株価
リオンとは

リオン株式会社は医用機器と計測機器を主力とする精密機器メーカーで、本社は東京都国分寺市。1944年に小林理学研究所の研究成果を製品化する目的で株式会社小林理研製作所として設立され、1960年に現在の社名へ変更された。社名は理学の「理」と音の「音」を組み合わせた造語で、音響・振動・微粒子の計測技術を基盤として発展してきた企業である。
創業当初はロッシェル塩の圧電振動子を用いたマイクロホンなどの電子部品を製造していたが、1948年に日本初の量産型補聴器を発売し医療機器分野へ進出した。その後1952年に聴力検査器、1955年に騒音計、1965年に振動計を発売するなど、音と振動の計測分野へ領域を拡大した。
1970年には世界初のデジタル騒音計、1977年に気中微粒子計、1984年には日本初の液中微粒子計を開発し、計測機器メーカーとしての基盤を確立している。補聴器分野でも世界初の防水耳かけ型補聴器、デジタル補聴器、軟骨伝導補聴器、ワイヤレス充電補聴器などを投入し、技術志向の製品展開を続けている。
現在の事業は医療機器、環境機器、微粒子計測器の3分野で構成される。医療機器では補聴器「リオネット」を中心に国内首位クラスのシェアを持ち、系列販売店網を通じて販売と調整サービスを一体で提供する体制を持つ。耳鼻咽喉科向けのオージオメータ、平衡機能検査装置、耳音響放射検査装置など診断機器も展開し、診断から補聴までをカバーする製品体系を形成している。高齢化の進行に伴う難聴人口の増加により継続需要が発生しやすく、安定した収益源となる分野である。
環境機器分野では騒音計、振動計、周波数分析器、記録計、地震計などを展開し、工場の作業環境測定、建設現場の騒音管理、航空機騒音観測、設備診断、官公庁の環境規制対応などに使用される。規制や保守点検に基づく更新需要が存在し、研究機関や企業の品質管理用途でも利用される産業計測機器事業となっている。
微粒子計測器分野では半導体工場やクリーンルームの清浄度管理に用いられるパーティクルカウンタを製造し、液中微粒子計測器では世界的に上位シェアを持つ。半導体製造工程や精密部品製造における品質管理用途で採用されるため、設備投資や半導体市況の影響を受けるが、精度要求が高く参入障壁が比較的高い分野に位置する。2022年には海外の騒音計メーカーを買収し、計測分野の海外展開も進めている。
補聴器、聴力検査機器、騒音計、振動計、微粒子計測器はいずれもニッチ市場だが国内トップシェア製品が多く、専門分野特化型の事業構成となっている。医療分野は人口動態に連動した安定需要、計測分野は研究開発投資や半導体投資に連動した変動需要と性格が異なり、複数の需要源を持つことで収益変動が分散される構造を持つ。高齢化による医療需要と産業設備投資の双方の影響を受ける精密計測機器メーカーとしての特徴を持つ。
リオン 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.3 | 20,466 | 2,220 | 2,297 | 1,636 | 133.3 | 43 |
| 22.3 | 22,635 | 3,104 | 3,212 | 2,229 | 181.4 | 45 |
| 23.3 | 23,868 | 2,844 | 3,007 | 1,799 | 146.3 | 45 |
| 24.3 | 25,726 | 3,474 | 3,562 | 2,652 | 215.5 | 55 |
| 25.3 | 27,877 | 4,033 | 4,106 | 2,859 | 232.2 | 70 |
| 26.3予 | 28,900 | 4,400 | 4,400 | 3,150 | 255.5 | 70〜75 |
| 27.3予 | 29,800 | 4,600 | 4,600 | 3,250 | 263.6 | 70〜80 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,783 | -3,246 | -577 |
| 2024 | 2,857 | -2,652 | -565 |
| 2025 | 3,437 | -1,685 | -748 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率(%) | ROA(%) | ROE(%) | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11.9 | 5.2 | 6.7 | – | – |
| 2024 | 13.5 | 7.1 | 9.0 | – | – |
| 2025 | 14.4 | 7.3 | 9.0 | 9.4~15.7 | 1.08 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上高は257億から278億、289億予想と毎期増加しており、急拡大ではないが着実な増収傾向にある。増収幅は毎年10億前後で大きなブレがなく、需要の波に左右されるタイプというより安定的に積み上がる収益構造に近い。
営業利益は34億から40億、44億予想、経常利益は35億から41億、44億予想、純利益は26億から28億、31億予想と連続増益になっている。利益は一時的な回復ではなく段階的に水準が切り上がっており、売上の伸びに対して利益の伸びの方が大きい。費用吸収が進み収益体質が改善している形になっている。
