株価
日本航空電子工業とは

日本航空電子工業株式会社はコネクタを主力とする電子部品メーカーで、NEC系にルーツを持つコネクタ業界の国内大手企業である。本社は東京都渋谷区、主な製造拠点は東京都昭島市にあり、東京証券取引所プライム市場に上場している。1953年に航空機用電子機器の整備・開発を目的として設立され、当初は航空機用計器や自動操縦装置、慣性航法装置などを扱う航空電子メーカーとしてスタートし、その高信頼性技術を背景に電子部品分野へ拡大して現在の事業構造になった企業である。
事業はコネクタ事業、インターフェース・ソリューション事業、航機事業の3分野で構成される。コネクタ事業が売上の中心で、電子機器内部や外部を電気的に接続する部品を製造する。外部インターフェースコネクタ、基板対基板コネクタ、丸型・角型コネクタ、カード・メモリー用コネクタ、バッテリー充放電プラグなど幅広い製品を展開し、小型化・薄型化・高速伝送・高耐久性を特徴としている。
用途はスマートフォンなどの携帯端末、車載電子機器、産業機器、通信機器など多岐にわたり、電子機器の高機能化や電動化の進展に伴い搭載点数が増える性格の部品である。
インターフェース・ソリューション事業では、人が機械を操作する部分の電子部品やモジュールを扱う。静電タッチパネル、操作パネル、パネルスイッチ、ティーチングペンダント、医療機器用操作パネルなどを製造し、自動車の操作系統、産業機器の制御装置、医療機器などに使われる分野である。電子化・デジタル化に伴い機械操作が物理スイッチから電子化される流れに対応する領域となる。
航機事業は航空・宇宙向けの高信頼性機器を扱う分野で、加速度計、ジャイロ、慣性機器、カメラスタビライザー、リニアモーターなどの精密機器を製造する。防衛・航空宇宙用途に対応する品質と信頼性が求められる分野であり、会社の技術的基盤となっている。民間市場向けの応用製品も含まれる。
全体として、量産型電子部品であるコネクタ事業が収益の柱で、車載・スマートフォン・産業機器向けに展開し、航空宇宙分野で培った高信頼性技術が製品競争力の基盤となる構造である。電子機器の小型化、高速通信化、自動車の電動化や電子制御化の進展に伴い接続部品の需要が増える領域に位置している企業である。
日本航空電子工業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 209,711 | 8,706 | 7,880 | 5,692 | 62.6 | 25 |
| 連22.3 | 225,079 | 18,049 | 18,594 | 14,325 | 157.5 | 35 |
| 連23.3 | 235,864 | 17,562 | 19,115 | 14,639 | 160.8 | 50 |
| 連24.3 | 225,781 | 14,423 | 14,762 | 12,245 | 137.1 | 55 |
| 連25.3 | 221,644 | 15,615 | 14,838 | 11,592 | 172.1 | 60 |
| 連26.3予 | 228,000 | 11,300 | 10,300 | 7,300 | 108.3 | 60 |
| 連27.3予 | 250,000 | 15,000 | 14,000 | 11,000 | 163.2 | 60 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 32,451 | -23,432 | -11,645 |
| 2024 | 34,859 | -20,313 | -11,896 |
| 2025 | 36,341 | -19,203 | -31,568 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 7.4 | 6.4 | 8.5 | – | – |
| 2024 | 6.3 | 5.1 | 9.6 | – | – |
| 2025 | 7.0 | 5.3 | 8.6 | 12.7〜18.9 | 1.23 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
数値を億円換算で整理すると、売上は2257億円から2216億円から2280億円予想と横ばい圏で推移している。一方で営業利益は144億円から156億円から113億円予想となっており、直近は減益予想に転じている。経常利益も147億円から148億円から103億円予想、純利益は122億円から115億円から73億円予想で、利益面はピークアウト後に縮小方向の見込みとなっている。
