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電気興業(6706)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

最新(2026-02-05)
2,827.00
前日比 +46.00(+1.65%)

電気興業とは

電気興業株式会社は、東京都江東区豊洲五丁目の豊洲アーバンポイントに本社を置く通信インフラ設備メーカーで、通称DKKと呼ばれる。源流は1919年に渋沢栄一が設立した日米電信に遡り、戦後の再編を経て1950年に現在の電気興業が設立された。

民放第一号のラジオ放送用アンテナを受注した実績を持ち、その後もテレビ放送用アンテナ、東京タワー送信用アンテナ、海外向けパラボラアンテナなどを手掛け、日本の放送・通信インフラ整備とともに発展してきた企業である。大型アンテナの設計・製造・建設まで一貫して担える点が特徴で、通信設備メーカーと建設会社の両面の性格を持つ。

事業は大きく通信インフラ関連と高周波関連の2分野で構成される。電気通信関連事業では、極超短波・超短波・短波・中波・長波など各種アンテナの設計・製作・建設・販売を行い、携帯電話基地局アンテナ、放送設備、無線通信設備、鉄塔、反射板などの構造物を提供する。通信キャリア向け基地局整備、放送局設備、CATV設備の設計施工、民生無線機器の開発、防災無線など社会インフラの整備に関わる案件が多い。

監視カメラなどのカメラソリューションも扱い、公共インフラ・自治体関連需要の比重が高い。また風力発電用鉄塔、太陽光発電設備架台、二次電池関連設備などの新エネルギー分野の構造物も手掛けている。通信インフラの更新需要、特に携帯通信規格の世代更新時に需要が増えるストック性のある設備投資型ビジネスとなっている。

高周波関連事業では誘導加熱装置や高周波電源装置を中核に、半導体製造プラズマ発生用高周波電源、核融合プラズマ加熱用高周波電源、高周波加速器用電源装置、真空炉などの産業装置を設計・製作・販売するほか、高周波焼入の受託加工も行う。自動車部品の焼入れ・熱処理や金属加工工程に使用される設備であり、製造業の設備投資動向の影響を受ける分野である。高周波焼き入れ技術をコア技術とし、装置販売と加工サービスの両方を持つことで産業機械メーカーとしての側面を持つ。

さらに通信・高周波設備の賃貸事業や、太陽光発電による売電事業も行っている。関連会社には製造・工事・サービスを担う子会社があり、設計から施工、保守まで一体で提供する体制を構築している。大型通信アンテナや防災通信設備といった公共インフラ分野と、製造業向け高周波装置分野を併せ持つため、通信投資サイクルと設備投資サイクル双方の影響を受ける事業構造となっている。通信インフラの更新期には通信部門が伸び、製造業の設備投資局面では高周波部門が伸びるという二つの需要源を持つ点が同社の特徴である。

電気興業 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
連21.3 41,478 1,583 1,799 1,155 96.1 45
連22.3 33,968 53 448 705 59.5 60
連23.3 31,817 -1,510 -1,219 -1,181 -107.8 60
連24.3 28,864 -1,787 -1,537 -1,977 -198.9 60
連25.3 32,582 935 1,024 777 83.4 80
連26.3予 33,000 700 800 600 68.8 80
連27.3予 33,600 790 890 670 76.9 80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023 -870 497 976
2024 -754 3,863 -770
2025 -1,823 396 -2,097

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%) PER(倍) PBR(倍)
2023 -4.8 -2.9 -2.2
2024 -6.2 -5.3 -3.6
2025 2.8 2.1 1.4 18.9〜27.5 0.70

出典元:四季報オンライン

投資判断

売上高は2024年288億円から2025年325億円から2026年予想330億円で、減少後に回復したものの増加幅は小さく、横ばい圏に入っている。営業利益は-17億円から9億円から7億円予想で黒字転換したが水準は低い。経常利益も-15億円から10億円から8億円予想と同様に小幅黒字に留まる。純利益は-19億円から7億円から6億円予想で、赤字からの回復段階にあるが利益規模は小さいままである。

収益性は営業利益率-4.8%から-6.2%から2.8%へ改善しており、赤字から脱却した初期段階と読み取れる。ROEは-2.9%から-5.3%から2.1%、ROAは-2.2%から-3.6%から1.4%で、資本効率は依然として低水準にある。つまり黒字化は達成しているが、収益力はまだ弱く安定収益企業の水準には達していない状態である。

