株価
シンフォニアテクノロジーとは

シンフォニア テクノロジー株式会社は、半導体搬送、航空宇宙、制御機器を中核に、電機・機械分野で幅広い事業を展開する総合電機メーカーである。本社は東京都港区に置き、東京証券取引所プライム市場に上場している。前身は神鋼電機株式会社で、もともとは神戸製鋼所系列の企業であったが、資本・業務面での関係が薄れたことを背景に2009年に現在の社名へ変更し、独立色を強めた経営を行っている。
同社の起源は1917年にさかのぼり、三重県鳥羽市にあった旧鳥羽造船所の電気機器製造部門が源流である。その後、神戸製鋼所の電気機器部門を経て、1949年に神鋼電機として設立された。戦後復興期には洗濯機や冷蔵庫などの家庭電化製品、電車や電気自動車の製造にも携わるなど、時代に応じて事業領域を変化させてきた。現在はBtoB分野を中心とした産業・インフラ向け事業に軸足を置いている。
事業内容は非常に多岐にわたるが、主な柱の一つが半導体・液晶向けのクリーン搬送機器である。半導体製造工程で用いられる高精度・高信頼性の搬送装置を手掛けており、設備投資動向の影響を受けやすい一方、技術的な参入障壁が高い分野でもある。この分野では、需要が回復する局面で業績が大きく伸びやすく、利益が期末に偏りやすい傾向が見られる。
航空宇宙分野も同社の重要な事業であり、航空機向けの電源システム、アビオニクス、アクチュエーション装置、エンジン補機、宇宙用機器、試験・訓練装置、地上支援機材などを幅広く手掛けている。高い信頼性と長期供給が求められる分野であり、景気変動の影響を受けにくい安定収益源となっている。
このほか、大型搬送システムや産業車両、空港用地上支援車両、駅務・車両制御機器など、社会インフラを支える分野にも強みを持つ。電磁クラッチ・ブレーキ、サーボアクチュエータ、各種モータといった制御・駆動機器は、産業機械や自動化設備に広く採用されている。さらに、発電・産業電機分野では非常用発電設備や産業用電機、振動搬送機器、パーツフィーダなども展開している。
環境・社会システム分野では、小型風力発電やマイクロ水力発電、太陽光発電設備、上下水道や道路関連の電気施設、遠方監視制御システム、さらには太陽光パネル清掃ロボットなどの設備工事・システム提供も行っており、再生可能エネルギーやインフラ保全ニーズの取り込みを進めている。
総じてシンフォニア テクノロジーは、神鋼系から独立した電機メーカーとして、半導体搬送や航空宇宙といった高付加価値分野と、制御機器・社会インフラ分野を組み合わせた事業構造を持つ企業である。事業領域が広く、期末に利益が偏重しやすい特性はあるものの、産業・インフラを支える基盤技術を数多く抱えている点が大きな特徴といえる。
シンフォニアテクノロジー 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株当り配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 87,312 | 4,891 | 4,810 | 3,677 | 124.5 | 35 |
| 連22.3 | 94,585 | 7,514 | 7,898 | 5,593 | 195.0 | 50 |
| 連23.3 | 108,808 | 11,625 | 11,997 | 8,098 | 287.2 | 75 |
| 連24.3 | 102,657 | 10,011 | 10,532 | 7,506 | 266.2 | 70 |
| 連25.3 | 119,150 | 15,734 | 15,941 | 12,097 | 428.9 | 115 |
| 連26.3予 | 125,000 | 16,500 | 16,500 | 11,300 | 400.5 | 120 |
| 連27.3予 | 131,000 | 17,300 | 17,300 | 12,000 | 425.3 | 128 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 (単位:百万円) |
営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | 6,034 | -4,057 | -1,276 |
| 連24.3 | 9,841 | -7,503 | -2,358 |
| 連25.3 | 11,373 | -1,915 | -8,964 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 10.6 | 12.9 | 6.3 | – | – |
| 連24.3 | 9.7 | 10.0 | 5.4 | – | – |
| 連25.3 | 13.2 | 15.0 | 8.8 | 11.9(高値) 5.1(安値) |
3.58 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず業績規模を見ると、売上高は2024年1026億円、2025年1191億円、2026年予想1250億円と増収基調にある。営業利益は2024年100億円から2025年157億円へ大きく伸び、2026年予想も165億円と高水準を維持する見通しである。経常利益も105億円から159億円、165億円へと拡大しており、純利益は2024年75億円、2025年120億円、2026年予想113億円と、2025年に大きく跳ねた後はやや調整するが、依然として高い水準にある。
収益性を見ると、営業利益率は2023年10.6%、2024年9.7%から、2025年に13.2%へと大きく改善している。半導体搬送や航空関連といった高付加価値分野の寄与が強まった結果と読み取れる。ROEも12.9%から10.0%を経て15.0%へ上昇し、資本効率は明確に改善している。ROAも6.3%から5.4%を経て8.8%まで高まっており、資産を使った収益創出力も強まっている。
一方で、バリュエーションを見ると、2025年実績PERは高値平均11.9倍、安値平均5.1倍とレンジが広い。利益変動の大きさを反映し、市場が業績の持続性を慎重に見ていることがうかがえる。PBRは3.5倍と高く、ROE15%水準を考慮しても、すでに成長期待が相応に株価へ織り込まれている状態といえる。
以上を踏まえると、シンフォニア テクノロジーは「業績は拡大局面にあり、収益性も大きく改善しているが、評価面では楽観を織り込みつつある銘柄」と位置付けられる。利益成長そのものは魅力的である一方、PBRが高水準にあるため、今後は成長の持続性が株価の方向性を左右する局面に入っている。投資判断としては、成長ストーリーを前提に保有する中長期向けの銘柄であり、短期的には業績のブレや設備投資動向による調整リスクも意識しながら向き合う必要がある、という評価が妥当である。
配当目的とかどうなの?
