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トレックス・セミコンダクター(6616)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-03)
1,487.00
前日比 +43.00(+2.98%)

トレックス・セミコンダクターとは

トレックス・セミコンダクター株式会社は、電源ICに特化したアナログ半導体のファブレス専業メーカーである。アナログCMOS技術を核とし、超低消費電力・超小型電源ICの開発を強みとする専門集団として事業を展開している。自社で製造設備は持たず、設計・開発に経営資源を集中させるファブレスモデルを採用し、製造は外部ファウンドリやグループ会社に委託している。

主力分野は電源ICであり、超小型・薄型パッケージ技術を活用した製品群に特徴がある。スマートフォンやデジタルカメラ、パソコンといったモバイル機器向けだけでなく、カーナビ、ETC車載器、パワーウィンドウなどの車載機器、さらにロボットや各種産業機器向けまで用途は幅広い。特に車載・産業機器向けでは、信頼性や安定性が求められる分野での採用実績を積み上げており、同社の強みとなっている。

独自技術としては、「超小型・薄型化」と「高放熱」という相反する要求を高いレベルで両立した超小型パッケージ技術が挙げられる。その代表例が「USP(Ultra Small Package)」であり、このUSPに特化した生産拠点をベトナムに開設するなど、パッケージ技術を軸にした供給体制の構築を進めている。サイズは極小でありながら、実装自由度や放熱性能を確保する点に特徴がある。

また、CMOSプロセスに特化したエンジニア集団として、一つの技術分野を突き詰めることで高い専門性を蓄積している。電源IC専業メーカーならではのノウハウと開発の柔軟性を生かし、電子機器の小型化・軽量化が進む市場ニーズに対して、比較的短い開発サイクルで製品を投入できる体制を整えている。

グループ内にはパワー半導体の受託製造を担う会社を傘下に持ち、設計から製造委託までを含めた電源半導体関連の事業基盤を形成している点も特徴である。販売面では海外比率が高く、アジアを中心としたグローバル市場で事業を展開している。所在地は東京都江東区豊洲。事業内容は、半導体デバイスの開発・設計・製造および販売であり、電源ICの将来需要を見据え、先進技術の開発と市場開拓を継続している。

トレックス・セミコンダクター 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益EPS(円) 一株配当(円)
連21.3 23,712 1,209 1,206 933 85.4 36
連22.3 30,864 3,897 4,124 3,157 288.6 44
連23.3 31,956 3,976 3,981 2,179 198.7 56
連24.3 25,751 -1,778 -2,452 -4,297 -390.7 56
連25.3 23,957 -632 -820 -2,358 -214.6 56
連26.3予 24,500 600 600 400 37.8 56
連27.3予 30,000 800 800 500 47.2 56

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 1,294 -4,567 1,510
2024 1,927 -4,552 2,705
2025 3,359 -3,755 442

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

営業利益率(%) ROA(%) ROE(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 12.4 5.8 8.8
2024 -7.0 -11.8 -21.0
2025 -2.7 -7.1 -13.6 10.8~16.3 0.89

出典元:四季報オンライン

投資判断

まず業績の推移を見る。2024年3月期の売上高は約257億円、営業利益は-17億円、経常利益は-24億円、純利益は-42億円と大幅な赤字となっている。2025年3月期は売上高が約239億円、営業利益は-6億円、経常利益は-8億円、純利益は-23億円で、赤字は継続しているものの損失額は縮小している。2026年3月期予想では売上高は約245億円、営業利益・経常利益ともに6億円、純利益は4億円と黒字転換が見込まれている。

次に収益性指標を見る。営業利益率は2023年が12.4%、2024年が-7.0%、2025年が-2.7%で、2023年をピークに急低下し、その後は赤字圏ながら改善傾向にある。ROEは2023年8.8%から2024年-21.0%、2025年-13.6%へと悪化しており、自己資本効率は大きく低下している。ROAも2023年5.8%から2024年-11.8%、2025年-7.1%とマイナス圏で推移している。

評価指標を見ると、2025年時点の実績PERは高値平均16.3倍、安値平均10.8倍で推移しており、黒字回復を前提とした評価水準になっている。実績PBRは0.9倍と1倍を下回っており、資産価値ベースでは市場評価は高くない水準にある。

以上の数値を総合すると、2023年までは営業利益率、ROE、ROAがいずれもプラスで一定の収益力を示していたが、2024年に大幅な赤字へ転落し、2025年も赤字が続いている。ただし赤字幅は縮小しており、2026年は黒字転換予想となっているため、数値上は業績の底打ちから回復過程にある局面と読み取れる。一方で、PERはすでに回復を前提とした水準であり、PBRは低めという構造になっているため、現時点では安定した利益水準を評価する局面というより、黒字回復がどこまで定着するかを見極める段階にある銘柄と判断できる。

配当目的とかどうなの?

