耐摩耗性に優れるセラミックボールにも注力しており、自動車、産業機械、航空宇宙、エネルギー、医療といった幅広い分野に製品を供給している。

同社のルーツは1905年設立の中島製作所にさかのぼり、送風機事業からスタートした。一方、精密鋼球事業は1934年創業の東洋鋼球製作所が起点であり、戦前から国産鋼球の開発・量産を進めてきた。戦後は社名変更や事業拡張を重ね、1960年代には東京証券取引所に上場、1980年代には海外展開を本格化させ、精密転動体メーカーとして世界的な地位を築いた。1996年には精密鋼球を手掛ける椿本精工と送風機を手掛ける中島製作所が経営統合し、株式会社ツバキ・ナカシマが誕生している。

2007年にはファンド傘下に入り非上場化したが、その後カーライル・グループの支援を受けて事業再構築を進め、2015年に再び東証に再上場した。いわゆるMEBOを経た再上場企業であり、資本構成や経営体制を変えながらも、コアである精密鋼球・ローラー事業を軸にグローバル展開を続けてきた点が特徴である。

事業内容の中心は、ベアリングなどに使用される精密鋼球、精密ローラー、セラミックボールの製造・販売である。これらは自動車のエンジン、トランスミッション、ハブ、ドライブシャフト、ステアリング部品だけでなく、EVやハイブリッド車、産業用ロボット、工作機械、鉄道、建設機械など、回転や摺動が求められるあらゆる機械に組み込まれている。高精度、高耐久、低摩耗という特性が要求される分野で、長年培った材料技術と加工技術が強みとなっている。

また、航空宇宙・防衛分野では、極端な温度変化や高荷重、高速回転といった過酷な条件下でも信頼性を維持できる転動体を提供しており、防衛規格対応のスチールボールや軽量なセラミックボールは失敗が許されない用途で採用されている。エネルギー分野では、風力発電や石油・ガス関連設備向けに、摩耗低減と長寿命化に寄与するローラーや鋼球を供給し、設備の安定稼働を支えている。

さらに同社は精密転動体にとどまらず、産業用・医療用のプラスチック射出成形部品や医療用セラミックボールも展開している。医療・歯科分野では、クリーンルーム環境下で高精度な部品を製造し、診断機器や人工装具、使い捨て医療器具などに向けた製品をグローバルに供給している。北米や欧州にも製造拠点を持ち、医療分野においても世界水準の品質と供給力を確立している。

国内では奈良県を中心に鋼球、精密機器、送風機の生産拠点を構え、海外では米国、欧州などにグループ会社を展開している。国内子会社ではボールペン用ペン先向け鋼球で国内シェア9割を握る企業も傘下に持ち、消費財分野でも高い競争力を有している。

総合すると、ツバキ・ナカシマは精密鋼球・ローラーというニッチだが不可欠な分野で世界トップクラスの技術とシェアを持ち、自動車から産業機械、エネルギー、医療まで幅広い分野を支える基盤部品メーカーである。景気や設備投資の影響を受けやすい側面はあるものの、100年以上にわたる技術蓄積とグローバル展開力を背景に、産業インフラを陰で支え続ける企業と位置付けられる。

ツバキ・ナカシマ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 税前利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益 EPS(円) 一株配当(円)
22.12 79,036 -9,065 -9,648 -9,089 -225.4 30
23.12 80,337 853 113 -1,287 -32.4 13
24.12 75,921 814 1,747 912 22.9 25
25.12予 71,500 1,000 -600 -800 -20.9 0
26.12予 72,000 1,600 100 -100 -2.6 0

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
22.12 -4,136 -3,504 -1,762
23.12 1,405 -4,933 1,394
24.12 4,873 -3,800 -1,906

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
23.12 1.0 -2.4 -0.8
24.12 1.0 1.4 0.5 19.8〜38.0 0.23
25.12予 1.3 -1.4 -0.5

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績規模を見ると、23.12の売上高は約803.4億円、営業利益は8.5億円、経常利益は1.1億円、純利益は-12.8億円である。売上規模に対して利益水準は極めて低く、最終段階では赤字となっている。24.12は売上高759.2億円、営業利益8.1億円、経常利益17.4億円、純利益9.1億円と黒字化しているが、営業利益はほぼ横ばいであり、利益改善の主因は営業外要因によるものと読み取れる。

25.12予想では売上高715.0億円、営業利益10.0億円と営業段階ではわずかに改善するものの、経常利益は-6.0億円、純利益は-8.0億円と再び赤字予想である。26.12予想でも売上高720.0億円、営業利益16.0億円、経常利益1.0億円、純利益は-1.0億円と、黒字が安定して定着する姿は見えていない。

収益性を見ると、営業利益率は2023年1.0%、2024年1.0%、2025年1.3%と、3年間を通じて1%前後にとどまっている。精密部品メーカーとしてはかなり低水準で、事業構造そのものの収益力が弱いことが数字に明確に表れている。ROEは-2.4%、1.4%、-1.4%、ROAは-0.8%、0.5%、-0.5%と、資本効率も低位かつ不安定であり、24年の改善は一時的なものに過ぎない。

