株価
メガチップスとは

メガチップス株式会社は大阪市淀川区に本社を置く特定用途向け半導体(ASIC)を主力とするファブレス半導体メーカーで、LSIの企画・設計・開発から量産供給までを一貫して行うソリューション型ビジネスを展開している。自社で大規模な製造工場を持たず、外部ファウンドリを活用するビジネスモデルを創業時から採用しており、製造工程の自由度と複数ラインを使った供給体制を確保することで品質と安定供給を両立している。
同社は顧客専用のシステムLSI開発を中核とし、製品の企画段階から参画して仕様策定、回路設計、評価、量産立ち上げまでを担う開発パートナー型の事業構造を持つ。単に半導体を販売するのではなく、顧客の製品開発を支援するエンジニアリングサービスの側面が強く、ASIC、ASSP、モジュールなど多様な形態の半導体ソリューションを提供している。
長年の開発で培ったアナログ・デジタル混載技術や低消費電力設計、高速インターフェース技術を強みとし、LSI技術と最終製品アプリケーションの知識を融合させた提案が可能な点が特徴となっている。
成長の原点は任天堂向け半導体で、ゲーム機向けのシステムLSIやソフトウェア格納用マスクROMの供給により業績を拡大してきた。ゲーム機の世代交代に伴い業績変動を受けやすい構造を持つ一方、近年は依存度低減のため用途分野を広げ、産業機器、通信機器、データセンター関連などへ展開を進めている。顧客製品に最適化された半導体を開発するため、量産後も長期にわたり供給が継続する案件が多く、受注後は比較的安定した収益につながる特徴を持つ。
新たな収益柱として通信分野を育成しており、IoT用途向け無線通信半導体を展開している。長距離通信と低消費電力を特徴とするWi-Fi HaLow規格のトランシーバーICを取り扱い、センサー機器や産業用途などバッテリー駆動機器向けの通信ソリューションを提供している。半導体単体だけでなくソフトウェアや評価キットを含めたトータルソリューションとして提供することで、設計段階から顧客に組み込まれるビジネスモデルとなっている。
1990年に大阪府吹田市で創業し、任天堂との契約を契機に事業を拡大。2000年に東証上場後、川崎マイクロエレクトロニクスの統合などを経て技術領域を広げ、現在はプライム市場上場企業として半導体設計技術を中核に通信・IoT分野を次の成長領域と位置付けて事業を展開している。ゲーム機向けで培った高性能LSI設計力を基盤に、用途特化型半導体の開発力を活かし幅広い電子機器分野へ応用領域を拡大している企業である。
メガチップス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 21.3 | 83,814 | 5,025 | 3,912 | 20,920 | 961.3 | 80記 |
| 22.3 | 75,256 | 7,030 | 7,857 | 27,544 | 1,349 | 90特 |
| 23.3 | 70,722 | 6,029 | 7,311 | 7,086 | 369.4 | 90特 |
| 24.3 | 57,942 | 5,483 | 3,456 | 4,486 | 242.3 | 110特 |
| 25.3 | 42,326 | 2,190 | 2,608 | 5,371 | 306.3 | 140特 |
| 26.3予 | 43,000 | 3,200 | 2,900 | 11,600 | 730.6 | 250特 |
| 27.3予 | 45,000 | 4,000 | 4,000 | 12,000 | 755.8 | 250〜260特 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 23.3 | 1,241 | -5,520 | -1,738 |
| 24.3 | 8,160 | 214 | -5,392 |
| 25.3 | -3,726 | 3,590 | -7,511 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 23.3 | 8.5% | 9.5% | 7.9% | – | – |
| 24.3 | 9.4% | 4.3% | 3.5% | – | – |
| 25.3 | 5.1% | 4.5% | 3.5% | 6.4〜10.5倍 | 0.73倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見る。2024年は営業利益54億、経常利益34億、純利益44億。2025年は営業利益21億、経常利益26億、純利益53億と売上減少の中で営業利益は大きく縮小している。一方で2026年予想は営業利益32億、経常利益29億、純利益116億と純利益だけが大きく増える見込みとなっており、本業の収益力とは別要因の影響を受けた数字になっている。売上は579億から423億、430億と縮小傾向にあり、事業拡大局面ではなく収益の振れが大きい状態と読める。
収益性を見ると営業利益率は8.5%から9.4%から5.1%へ低下しており、ROEも9.5%から4.3%から4.5%、ROAは7.9%から3.5%から3.5%と資本効率は悪化したまま低位で推移している。収益体質が強化されている動きではなく、むしろ稼ぐ力は弱まっている状態にある。利益の安定性も低く、構造的な成長段階には入っていない数値になっている。