営業利益率は11.9%から13.5%、14.4%と上昇を続けており、単なる増収ではなく採算性が改善している。ROEは6.7%から9.0%、9.0%、ROAは5.2%から7.1%、7.3%と資本効率も改善している。依然として高収益企業の領域ではないが、中位水準から上位寄りへ移行している数値推移となる。
評価指標ではPERは9.4倍から15.7倍の範囲、PBRは1.0倍前後で推移している。ROEが上昇しているためPBRが純資産近辺に評価されており、低PBRの資産株の状態から収益性を織り込む評価へ変化している。PERも極端な低評価ではなく、利益水準に応じてレンジの中で評価される段階にある。
数値の組み合わせから見ると、売上は安定成長、利益は継続増益、利益率は改善トレンド、資本効率は上昇中、評価倍率は資産基準から収益基準へ移行中という構成になる。急激な成長株ではないが、収益体質の改善に伴って評価帯が徐々に切り上がるタイプの数値内容と読み取れる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26.3期2.4%、27.3期2.4%で大きくは変わらず、中位水準の利回りとなっている。高配当株とされる水準ではないが、極端に低い水準でもない。純利益は26億から28億、31億予想と増益基調で推移しており、配当も55円から70円、70~75円へと増配方向にある。利益の増加と配当の増加が連動しており、減益局面で大きく変動するタイプというより、利益の範囲内で徐々に積み上げていく配当設計に近い数値になっている。
一株益は215円から232円、255円予想で、配当70円の場合の配当性向はおよそ30%前後に収まる水準となる。配当を優先する構造ではなく、利益の一部を安定的に還元するバランス型の水準と読み取れる。
ROEは9%前後、PBRは1倍付近にあり、内部成長と株主還元を両立させる前提の資本配分に近い数値構成となっている。利回りそのものを目的に保有するタイプではないが、業績拡大に伴い配当も緩やかに増えていく可能性がある。
まとめると、利回りは平均水準、増益に連動した増配傾向、配当性向は低めで安定志向の配当特性となっている。高配当銘柄というより、業績成長に合わせて配当が積み上がるタイプの配当構造と読み取れる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は2,909円で、リオンは売上257億円から278億円、289億円予想へと緩やかな増収が続いている。大きな拡大ではないが毎期積み上がる形で規模が拡大しており、需要の波に大きく左右される推移ではない。一方で営業利益は34億円から40億円、44億円予想と段階的に増加しており、循環回復ではなく収益力の底上げによる増益の形になっている。
営業利益率は11.9%から13.5%、14.4%へ改善し、ROEも6%台から9%前後へ上昇している。高収益企業の水準ではないが中位からやや上の収益性へ移行しており、収益体質が改善している状態にある。
一方でPERは9.4倍から15.7倍、PBR1.0倍前後と極端な高評価ではなく、成長株として強く評価されている段階ではない。資産株から収益株へ移行しつつある中間的な評価水準にあり、急騰より業績に合わせてゆるやかに評価が修正されるタイプの値動きになりやすい。
良い場合は、補聴器の安定需要に加えて半導体関連の計測機器需要が伸び、営業利益率が14~15%で安定しROEが10%前後まで改善するシナリオである。評価がPBR1.3倍前後まで見直されると、5年後の株価は3,800円から4,600円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績の積み上がりに沿った緩やかな上昇トレンドになりやすい。
中間の場合は、医療の安定需要と設備投資の波で利益が増減しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は12~14%、ROE8~9%で安定し評価はPBR0.9倍から1.1倍に収まる。この場合5年後の株価は2,600円から3,400円程度のレンジで推移しやすく、配当が意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、設備投資減速で計測機器需要が落ち営業利益率が10%台前半まで低下しROEが7%前後へ低下するシナリオである。評価がPBR0.8倍付近まで縮小すると、5年後の株価は2,000円から2,600円程度まで下落する可能性がある。赤字の可能性は低いが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値2,909円は成長期待を強く織り込んだ水準ではなく、収益改善を反映し始めた評価帯に近い。上昇余地は利益率改善による評価修正に依存し、大幅上昇より段階的な切り上げになりやすい一方、安定収益により下値も限定されやすい。株価は短期材料より収益改善の持続性に反応しやすく、長期では緩やかな上昇を伴うレンジ移動型の値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月10日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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