株価
OKIとは

沖電気工業株式会社は、東京都港区虎ノ門に本社を置く大手電機メーカーで、通称OKI、沖電気と呼ばれる。1881年創業の日本最古の通信機器メーカーであり、日本初の電話機を製造した企業として知られる。長年にわたり電話交換機を手掛けてきた経緯から旧日本電信電話公社以来の関係を持つ「電電ファミリー」に属し、現在もNTTグループとの関係が深い。また芙蓉グループに属する企業でもある。企業スローガンはOpen Up Your Dreamで、安全・安心で豊かな社会の実現に向け、情報と通信を融合した社会インフラ分野へ事業領域を拡大してきた。
現在の事業は祖業の情報通信システムに加え、ATMなどのメカトロシステム、プリンター、EMSの4本柱で構成され、金融機関・官公庁・社会インフラ・企業向けを中心としたBtoBビジネスが主体となっている。かつて主力であった電話交換機などのレガシー通信機器は縮小し、パソコン・半導体・携帯電話などの事業からは撤退している一方、社会インフラ関連分野を成長領域として育成している。
情報通信分野では、通信事業者向けネットワーク機器、GE-PONやホームゲートウェイ、PBX、IPテレフォニー、VoIP、監視・顔認証・クラウド・業務システムなどのITソリューションを提供する。金融機関向けには窓口端末や事務集中システム、オムニチャネル関連ソリューションを展開し、みずほ銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行をはじめ全国の金融機関に納入している。
社会インフラ分野では、防災無線、消防指令、交通管制、ETC、VICS、航空管制、鉄道電話、河川監視など公共性の高いシステムを提供するほか、防衛関連として潜水艦ソナーやソノブイなども手掛ける。社会基盤に直結する長期案件型のビジネスが多く、同社の重要な収益領域となっている。
メカトロシステム分野ではATMが中核製品で、銀行やコンビニ、交通機関、海外市場向けに展開しているほか、現金処理機、外貨両替機、発券機、チェックイン端末、KIOSK端末などを提供する。紙幣搬送・鑑別技術を強みとし、国内外で高いシェアを持つ分野となっている。
プリンター分野ではLEDプリンターやドットインパクトプリンター、複合機、大判プリンターなどを世界各国に展開しており、海外売上比率が高い事業となっている。プリンター開発で培った材料接合技術を応用し、高感度の超音波センサーなど新技術開発にも応用している。
EMS分野では通信・医療・計測機器などの受託製造、プリント基板製造、品質試験を行い、近年は買収を通じて事業拡大を進めている。製造受託による安定収益源の確保を目的とした事業である。
このように沖電気工業は、通信機器メーカーから社会インフラ・金融機器・メカトロ・製造受託へと事業を転換してきた企業であり、公共・金融分野を中心とした社会基盤型ビジネスを主軸に構成されている点が特徴である。
OKI 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 392,868 | 9,509 | 9,380 | -205 | -2.4 | 20 |
| 連22.3 | 352,064 | 5,864 | 7,691 | 2,065 | 23.9 | 30 |
| 連23.3 | 369,096 | 2,403 | -328 | -2,800 | -32.3 | 20 |
| 連24.3 | 421,854 | 18,692 | 18,293 | 25,649 | 295.9 | 30 |
| 連25.3 | 452,457 | 18,627 | 16,808 | 12,479 | 143.9 | 45 |
| 連26.3予 | 440,000 | 19,000 | 17,000 | 16,000 | 184.4 | 50 |
| 連27.3予 | 455,000 | 19,500 | 17,500 | 13,000 | 149.9 | 50〜55 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -3,148 | -17,623 | 23,275 |
| 2024 | 24,721 | -14,335 | -15,709 |
| 2025 | 39,261 | -19,634 | -17,861 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 0.6 | -0.8 | -2.9 | – | – |
| 2024 | 4.4 | 6.0 | 18.1 | – | – |
| 2025 | 4.1 | 3.0 | 8.5 | 5.4〜8.4 | 1.33 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上高は2024年4,218億円から2025年4,524億円から2026年予想4,400億円で、増加後に横ばい圏へ入る推移。営業利益は186億円から186億円から190億円予想とほぼ横ばいで、利益成長は止まりつつある。経常利益も182億円から168億円から170億円予想とやや減少後に横ばい。純利益は256億円から124億円から160億円予想で、2024年の一時的な高水準から平常水準へ戻る動きになっている。