バリュエーション面では、24年実績PERは高値平均38.0倍、安値平均19.8倍と、見かけ上は非常に高い水準である。ただしこれは利益水準が小さいことによるもので、成長期待が高いことを意味するものではない。一方、PBRは0.2倍と極端な低水準にあり、資産価値に対して大きく割り引かれている。市場が同社の収益力や将来性を相当厳しく見ていることが、この数値から読み取れる。

総合すると、ツバキ・ナカシマは売上高700〜800億円規模の事業を維持しているものの、営業利益率は1%台、ROE・ROAは低位で安定せず、純利益も赤字と黒字を行き来する状態にある。PBR0.2倍という評価は一見すると割安に映るが、これは資本効率と収益力の低さを強く織り込んだ結果であり、単純な割安株とは言いにくい。

この数値だけで判断するなら、ツバキ・ナカシマは現時点で積極的に買いに行く銘柄ではなく、事業再建と安定した黒字化、営業利益率の明確な改善が確認できて初めて評価が見直される可能性のある再建途上銘柄という位置付けになる。PBR是正による上昇余地は理論上存在するものの、その前提条件がまだ整っておらず、現段階ではリスクを伴う投資対象と結論付けられる。

配当目的とかどうなの?

まず結論から言うと、配当目的には向かない銘柄である。◇25.12、◇26.12ともに予想配当利回りは0.00%で、実質的に無配状態が続く見通しとなっている。業績面を見ると、売上高は700億円規模を維持しているものの、営業利益率は1%前後と極めて低く、純利益も赤字と黒字を行き来している。25.12予想では純利益-8億円、26.12予想でも純利益-1億円と、最終利益が安定しておらず、配当原資となる利益が確保できていない。この状態では、配当を出す余力がないのは自然な判断と言える。

キャッシュフローについても、22年は営業CFがマイナス、23年以降は改善してきているものの、投資CFは継続してマイナスであり、事業維持や立て直しに資金を回すフェーズが続いている。経営としては、株主還元よりも事業の安定化と財務体質の改善を優先せざるを得ない局面である。

評価面ではPBRが0.23倍と極端に低く、一見すると割安に見えるが、無配かつ低収益という状況を考えると、配当目的でこの株を保有する合理性はない。将来的に配当が再開される可能性はあるものの、その前提として安定した黒字化と営業利益率の改善が不可欠であり、25年、26年の予想数値を見る限りでは現実的とは言い難い。

総合すると、ツバキ・ナカシマは配当狙いで保有する銘柄ではなく、事業再建が進み、利益が安定してから初めて株主還元を期待する段階に入る銘柄である。現時点ではインカム目的には不向きで、配当を重視する投資スタンスとは相性が悪いと結論付けられる。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社ツバキ・ナカシマの現在値367.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は精密鋼球・精密ローラーで世界的なシェアを持つ一方、直近は収益性が極めて低く、赤字と黒字を行き来する再建途上の局面にある。PBRは0.23倍と極端に低く、市場は事業の将来性に対して強い慎重姿勢を取っていることが前提となる。

良い場合は、事業再建が想定以上に進み、営業利益率が1%台から2%台へ改善し、純利益が安定して黒字化するシナリオである。精密鋼球・セラミック球の需要回復やコスト構造の是正が進み、ROEも5%前後まで回復する。この場合、市場は最悪期を脱したと判断し、PBRは0.5〜0.7倍程度まで見直される可能性がある。仮にBPSベースで評価修正が進めば、5年後の株価は600円〜800円程度まで戻す展開が想定される。配当再開への期待も芽生え、長期での見直し買いが入りやすくなる。

中間のケースでは、売上は700億円前後で横ばい、営業利益率は1%台にとどまり、黒字と赤字を小刻みに繰り返す状態が続く。事業の致命的悪化は避けられるものの、明確な成長ストーリーは描けない。この場合、市場評価は現在と大きく変わらず、PBRは0.2〜0.3倍程度で推移する可能性が高い。株価は300円〜450円程度のレンジで上下し、5年後も現在水準と大きく変わらない位置にとどまる展開が中心となる。

悪い場合は、収益改善が進まず、赤字基調が長期化するシナリオである。営業利益率は1%未満に逆戻りし、純利益も継続的にマイナスとなる。市場は事業の持続性にさらに厳しい評価を下し、PBRは0.1倍台まで低下する可能性がある。この場合、株価は200円〜300円程度まで下落し、資産価値を意識した底値模索の展開が続くことになる。配当再開の見通しも立たず、株価回復には相当な時間を要する。

総合すると、ツバキ・ナカシマの株価は現在値367.0円において、再建失敗リスクまで含めて織り込んだ水準にある。今後5年間は安定成長や配当を期待する銘柄ではなく、事業再建が進むかどうかによって評価が大きく振れるハイリスク・ハイリターン寄りの局面と言える。値上がり益を狙う場合は、業績改善の兆しを確認しながら慎重に向き合う姿勢が求められる。

この記事の最終更新日:2026年1月25日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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