株価
鈴木とは

株式会社鈴木は長野県須坂市に本社を置く精密加工メーカーで、スマートフォンや自動車電装部品向けコネクター部品を主力とする電子部品企業である。1933年に鈴木製作所として創業し、精密プレス加工と金型製造を出発点として発展してきた。1974年に現社名へ変更し、2000年代以降は電子部品分野へ比重を高めながら半導体装置や医療分野にも事業領域を広げている。
事業の根幹は金型技術にあり、プレス金型とモールド金型の設計から材料手配、加工プログラム作成、仕上げまでを自社で一貫して行う体制を持つ。ミクロン単位の精度を実現する微細加工技術を特徴とし、この金型精度が後工程の部品品質を左右するため企業競争力の基盤となっている。設備投資を積極的に行い、技能者の技術と最新設備を組み合わせることで超微細加工を実現している。
部品製造では金型技術を応用してコネクタコンタクト、コネクタハウジング、自動車電装部品などを量産している。材料供給からスタンピング加工、巻き取り、検査、梱包までの一貫ラインを保有し、全工程に検査装置を配置することで品質を維持している。熱処理設備やめっき設備を備え、機械加工だけでなく表面処理まで内製化して付加価値を高めている。電子機器の小型化に対応した多ピン化・ファインピッチ化への対応力を持ち、スマートフォンや車載電子機器などの高密度実装分野に部品を供給している。プレス機の保有台数は業界最大規模クラスで、大量生産能力と品質安定性の両立が特徴となっている。
生産システム製造では半導体関連装置や表面実装装置などの専用機を開発している。ディスペンサーやリフロー炉といった基板実装工程向け設備を提供し、顧客の製造ライン自動化や省人化に対応する。メカトロニクス技術と加工技術を融合させ、少量多品種から量産まで対応可能なカスタム設備を製造することで製造業の自動化ニーズを取り込んでいる。
医療器具組立事業では精密加工と品質管理ノウハウを活かし医療分野へ進出している。高精度部品の組立や管理が求められる医療機器製造を担い、製造受託型のビジネスとして展開している。品質面ではISO9001、ISO14001に加え自動車業界品質規格IATF16949を取得し、車載用途にも対応できる品質管理体制を構築している。
生産は国内工場に加え中国など海外拠点を活用した体制となっており、コストと供給能力のバランスを取ったグローバル生産を行っている。スマートフォン、車載電装、半導体製造装置などの需要動向の影響を受けやすい事業構造であり、景気や電子機器市場の循環に連動しやすい側面を持つ。金型から部品量産、装置開発、医療分野までを一体で展開する精密加工メーカーとして事業を構成している。
鈴木 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.6 | 26,374 | 3,151 | 3,236 | 1,956 | 136.2 | 30 |
| 連24.6 | 27,726 | 3,369 | 3,668 | 2,267 | 158.1 | 46 |
| 連25.6 | 33,322 | 4,292 | 4,206 | 2,760 | 192.4 | 85 |
| 連26.6予 | 35,500 | 4,700 | 4,700 | 3,000 | 208.9 | 88 |
| 連27.6予 | 37,500 | 5,000 | 5,000 | 3,200 | 222.9 | 90 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 3,877 | -2,984 | -521 |
| 2024 | 5,445 | -2,478 | -1,337 |
| 2025 | 5,500 | -3,087 | -1,925 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.9% | 8.5% | 5.6% | ― | ― |
| 2024 | 12.1% | 8.9% | 6.1% | ― | ― |
| 2025 | 12.8% | 10.2% | 6.9% | 5.6~9.3倍 | 1.35倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は277億円から333億円、355億円予想へと増収が続いており、営業利益は33億円から42億円、47億円予想、純利益も22億円から27億円、30億円予想と利益額も拡大している。売上の伸びに対して利益も同じ方向に動いており、数量増に伴って収益が積み上がる典型的な量産型製造業の推移になっている。急激な変化ではなく、年単位で段階的に規模が拡大している流れである。
営業利益率は11.9%から12.1%、12.8%へとわずかながら上昇しており、固定費吸収が進んでいることが読み取れる。ROEは8.5%から8.9%、10.2%へ上昇、ROAも5.6%から6.1%、6.9%へ改善しており、利益率の改善に伴って資本効率も緩やかに上向いている。ただし水準としては高収益企業の領域には届いておらず、中程度の収益性の範囲に収まっている。
