株価
ダイヤモンドエレクトリックホールディングスとは

ダイヤモンドエレクトリックホールディングス株式会社は、大阪市淀川区に本社を置く電装・電機部品メーカーグループの持株会社であり、東京証券取引所プライム市場に上場している。前身は1937年創業のダイヤモンド電機で、日本における自動車用点火コイルの草分け的存在として知られる企業である。従来は輸入に依存していた点火コイルを国産化し、自動車電装分野での基盤を築いてきた。
中核子会社であるダイヤモンド電機株式会社は、自動車用点火コイルやワイヤーハーネスなどの自動車用電装品を主力製品として展開してきた。1967年には鳥取県鳥取市に生産拠点を開設し、現在は鳥取工場が本社機能を兼ねる主要拠点となっている。点火コイル分野では長年の技術蓄積を背景に、世界シェア上位に位置しており、2018年時点では世界シェア3位とされている。生産拠点は日本国内に加え、タイ、インド、ハンガリー、中国など海外にも展開しており、グローバル供給体制を構築している。
2018年10月には、単独株式移転により純粋持株会社であるダイヤモンドエレクトリックホールディングスを設立し、グループ経営体制へ移行した。これにより、従来の自動車電装事業を中核としながら、新たな事業分野への展開を進める体制が整えられた。
事業構造の転換点となったのが、旧田淵電機の再生支援である。2018年に事業再生ADR手続中であった田淵電機(後のダイヤゼブラ電機)の再生スポンサーとなり、2019年に第三者割当増資を引き受けて連結子会社化した。これにより、従来の自動車用電装品に加え、空調機器・給湯機器向け電源部材、パワーエレクトロニクス、蓄電システムといったエネルギー関連分野がグループに加わった。
現在のグループは、自動車分野を中心とした「モビリティ領域」と、エネルギー・住宅・産業向けを含む「エネルギー・インフラ領域」の二本柱で構成されている。モビリティ領域では、内燃機関向け点火コイルを主力としつつ、電動車向けの高電圧・高耐久技術を応用した製品開発にも取り組んでいる。内燃機関市場の縮小リスクを意識しながらも、既存分野でのシェアと収益を維持する戦略が取られている。
一方、エネルギー・インフラ領域では、旧田淵電機系の技術を活用し、空調・給湯機器向け電源部材、産業用電源装置、蓄電システムの強化を進めている。再生可能エネルギーや電力制御分野への対応を進めることで、自動車依存度の低下と事業ポートフォリオの分散を図っている点が特徴である。
グループ企業には、ダイヤモンド電機、新潟ダイヤモンド電子、ダイヤゼブラ電機、ゼブラ電子、米国・ハンガリー・中国の海外子会社などがあり、自動車・エネルギー・産業分野にまたがる事業を展開している。
全体としてダイヤモンドエレクトリックホールディングスは、点火コイルという伝統的な強みを持つ自動車電装メーカーでありながら、旧田淵電機の取り込みを通じて、電源・蓄電・エネルギー分野へ事業領域を広げている企業である。内燃機関向け事業の維持と、電動車・エネルギー分野への展開を並行して進める過渡期的な事業構造が、現在の同社グループの特徴と整理できる。
ダイヤモンドエレクトリックホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益EPS(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 70,639 | 2,247 | 2,470 | 95 | 13.9 | 15 |
| 連22.3 | 76,271 | 492 | 1,268 | 1,287 | 179.0 | 25 |
| 連23.3 | 91,106 | -1,187 | -817 | -1,075 | -139.5 | 25 |
| 連24.3 | 93,334 | 230 | 1,313 | -1,897 | -226.6 | 12.5 |
| 連25.3 | 91,724 | 2,270 | 1,467 | 411 | 49.1 | 25 |
| 連26.3予 | 91,700 | 2,000 | 1,150 | 380 | 44.7 | 25 |
| 連27.3予 | 94,000 | 2,400 | 1,400 | 460 | 54.1 | 25 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 連23.3 | -3,491 | -2,839 | 4,909 |
| 連24.3 | 2,122 | -4,009 | 125 |
| 連25.3 | 3,588 | -638 | -3,775 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | -1.4 | -10.0 | -1.4 | — | — |
| 2024年 | 0.2 | -18.8 | -2.4 | — | — |
| 2025年 | 2.4 | 3.6 | 0.5 | 9.7〜17.3 | 0.45 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
連24.3の売上高は933億円、営業利益は2億円、経常利益は13億円、純利益は-18億円である。連25.3は売上高917億円、営業利益22億円、経常利益14億円、純利益4億円となっている。連26.3予は売上高917億円、営業利益20億円、経常利益11億円、純利益3億円という見通しである。
売上高は24.3から26.3予にかけてほぼ横ばいで推移しており、事業規模の拡大局面には入っていない。一方で利益面は変動が大きく、24.3は営業黒字ながら最終赤字となり、25.3で営業利益・純利益ともに黒字へ回復している。ただし、26.3予では利益水準がやや低下する想定となっている。
収益性を見ると、営業利益率は2023年-1.4%、2024年0.2%、2025年2.4%と、赤字圏から黒字圏へ回復途上にある。まだ水準自体は低く、構造的に高収益とは言い難いが、底打ちからの改善局面であることは数値から読み取れる。