収益性を見ると営業利益率は7.4%から6.3%から7.0%で大きなトレンドは無く、6〜7%台のレンジに収まっている。ROEは8.5%から9.6%から8.6%、ROAは6.4%から5.1%から5.3%で、資本効率も改善・悪化を繰り返す横ばい圏の水準にある。つまり高収益化している局面ではなく、安定だが伸び切らない収益体質といえる。
評価面ではPERは12.7倍〜18.9倍のレンジ、PBRは1.2倍。資本効率がROE8〜9%台に対してPBR1倍台前半に収まっており、極端な割高水準でも割安水準でもない。利益が減少予想の局面ではPERは上振れしやすく、評価が拡張する根拠は弱い状態になる。
以上の数値のみから見ると、売上は横ばい、利益は循環的、収益性と資本効率もレンジ内推移であり、株価評価は業績の伸びではなく安定性を前提とした水準に近い。成長加速による評価上昇より、業績の上下に連動して評価倍率が変動するタイプの銘柄と読み取れる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは予想で26、27年度ともに2.35%水準。極端に低くはないが高配当帯とも言いにくい中間的な位置にある。利益推移を見ると純利益は122億円から115億円から73億円予想と減益局面に入っており、配当は60円で据え置きの形になっている。つまり利益連動で増配している段階ではなく、配当を維持している状態に近い。営業利益率も6〜7%台、ROEも8〜9%台で資本効率は安定型の範囲に収まっているため、配当原資が急拡大する構造にはなっていない。
PBRは1.2倍台で、配当利回り2%台と組み合わせるとインカム主体の評価を受ける水準ではなく、株価は配当より業績変動に連動しやすい性格になる。減益時には利回りが上がり、増益時には利回りが低下する典型的な「業績連動型配当」に近い挙動になりやすい。
以上から数値上は、高利回りを目的に長期保有するタイプというより、安定配当を維持しつつ業績サイクルに連動して評価が動く銘柄という位置付けになる。配当は主役ではなく、株価変動の補助的要素としての比重が大きいと読み取れる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は2,553円で、日本航空電子工業は売上2257億円から2216億円、2280億円予想と横ばい圏で推移している。一方で営業利益は144億円から156億円へ回復した後、113億円予想と再び減少見込みとなっており、直線的な成長ではなく電子部品需要に応じて上下する推移になっている。営業利益率は7.4%から6.3%から7.0%、ROEも8.5%から9.6%から8.6%と大きな改善トレンドは見られず、いずれも中位水準に留まる。高収益成長企業というより、需要循環の影響を受ける収益構造にある。
一方でPERは12.7倍から18.9倍のレンジ、PBR1.2倍台と評価は中間帯に位置しており、割安株でも成長株でもない評価水準になっている。資本効率に対して妥当な倍率に収まりやすく、株価は材料で急騰するタイプではなく、利益水準の変化に応じて評価倍率が上下する性格が強い。
良い場合は、車載や電子機器需要の回復により利益が150億円規模まで戻り、営業利益率が8%前後、ROEが9〜10%台へ改善するシナリオである。PERが上限付近の18倍前後まで評価されると、業績回復と評価修正が重なり5年後の株価は3,500円から4,300円程度まで上昇する可能性がある。急騰というより業績回復に合わせて段階的に切り上がる推移になりやすい。
中間の場合は、利益が100億円前後で景気に応じて増減しながら横ばい推移するシナリオである。営業利益率6〜7%、ROE8%前後で安定し、PER14〜15倍のレンジに収まる。この場合5年後の株価は2,200円から3,000円程度の範囲で往来しやすく、配当を伴うボックス相場になりやすい。
悪い場合は、電子部品需要の低迷により利益が70億円前後まで縮小し、ROEが7%台へ低下するシナリオである。PERが12倍前後まで低下すると、5年後の株価は1,500円から2,100円程度まで下落する可能性がある。赤字化の可能性は低いが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値2,553円は成長期待を大きく織り込んだ価格ではなく、業績循環を前提とした評価帯に近い。上昇余地は利益回復時の評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、一定の収益力により下値も限定されやすい。株価は短期材料より電子部品市況の変動に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月8日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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