予想配当利回りは2026年3月期、2027年3月期ともに3.79%とされており、数値上は市場平均と比べてやや高めの水準にある。一方で、直近の業績を見ると2024年、2025年は純利益が赤字であり、配当は利益に裏付けられた状態ではない。2026年は純利益4億円の黒字転換予想となっているが、利益規模自体は大きくなく、配当水準に対する余裕度は高いとは言いにくい。

営業利益率、ROE、ROAはいずれも直近ではマイナス圏にあり、収益性が完全に回復した段階とは言えない。その中で配当額が据え置かれているため、配当は安定的な利益成長によるものというより、株主還元を重視した政策的な側面が強い構造になっている。

PBRは0.9倍と低めで、資産価値面では割高感は小さいが、PERは黒字回復を前提とした10倍台から16倍台で推移しており、利益回復が遅れた場合には配当の持続性が相対的に弱くなる可能性がある。

以上を踏まえると、配当利回りの数値だけを見ると一定の魅力はあるものの、直近実績は赤字であり、黒字定着前の段階であることから、配当目的としては「高い安定性を期待するタイプ」ではない。業績回復が前提となる配当であり、配当の継続性や増配余地を重視する場合には、利益の回復と定着を確認しながら判断する局面にある銘柄といえる。

今後の値動き予想!!(5年間)

トレックス・セミコンダクターの現在値1,475円を基準に、今後5年間の株価の値動きを考える。同社は電源ICに特化したアナログ半導体のファブレスメーカーであり、超小型・低消費電力技術を強みとして車載向けや産業機器向けを中心に展開している。直近では業績悪化により赤字が続いたが、損失幅は縮小しており、2026年3月期は黒字転換予想となっている点が現在の株価水準を考える前提条件となる。一方で、営業利益率、ROE、ROAはいずれもまだマイナス圏にあり、収益性の完全回復はこれからという段階にある。

良い場合は、車載向け・産業機器向けの電源IC需要が堅調に推移し、超小型パッケージ技術を生かした高付加価値製品の比率が高まるシナリオである。売上高は緩やかに拡大し、固定費負担の低下と製品ミックス改善によって営業利益率は数%台まで回復する。純利益も安定して黒字を確保できるようになり、ROE、ROAともにプラス圏へ戻る。この場合、市場は回復局面入りを評価し、PERは15倍前後が許容される水準となる。1株益80〜100円程度×PER15倍前後を前提にすると、5年後の株価は2,200円〜2,800円程度まで上昇する展開が想定される。

中間のケースでは、電源IC需要は一定水準を維持するものの、価格競争や開発コスト負担が重く、利益回復は緩やかにとどまるシナリオである。売上高は横ばいから微増、営業利益率は1〜2%程度にとどまり、利益水準も小幅な黒字にとどまる。ROE、ROAはプラス圏に戻るが水準は低く、市場評価は慎重なままとなる。この場合、PERは10〜12倍程度に収れんし、1株益60〜80円前後×PER10〜12倍を前提にすると、5年後の株価は1,500円〜2,000円程度となり、現在値近辺からやや上方のレンジで推移する展開が想定される。

悪い場合は、車載・産業機器向けの需要回復が鈍く、価格引き下げ圧力やコスト増を吸収できないシナリオである。黒字転換が遅れ、再び赤字期が発生する可能性もある。この場合、営業利益率はゼロ近辺にとどまり、ROE、ROAも低位で推移する。市場は回復期待を後退させ、評価はPBRを意識した水準にとどまる。PBR1倍を下回る評価が続くと仮定すると、5年後の株価は900円〜1,200円程度まで下落する展開も想定される。

総合すると、トレックス・セミコンダクターの株価は現在値1,475円において、業績底打ちと黒字回復期待が織り込まれつつも、収益性がまだ十分に回復していない点が重しとなっている水準にある。今後5年間の値動きは、黒字定着と営業利益率の回復がどの程度進むかに大きく左右されやすく、回復が進めば上振れ余地がある一方で、回復が遅れた場合には下振れリスクも残る銘柄と整理できる。

この記事の最終更新日:2026年2月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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