評価面ではPERは5.6倍から9.3倍帯、PBR1.3倍前後で推移しており、成長期待を強く織り込まれた価格ではない。利益は拡大しているが評価倍率は低位圏にとどまっており、株価は将来の高成長を前提にしたものではなく、実績利益を基準に評価されている状態といえる。つまり市場は高成長企業というより、安定製造業として扱っている価格帯にある。
このため株価の動きはテーマや材料で急騰するタイプではなく、利益の増減に合わせてゆっくり水準が修正されやすい性格になりやすい。業績が伸びれば徐々に評価が上がり、逆に利益が停滞すれば評価も抑えられるという、業績連動型の値動きになりやすい構造である。短期の期待先行ではなく、実績ベースで価格が形成されるタイプの銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
連26.6期の予想配当利回りは3.32%、連27.6期は3.39%で、いずれも極端な高配当ではないが平均よりは上に位置する水準にある。利回りだけを見るとインカム目的として成立する最低ラインをやや上回る程度で、「配当株」と「業績株」の中間にあるタイプといえる。
純利益は22億円から27億円、30億円予想へと増加しており、配当も30円台から80円台へ引き上げられてきた流れがあるため、無理に配当を維持しているのではなく、利益拡大に連動して配当が増えている傾向が読み取れる。高配当維持型というより増益連動型に近い配分構造になっている。
利回りが3%台前半のため配当だけで株価が支えられる水準ではないが、PBR1.3倍前後と評価が過熱していないことを考えると、株価下落時には利回り意識の買いが入りやすい位置にはある。4〜6%利回り銘柄のような価格固定力はない一方、低配当株ほど需給だけで崩れやすい構造でもない中間的な安定性を持つ。
総合すると配当目的だけで保有する銘柄というより、業績拡大に伴う増配を取り込みながら中期で持つタイプに向いている。値上がり益主体でも高配当主体でもなく、利益成長と配当を両方取りにいくバランス型の位置付けになりやすい。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在値2,650円を基準にすると、鈴木は売上277億円から333億円、355億円予想へと増収が続き、営業利益も33億円から42億円、47億円予想へ拡大している。営業利益率は11%台から12%台へ上昇し、ROEも8%台から10%台へ改善しているため、典型的な中堅部品メーカーの中では収益性がゆるやかに改善している局面にある。急成長企業ではないが、加工技術系メーカーらしい着実な積み上げ型の業績推移となっている。
一方でPERは5.6倍から9.3倍程度と低倍率帯にあり、成長株として評価されている状態ではなく、割安寄りの安定企業として扱われている価格帯に位置している。そのため株価はテーマ材料で急騰するタイプではなく、利益水準に沿って時間をかけて評価が変わる性格が強い。
良い場合は、自動車電装やコネクタ需要の拡大が続き利益率が13%前後で安定するシナリオである。ROEが11〜13%程度まで上昇し評価がPER10倍から12倍程度へ見直されると、利益増加と評価修正が同時に進む形となる。この場合5年後の株価は3,700円から4,900円程度まで上昇する可能性がある。値動きは急騰型ではなく、決算ごとにゆるやかに切り上がる右肩上がりになりやすく、長期保有型の上昇パターンに近い。
中間の場合は、増収は続くが伸び率が落ち着き安定成長へ移行するシナリオである。営業利益率は12%前後、ROEは10%前後で横ばいとなり、評価はPER7倍から9倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は2,600円から3,400円程度のレンジで推移しやすい。配当利回り3%台が下値意識として働き、大きく崩れにくい一方で、大きな上昇材料も出にくくボックス圏の長期推移になりやすい。
悪い場合は、自動車関連需要の減速や設備投資循環の影響で利益率が10%前後へ低下しROEも8%台へ戻るシナリオである。評価がPER5倍から6倍へ縮小すると、5年後の株価は1,900円から2,600円程度まで下落する可能性がある。赤字転落のような急落は想定しにくいが、評価縮小によるじわじわした下げになりやすい。
総合すると現在値2,650円は高成長を織り込んだ水準ではなく、安定企業としての評価帯にある。上昇余地は利益率の改善と評価修正に依存し、急騰よりも時間をかけた上昇になりやすい一方、大幅な崩れも起こりにくい。株価は短期材料より収益性の変化に反応しやすく、長期では緩やかな右肩上がりか横ばいを挟みながら切り上がるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月7日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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