まず予想配当利回りは、連26.3で1.14%、連27.3で1.21%と、かなり低い水準にとどまっている。一般的に配当目的で注目される水準は少なくとも2.5〜3%以上であることを考えると、インカムゲイン狙いの投資には明確に不向きである。
配当額を見ると、2025年は115円、2026年予想120円、2027年予想128円と増配基調ではあるものの、株価水準が高く、結果として利回りは1%台前半に抑えられている。つまり、同社は配当水準そのものよりも、業績拡大に合わせて配当を積み上げていく「業績連動型」の色合いが強く、配当を主目的に株を保有する設計にはなっていない。
また、営業利益率やROE、ROAは2025年にかけて大きく改善しており、稼いだ利益は配当よりも成長投資や事業拡大に優先的に使われていると読み取れる。PBRが3倍台と高水準にある点も、株価が配当利回りではなく成長期待で評価されていることを示している。
以上を踏まえると、シンフォニア テクノロジーは配当目的には向かない銘柄である。配当はあくまで補助的な位置付けであり、主眼は半導体搬送や航空・制御分野の成長による利益拡大と株価上昇にある。投資スタンスとしては、配当収入を重視する投資家ではなく、業績成長と評価変化を狙う中長期型に適した銘柄と整理するのが妥当である。
今後の値動き予想!!(5年間)
シンフォニア テクノロジー株式会社の現在値10,520.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は半導体向けクリーン搬送装置、航空宇宙関連機器、制御・電源・搬送システムなどを展開する総合電機メーカーであり、高付加価値分野の比率が高い点が特徴である。一方で、半導体設備投資の影響を受けやすく、利益が期末に偏りやすいという業績特性も併せ持つ。
良い場合は、半導体製造装置向け搬送機器の需要が再び拡大局面に入り、航空宇宙・防衛関連の安定収益が下支えとなるシナリオである。2025.3期に見られた高い営業利益率が維持され、営業利益率は12%前後で安定、純利益は120億円規模を継続的に確保、EPSは420円前後で推移する。この場合、市場からは「高収益型の半導体・航空複合メーカー」として評価されやすくなり、PERは高値平均に近い12〜13倍が許容される。EPS420円×PER13倍を前提にすると、5年後の株価は5,400円程度ではなく、14,000円〜16,000円程度まで切り上がる展開が想定される。業績の持続性が確認されれば、PBRの高さも正当化され、緩やかな上昇基調が続く可能性が高い。
中間のケースでは、半導体向け需要は循環的な回復にとどまり、航空・社会インフラ関連が安定収益源として機能するシナリオである。営業利益率は10%前後、ROEは12%程度で落ち着き、利益水準は高止まりするが大きな成長は見られない。この場合、市場評価はPER9〜11倍程度に収まり、現在の評価水準と大きな乖離は生じにくい。EPS380〜420円×PER10倍を前提にすると、株価は9,000円〜11,000円程度のレンジで推移し、現在値付近を中心とした横ばい圏の展開になりやすい。
悪い場合は、半導体設備投資の停滞が長期化し、期末偏重の利益構造が重荷となるシナリオである。航空関連は安定するものの全体の収益を補い切れず、営業利益率は8%台まで低下、純利益は80〜90億円規模に縮小、EPSは300円前後にとどまる。この場合、市場は成長期待を引き下げ、PERは安値平均に近い7〜8倍まで低下する可能性がある。EPS300円×PER8倍を前提にすると、株価は6,000円〜7,500円程度まで調整する展開も想定される。配当利回りは上昇するが、株価回復には業績回復の確認が必要となる。
総合すると、シンフォニア テクノロジーの株価は現在値10,520.0円において、2025年の高収益局面と成長期待を相当程度織り込んだ水準にある。今後5年間は急落・急騰を繰り返す循環型の値動きになりやすく、高配当目的ではなく、半導体・航空分野の成長局面を見極めながら中長期で保有するスタンスに適した銘柄と位置付けられる。
この記事の最終更新日:2026年1月26日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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