資本効率の面では、ROEは2023年-10.0%、2024年-18.8%、2025年3.6%となっており、25.3でようやくプラスへ転じる段階にある。ROAも-1.4%、-2.4%、0.5%と同様に回復途上で、資産効率はまだ低水準にとどまっている。現時点では効率性よりも再建・立て直しのフェーズと整理できる。
評価指標を見ると、2025年の実績PERは安値平均9.7倍、高値平均17.3倍と幅がある。利益回復初期段階であるため、利益水準の見通しによって評価が大きく振れやすい状況といえる。PBRは0.4倍で、純資産に対して株価は低い評価にとどまっている。
これらの数値だけで投資判断を整理すると、同社は赤字局面を抜け、利益回復の初期段階にある銘柄と位置づけられる。営業利益率、ROE、ROAはいずれも改善方向にあるものの、絶対水準はまだ低く、安定した収益体質が確立されたとは言い切れない。一方で、PBR0.4倍という評価水準は、業績回復が継続する場合には見直される余地を残している。
総合すると、現時点では「高収益・安定成長型」ではなく、「業績回復を前提とした再建途上型」の銘柄である。今後、利益率と資本効率がどこまで改善・定着するかが株価評価の分岐点となり、回復が一過性にとどまれば低評価が続き、持続的な黒字化が確認されれば評価修正余地が生じる構図と整理できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに4.07%であり、水準としては日本株の中では高配当に分類される。表面利回りだけを見ると、インカム狙いとして一定の魅力がある数字である。一方で、業績の中身を見ると注意点も多い。直近では23.3、24.3に最終赤字を経験しており、25.3でようやく純利益4億円まで回復した段階にある。営業利益率は2025年で2.4%とまだ低水準で、ROEは3.6%、ROAは0.5%にとどまっており、収益性や資本効率は回復途上にあるといえる。安定的に配当原資を積み上げられる段階にはまだ至っていない。
キャッシュフロー面でも、23.3は営業CFが大きくマイナスで、24.3、25.3にかけて改善しているものの、年ごとの振れは大きい。過去には財務CFに依存して資金を補っている局面もあり、配当の安定性という点では高配当株の中で安心感が高いとは言いにくい。
評価面ではPBRが0.4倍と低く、市場は同社の収益力や配当の持続性に対して慎重な見方をしていることがうかがえる。その結果として高い配当利回りが維持されている側面があり、利回りの高さそのものが安全性を示しているわけではない。
これらを踏まえると、この銘柄は安定配当を長期で受け取ることを主目的とするタイプには向きにくい。一方で、業績回復が続くことを前提に、比較的高い利回りを受け取りながら中期的に様子を見る投資スタンスであれば検討余地がある。総合すると、高配当の安定株というよりも、業績回復途上で配当利回りが高く見えている銘柄であり、配当目的としては黒字定着を確認しながら慎重に向き合うタイプと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
ダイヤモンドエレクトリックホールディングスの現在値は613.0円である。同社は自動車用点火コイルなどの電装品から始まり、持株会社体制への移行後、旧田淵電機などのグループ会社とともに電源・蓄電・エネルギー関連分野へ事業を拡張している。直近の業績を見ると、売上高は横ばい・微減傾向にあり、24.3では純利益がマイナスに転じた後、25.3で黒字へ回復したものの利益率は低水準である。収益性や資本効率は改善途上であり、市場評価も低PBRのまま推移している。
良い場合は、電装・電源・蓄電システム分野での事業再編と新規技術の採用が進み、自動車電装品に加えてエネルギー関連機器や電動車向け部材の売上・利益が想定以上に拡大するシナリオである。営業利益率やROEが改善し、安定的な黒字基調が確立されることで、評価はPER10倍台後半〜15倍程度まで上昇すると仮定する。この場合、5年後の株価は1,000円〜1,400円程度まで上昇する展開が想定される。高配当利回りの維持と収益力の改善が同時に進めば、投資家の評価が高まる余地がある。
中間の場合は、主力の自動車電装品は堅調に推移するものの、エネルギー・蓄電関連分野への展開は緩やかな伸びにとどまるシナリオである。売上高は横ばいに近く、営業利益率は微増あるいは現状維持の範囲にとどまり、ROE、ROAの改善も限定的となる。市場評価は低PBR〜PER8〜12倍程度にとどまり、5年後の株価は700円〜900円程度で現在値近辺を中心としたレンジ推移が想定される。配当利回りを重視する層には持ち味を維持しつつ、大幅な上昇余地は限定的である。
悪い場合は、主力事業の市場環境が厳しく、電装品の需要低迷や新規事業の採算悪化が進むシナリオである。利益率は低迷、赤字に逆戻りする可能性もあり、ROE・ROAはいずれも低水準で推移する。評価指標はPER5倍前後、PBRも0.3倍台に留まると仮定すると、5年後の株価は400円〜550円程度まで下落する展開も考えられる。財務面や配当面の不安が増し、リスク志向が強まる局面となる。
総合すると、ダイヤモンドエレクトリックホールディングスの株価は現在値613.0円において、業績回復の持続性や新規事業の成長が最大の分岐点となる。良い場合には株価の上昇余地はあるものの、中間・悪いシナリオでは現在値近辺か調整余地を残す可能性を併せ持つ銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月4日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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