収益性は2023年営業利益率0.6%から2024年4.4%へ急改善した後、2025年4.1%へやや低下しており、構造改善後の安定水準が4%前後に定着した状態と読み取れる。ROEは-2.9%から18.1%から8.5%、ROAは-0.8%から6.0%から3.0%で、2024年のみ高く、その後は中位水準に落ち着いている。つまり2024年は特殊要因を含む高収益年、2025年以降は通常収益力へ戻った形の数値推移になっている。
評価面ではPER5.4〜8.4倍、PBR1.3倍。利益が安定していない企業としては低めのPER水準だが、PBRは1倍を上回っており資産面での極端な割安状態ではない。
以上の数値だけから整理すると、赤字体質からの回復局面は終了し、利益率は4%前後で安定し成長は弱く、ROEは一時的に高い年があるが持続力は低い。バリュエーションは低PERだが資産割安ではない水準に位置している。したがって業績回復株から安定低成長株へ移行した状態の数値であり、強い成長期待で評価されるタイプではなく、かといって極端な割安株とも言い切れない中立的な評価水準の銘柄と判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26年3月期2.22%、27年3月期2.22%で、日本株の配当銘柄としては低めの水準に位置する。実際の利益推移を見ると、純利益は256億円から124億円から160億円予想と変動が大きく、安定して増配を続けられるタイプの収益構造ではない。営業利益も186億円前後で横ばい圏に入っており、配当の原資となる利益成長余地は大きくない。
収益性も営業利益率4%前後、ROE8.5%、ROA3.0%と中位水準で、高収益企業のように配当余力が豊富な状態とは言いにくい。一方で赤字からは脱却しているため減配リスクが極端に高い状態でもないが、利益変動がある企業のため配当が大きく伸びる期待も持ちにくい。
以上から数値上は高配当株でも増配株でもなく、配当を主目的に保有する魅力は弱い水準にある。配当はあくまで補助的リターンの位置づけで、インカム狙いの中心銘柄にはなりにくいタイプと考えられる。
今後の値動き予想!!(5年間)
沖電気工業の現在値は2,245.0円である。同社は日本最古の通信機器メーカーを祖業とし、現在は社会インフラシステム、ATMなどのメカトロ機器、プリンター、EMSを柱とするBtoB型企業へ事業構造を移行している。直近の業績を見ると、赤字期を脱して営業利益率は4%前後まで回復したが、その後は横ばい圏に入り成長力は弱い。
純利益は一時的に大きく伸びた年があるものの持続性は限定的で、ROE・ROAも中位水準に落ち着いている。市場評価はPER5〜8倍程度の低倍率レンジにあり、回復株から安定低成長株として扱われている段階にある。
良い場合は、公共・防災・交通などの社会インフラ投資の拡大に加え、海外ATMやEMS事業の収益性改善が進むシナリオである。営業利益率が5%前後まで改善し、ROEが10%台へ安定的に上昇することで、市場は安定成長株として評価を引き上げ、PERは8〜10倍程度へ切り上がると想定する。この場合、EPSの緩やかな増加と評価倍率の上昇が重なり、5年後の株価は3,000円〜3,800円程度まで上昇する展開が考えられる。安定配当と社会インフラ関連銘柄としての評価が支えとなる。
中間の場合は、売上・利益ともに横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は4%前後で安定し、ROE・ROAも中位水準にとどまる。市場評価も現在と同様に低PERレンジのまま推移し、成長株としても割安株としても評価されない状態が続くと想定される。この場合、5年後の株価は1,900円〜2,600円程度のボックス圏での推移が中心となり、大きな上昇も下落も起こりにくい展開となる。
悪い場合は、海外ATM需要の減少や公共投資の縮小、EMSの採算悪化などにより利益が再び低下するシナリオである。営業利益率は3%台へ低下し、ROEも5%前後まで悪化すると、市場は低成長企業として評価を引き下げPERは5倍前後へ縮小すると仮定する。この場合、5年後の株価は1,200円〜1,700円程度まで下落する可能性がある。利益の安定性への不信感が強まり、評価がディフェンシブから循環株に近い扱いへ戻る展開となる。
総合すると、沖電気工業の株価は現在値2,245.0円において、成長期待ではなく収益安定度の改善が最大の分岐点となる。上振れ余地はあるものの、基本は低成長企業の評価レンジに収まりやすく、大幅な上昇には収益力の継続的な改善が必要な銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月5日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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