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アイモバイルとは

アイモバイルは、ふるさと納税支援サイト「ふるなび」の運営を主力とし、広告配信ネットワーク事業やアプリ運営事業も手がけるインターネットIT企業である。本社は東京都渋谷区に置き、東京証券取引所プライム市場に上場している。
同社は2007年8月に創業され、当初はモバイル向け広告配信を中核とするネット広告会社として事業を開始した。2007年9月にモバイルアドネットワークサービス「i-mobile」をリリースし、その後2011年にはPC向け、スマートフォン向けの広告ネットワークを相次いで展開した。特にスマートフォン向け広告では、国内アドネットワーク大手の一角として認知されるまでに成長している。
事業構造の大きな転機となったのが、2014年に開始したふるさと納税サイト「ふるなび」である。自治体から受け取る手数料収入を収益源とするモデルで、広告市況に左右されやすいアドネットワーク事業とは異なる安定的な収益基盤を形成している。「ふるなび」は現在、ふるさと納税ポータルサイトの上位グループに位置するまでに成長しており、同社の業績を左右する中核事業となっている。
ふるさと納税関連では、「ふるなび」を中心に、ポイントサービス「たまるモール by ふるなび」、飲食店向けPRサービス「ふるなびグルメポイント」など周辺サービスも展開しており、寄附促進と利用者囲い込みを目的としたエコシステムを構築している。また、キャラクター版権事業なども含め、返礼品やプロモーションの多様化を進めている。
広告事業では、アドネットワーク事業「i-mobile Ad Network」を軸に、アフィリエイト事業、動画広告配信、デジタルサイネージ向け広告などを展開してきた。現在はこれらを統合し、効率的な広告配信と運用を行う体制となっている。広告主と媒体双方に対して、成果重視型の広告配信を提供する点が特徴である。
さらに、アプリ運営事業として「オーテ」などのアプリ開発・運営も行っており、広告やふるさと納税とは異なる領域での収益機会も模索している。広告代理店事業やメディアソリューション事業も含め、複数の事業を組み合わせたポートフォリオを構成している。
全体としてアイモバイルは、創業来のアドネットワーク事業で培った広告技術と運用ノウハウを基盤にしつつ、ふるさと納税サイト「ふるなび」を収益の柱へと育てた企業である。広告事業の景気変動リスクを、ふるさと納税という比較的安定した手数料ビジネスで補完する構造となっており、現在はこの二本柱を軸に事業を展開している。
アイモバイル 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株当り配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.7 | 17,833 | 3,382 | 3,366 | 2,299 | 35.8 | 33.3 |
| 連22.7 | 13,933 | 3,793 | 3,839 | 2,678 | 41.7 | 12.7 |
| 連23.7 | 16,426 | 3,525 | 3,434 | 2,404 | 39.9 | 13.3 |
| 連24.7 | 18,735 | 3,549 | 3,459 | 2,420 | 42.1 | 22 |
| 連25.7 | 21,528 | 4,133 | 4,069 | 2,957 | 51.4 | 26 |
| 連26.7予 | 22,000 | 4,500 | 4,460 | 3,100 | 55.3 | 27 |
| 連27.7予 | 23,000 | 4,700 | 4,600 | 3,200 | 57.1 | 27〜28 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 連23.7 | 4,388 | -378 | -2,059 |
| 連24.7 | 3,793 | -747 | -683 |
| 連25.7 | 4,816 | -3,619 | -2,303 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 21.4 | 11.0 | 17.2 | – | – |
| 2024 | 18.9 | 9.8 | 15.6 | – | – |
| 2025 | 19.1 | 10.8 | 18.3 | 8.3〜13.0 | 1.97 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
連24.7から連26.7予までの数値を見ると、売上高は187億円→215億円→220億円と緩やかな増加基調にあり、事業規模は着実に拡大している。営業利益は35億円→41億円→45億円、経常利益も34億円→40億円→44億円と増益傾向が続いており、利益成長は売上成長を上回るペースで進んでいる。純利益も24億円→29億円→31億円と段階的に増加しており、最終利益まで安定した利益創出ができていることが確認できる。
収益性の指標を見ると、営業利益率は2023から2025にかけて21.4%→18.9%→19.1%とやや低下後に持ち直しており、依然として20%前後の高水準を維持している。広告・ふるさと納税関連という比較的利益率の高いビジネスモデルが数字に表れている。ROEは17.2%→15.6%→18.3%、ROAは11.0%→9.8%→10.8%で推移しており、資本効率・資産効率ともに高い水準にある。特にROEが15%超で安定している点は、自己資本を使った収益創出力が強いことを示している。
バリュエーション面では、2025年の実績PERが安値平均8.3倍から高値平均13.0倍のレンジにあり、PBRは1.9倍程度となっている。営業利益率20%前後、ROE18%前後という収益性を考えると、PER・PBRともに極端な割高感はなく、利益水準に対して市場評価は比較的落ち着いた水準にあると整理できる。
以上の数値だけから判断すると、アイモバイルは売上・利益ともに安定成長を続け、高い利益率と資本効率を維持している企業である。業績面では成熟フェーズに入りつつも、利益の積み上げが続いており、事業基盤は堅い。
一方で、PERが低めに出やすい点から、市場は高成長企業というよりも「高収益だが成長は中程度」と評価している状態といえる。総合的には、収益性と安定性を重視する投資家にとっては数値的な裏付けのある銘柄であり、評価倍率の大きな切り上がりよりも、利益の積み上げと安定した株主還元が注目される局面にあると整理できる。
配当目的とかどうなの?