評価面ではPER18.9〜27.5倍、PBR0.7倍。資産面では1倍を下回り割安圏にあるが、利益規模が小さいためPERは高く見える状態になっている。これは利益回復初期の典型的な評価構造であり、収益の安定性がまだ十分に織り込まれていない状態といえる。

以上の数値だけから整理すると、赤字企業から黒字回復した直後の段階で、収益力は低く資本効率も低位にある一方、資産面では割安評価にある。したがって安定成長株でも高収益株でもなく、回復途上企業として評価されている段階の銘柄と判断できる。

配当目的とかどうなの?

予想配当利回りは26年3月期2.82%、27年3月期2.82%で、配当銘柄としては中程度だが高配当株とは言えない水準にある。利益推移を見ると純利益は-19億円から7億円から6億円予想と回復直後の段階で、安定して増配できる収益基盤にはまだ至っていない。営業利益も9億円から7億円予想と小さく、配当の原資となる利益余力は限定的である。

収益性は営業利益率2.8%、ROE2.1%、ROA1.4%と低水準で、内部留保を厚く積み上げられる体質ではないため配当余力は大きくない。一方でPBR0.7倍と資産面は割安圏にあり、減配余地が大きい状況でもないが、利益規模の小ささから配当の安定性は強くないと考えられる。

以上から数値上は高配当株でも連続増配株でもなく、配当を主目的に保有する魅力はやや弱い水準にある。配当は補助的な位置づけで、回復期待を前提にした保有の方が性格に近い銘柄と整理できる。

今後の値動き予想!!(5年間)

電気興業の現在値は2,827.0円である。同社は大型通信アンテナや基地局設備などの通信インフラ事業と、高周波誘導加熱装置などの産業機械事業を併せ持つ企業である。直近の業績を見ると赤字が続いた後に25.3で黒字へ回復したが、営業利益は10億円前後と規模が小さく、営業利益率は3%未満にとどまる。ROEも2%前後と低く、資本効率はまだ改善途上にある。一方でPBRは0.7倍と資産面では割安圏にあるが、利益水準が低いためPERは20倍前後に見える状態となっており、市場は回復企業として慎重に評価している段階にある。

良い場合は、通信インフラ更新需要の増加と高周波装置の受注回復が同時に進むシナリオである。5G更新や防災通信、放送設備の更新需要が継続し、高周波装置も製造業の設備投資回復を取り込むことで売上が緩やかに増加する。営業利益率が5%前後まで改善し、ROEが7〜10%程度まで上昇すると、市場は回復株から安定企業へ評価を引き上げ、PBRは1倍台へ修正されると仮定する。EPSの増加と評価倍率の改善が重なり、5年後の株価は4,200円〜5,600円程度まで上昇する展開が想定される。資産割安の解消が主な株価上昇要因となる。

中間の場合は、売上・利益ともに横ばい圏で推移するシナリオである。通信インフラ需要は更新案件の波に左右され、高周波事業も設備投資の回復が限定的で、黒字は維持するが収益力は弱いまま推移する。営業利益率は3%前後、ROEも数%台にとどまり、市場評価は現在と同様にPBR0.6〜0.8倍程度で安定する。この場合、5年後の株価は2,400円〜3,200円程度のレンジでの推移が中心となり、回復株から低収益安定株として扱われる状態が続く。

悪い場合は、通信投資の減速や産業設備需要の低迷により利益が再び縮小するシナリオである。大型案件の反動減や製造業の設備投資縮小が重なると営業利益率は1%前後まで低下し、ROEも再び低水準となる。市場は収益の不安定さを強く織り込みPBRは0.4〜0.5倍まで縮小すると仮定する。この場合、5年後の株価は1,400円〜2,100円程度まで下落する可能性がある。黒字維持への不安が強まり、資産割安評価も十分に機能しない展開となる。

総合すると、電気興業の株価は現在値2,827.0円において黒字化そのものではなく「黒字の安定化」が最大の分岐点となる。収益が定着すれば資産割安の修正による上昇余地がある一方、利益が伸びなければ現在値近辺での停滞も想定される。評価は業績の安定度に強く依存する回復途上型の銘柄と整理できる。

この記事の最終更新日:2026年2月5日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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