次に株価評価を考える。PERは6.4倍から10.5倍のレンジ、PBRは0.7倍で資産価値近辺の評価にとどまる。ROE4.5%に対してPBR0.7倍は割安株として評価されている典型的な水準であり、成長性ではなく資産や下値余地の小ささで価格が形成されている状態にある。市場は利益拡大を織り込んでおらず、評価修正余地も大きくはない位置にある。
ここから読み取れる株価特性は、利益成長によって上昇する銘柄ではなく、業績回復時のみ評価が見直されるタイプという点になる。安定株でも高成長株でもなく、業績変動に合わせて上下する循環株に近い性格となる。上昇の主因は利益率の回復、下落の主因は需要減速になる構造で、株価は長期トレンドよりレンジ推移になりやすい段階にある。
数値のみからの結論として、この銘柄は割安成長株ではなく低評価安定株の位置にあり、投資判断は業績回復を待つか資産価値を評価するかで分かれる位置にある。増益が継続すれば評価修正の余地はあるが、現状は利益の質が弱く大きな上昇を前提にした価格帯ではないと判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26.3期2.78%、27.3期も2.78%でおおよそ3%未満の水準にとどまる。日本株の配当投資として見ると高配当株の領域には入らず、利回りだけで保有する銘柄ではない位置にある。ただし無配や低配当ではないため、株価の下値を緩やかに支える程度の役割は持つ水準といえる。
利益との関係を見ると営業利益は54億から21億へ減少し32億予想と回復途上にある一方、配当は110円から140円、250円へと増えている。利益の増減に対して配当の変動が大きく、純粋な利益連動配当ではなく資本政策や特別配当の影響を受けやすい形になっている。つまり継続的な増配トレンドを期待する銘柄ではなく、その年度の状況によって配当が上下しやすい性格を持つ。
ROEは4%台、PBRは0.7倍と低評価にあるため、配当は投資家にとって主目的のリターンというより評価維持の役割が強い。株価が資産価値近辺で推移しやすい銘柄では、配当は上昇要因というより下値のクッションとして機能する傾向がある。この銘柄も同様で、配当収入を積み上げるための長期インカム銘柄ではなく、業績回復局面までの保有コストを軽減する意味合いが強い。
結論として配当目的の中心銘柄には向きにくく、インカム狙いの投資対象というよりは、業績回復や評価修正を待つ投資の補助リターンとして位置付けられる。配当利回りが株価の下落余地をある程度抑える可能性はあるが、配当そのものを目的に長期保有するタイプの銘柄ではないと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は8,990円で、メガチップスは売上838億円から752億円、707億円、579億円、423億円へと減少し、430億円予想、450億円予想と下げ止まりに向かう推移となっている。営業利益は50億円台から21億円まで縮小し、32億円予想と回復途上にあるが、過去の水準には届いておらず直線的な成長ではなく案件動向に左右される変動の大きい構造になっている。
営業利益率は8%台から9%台を経て5%台へ低下し、ROEも9%台から4%台へ低下したままで、収益性は高収益企業の水準には届かず中位以下に留まる。成長企業というより特定顧客や製品サイクルの影響を受けやすい循環型の収益構造にある。
良い場合は、ゲーム機向けや通信分野の案件増加により営業利益が40億円規模まで回復しROEが8%前後へ改善するシナリオである。PBRが0.9倍から1.2倍程度まで見直されると評価修正中心の上昇となり、5年後の株価は12,000円から15,000円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績回復に合わせて徐々に切り上がる推移になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きになる。
中間の場合は、利益が案件状況に応じて増減しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益20億から30億、ROE4%から6%程度で安定し、評価はPBR0.6倍から0.9倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は8,000円から10,500円程度のレンジで推移しやすく、配当利回りが意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、需要減速で利益率が低下し営業利益が10億台にとどまりROEも3%台へ低下するシナリオである。評価がPBR0.5倍から0.6倍へ縮小すると、5年後の株価は5,500円から8,000円程度まで下落する可能性がある。赤字転落より評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値8,990円は成長期待を織り込んだ価格ではなく資産評価帯に近い。上昇余地は利益回復による評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、純資産水準と配当によって下値も限定されやすい。株価は短期材料より案件循環に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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