数値だけを見ると、配当目的としてはかなり条件が整ってきている銘柄と整理できる。連26.7、連27.7ともに予想配当利回りは5.23%と高水準であり、東証全体と比較しても上位に入る水準である。
これに対して、営業利益は40億円台半ば、純利益は30億円前後を安定的に計上しており、営業利益率は19%前後、ROEは18%前後、ROAも10%超と収益性・資本効率はいずれも高い。利益率が高く、事業構造そのものがキャッシュを生みやすい点は、配当の持続性を考える上で重要な要素になる。
EPSは連25.7で約51円、連26.7予で約55円と増加基調にあり、配当額27円前後に対する配当性向はおおむね50%前後となる。配当性向が極端に高いわけではなく、利益の範囲内で配当を行っている状態である。営業キャッシュフローも年間40億円前後を安定して確保しており、配当原資という観点でも無理は感じられない。
一方で、事業成長のスピードは急成長局面というより、すでに成熟フェーズに近づいている印象がある。市場からの評価もPER8倍〜13倍、PBR2倍弱と、成長期待よりも収益性と安定性を重視した水準に落ち着いている。このため、大きな株価上昇を狙うタイプというよりは、利益の積み上げと株主還元を享受する性格が強くなっている。
総合すると、アイモバイルは高い営業利益率とROE、安定したキャッシュフローを背景に、5%超の配当利回りを実現しており、配当目的での中長期保有には適した銘柄と整理できる。業績が大きく崩れない限り、配当水準は比較的維持されやすく、値上がり益よりもインカムを重視する投資スタンスと相性の良い銘柄である。
今後の値動き予想!!(5年間)
アイモバイルの現在値516.0円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社はふるさと納税サイト「ふるなび」の手数料収入を収益の柱としつつ、広告配信ネットワーク事業も併せ持つ企業であり、足元では高い営業利益率と安定したキャッシュフローを背景に、高配当銘柄としての性格が強まっている点が特徴といえる。
良い場合は、ふるさと納税市場が引き続き拡大し、「ふるなび」の取扱高と手数料収入が安定的に伸びるシナリオである。広告事業も大きな落ち込みなく推移し、全体として売上・利益が緩やかに増加する。営業利益率は20%前後を維持し、純利益は30億円台後半まで拡大、EPSは60円前後で推移する。この場合、市場は高収益かつ高配当の安定企業として評価し、PERは10〜12倍程度が許容されやすい。EPS60円×PER12倍を前提にすると、5年後の株価は700円〜750円程度まで上昇する展開が想定される。
中間のケースでは、ふるさと納税事業は安定するものの成長は鈍化し、広告事業も横ばいで推移するシナリオである。売上・利益は現状水準を中心に推移し、営業利益率は18〜19%程度、純利益は30億円前後、EPSは50円台で安定する。この場合、市場評価は現在に近いPER8〜10倍程度に落ち着きやすく、株価は450円〜600円程度のレンジ内での推移が中心となる。配当を受け取りながらの横ばい推移が続きやすい。
悪い場合は、ふるさと納税制度の見直しや競争激化により手数料収入が圧迫され、広告事業も市況悪化で収益性が低下するシナリオである。営業利益率は15%台まで低下し、純利益は20億円前後、EPSは35円〜40円程度にとどまる。この場合、市場は成長性と安定性の両面を引き下げて評価し、PERは6〜7倍程度まで低下する可能性がある。EPS38円×PER7倍を前提にすると、株価は260円〜320円程度まで調整する展開も想定される。
総合すると、アイモバイルの株価は現在値516.0円において、高い配当利回りと安定した利益水準を織り込んだ評価水準にある。今後5年間は急成長による株価倍増を狙う銘柄というよりも、高配当を受け取りながら、業績と制度環境の安定性を確認していくインカム重視のスタンスに適した銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年1月27日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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