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コーセルとは

コーセル株式会社は富山県富山市に本社を置く電源機器メーカーで、産業機器向けスイッチング電源の標準品で国内2位クラスのポジションを持つ企業である。主力製品はAC-DC電源、DC-DCコンバータ、ノイズフィルターで、装置内部に組み込まれる基幹部品として使用される。
完成品メーカーではなくBtoBの部品メーカーであり、半導体製造装置、FA機器、計測機器、通信機器、医療機器などの幅広い分野に採用されている。電源は装置の安定稼働・安全性・寿命に直結するため、同社は高信頼性・低ノイズ・長寿命設計を重視しており、医療機器など安全規格の厳しい用途にも対応する品質水準を強みとしている。
電源は一度装置に採用されると長期間継続採用されやすく、設計段階から顧客と関わることで継続取引が生まれるストック型に近い側面を持つ。一方で最終需要は設備投資に連動するため、半導体製造装置やFA投資の景気循環の影響を受けやすい産業部品メーカーの特徴も併せ持つ。標準電源をベースに顧客仕様に合わせたカスタム対応を行い、採用されると置き換えが難しい部品特性により長期供給になるケースが多い。
製品群としては装置に電力を供給するAC-DC電源、装置内部で電圧を変換するDC-DCコンバータ、電磁ノイズを抑制するノイズフィルターをラインナップし、小型化・高効率化・低発熱化・低ノイズ化を継続的に開発している。R&Dセンターを富山に持ち、高効率電源技術や熱対策、EMC対策などの基盤技術の開発を進めている。電源は派手な製品ではないが装置の安定性を支える重要部品であり、装置メーカーにとって変更リスクが高いことから長期採用されやすい性格を持つ。
販売は代理店を通じたグローバル展開が中心で、日本のほかアジア、欧米の装置メーカーへ供給している。米国カリフォルニア州サンノゼにCOSEL USA、ドイツにCOSEL EUROPEを持ち海外市場にも対応している。2024年には台湾の電源大手LITE-ONテクノロジーと資本業務提携を行い、同社が約19.99%を保有する筆頭株主となったことで、電源分野での技術・販売面の連携が進む体制になっている。
沿革は1967年に個人創業、1969年にエルコー株式会社として設立、1992年にコーセルへ社名変更。1994年店頭登録、1999年東証2部上場、2000年東証1部指定替えを経て現在に至る。富山本社のほか立山工場を中心に生産を行い、品質と長期供給を重視した国内生産体制を維持している。
最終製品ブランドを持つ企業ではなく、装置内部の電源という基盤部品を供給するインフラ的メーカーであり、設備投資動向に業績が左右される一方、採用後は長期継続になりやすいという産業部品メーカー特有の事業構造を持つ企業である。
コーセル 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.5 | 35,266 | 4,926 | 5,273 | 3,162 | 93.6 | 32 |
| 連24.5 | 41,437 | 6,912 | 7,850 | 5,169 | 155.9 | 54 |
| 連25.5 | 27,052 | 628 | 740 | -113 | -2.8 | 55 |
| 連26.5予 | 31,000 | 1,000 | 1,100 | 750 | 18.2 | 55 |
| 連27.5予 | 34,100 | 1,360 | 1,400 | 940 | 22.9 | 55 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,031 | 676 | -2,116 |
| 2024 | 5,531 | -1,826 | -1,602 |
| 2025 | 3,858 | -1,621 | 9,228 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 13.9% | 7.4% | 6.4% | – | – |
| 2024 | 16.6% | 10.9% | 9.5% | – | – |
| 2025 | 2.3% | -0.3% | -0.2% | 7.5~11.5倍 | 0.89倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見る。2024年は営業利益69.1億、経常利益78.5億、純利益51.6億と一定の収益を確保しているが、2025年は営業利益6.2億、経常利益7.4億、純利益-1.1億まで急減しており収益力が大きく落ち込んでいる。2026年予想は営業利益10.0億、経常利益11.0億、純利益7.5億と黒字回復見込みだが、2024年の水準には戻らない前提の数字になっている。利益は成長しているのではなく景気や需要に応じて振れる構造と読める。
収益性を見ると営業利益率は13.9%から16.6%から2.3%へ急低下している。ROEは7.4%から10.9%から-0.3%、ROAは6.4%から9.5%から-0.2%と資本効率も悪化しており、単なる減益ではなく収益体質自体が弱まった局面にある。2026年に黒字回復しても過去の収益性には届かない前提で、安定収益企業の数値ではない。
株価評価を見るとPERは7.5倍から11.5倍、PBR0.9倍前後と低水準に位置している。ROEがほぼゼロ近辺の状態でPBR0.9倍前後というのは資産価値ベースの評価に近く、成長期待は織り込まれていない価格帯である。評価倍率は将来成長ではなく下値余地の小ささで支えられている状態と判断できる。
ここから読み取れる株価特性は、利益成長で上昇する銘柄ではなく業績回復時にのみ評価が見直される循環株型という点になる。好況では上がり、不調期には収益性悪化とともに評価も縮小しやすい。株価は長期トレンドより業績の波に連動しやすい構造にある。
数値のみからの結論として、この銘柄は割安成長株ではなく低評価循環株の位置にあり、投資判断は回復期待を取るか安定性を避けるかで分かれる段階にある。黒字回復が続けば評価修正余地はあるが、収益の安定性が弱いため長期上昇を前提にする銘柄ではないと判断できる。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りを見ると26、27年度ともに4.56%と数値だけ見れば高水準に入る。ただし利益の推移と合わせて考える必要がある。直近の利益は2024年に純利益51.6億あったものが、2025年は-1.1億まで落ち込み、2026年予想も7.5億と回復途中の水準にとどまる。本業の収益力はまだ完全には戻っておらず、配当の裏付けとなる利益の安定性は強くない状態にある。営業利益率も13.9%から16.6%から2.3%へ低下しており、収益の振れ幅が大きい企業であることが分かる。
この状況で4%台後半の利回りというのは「安定して稼いでいるから高配当」ではなく、株価が低評価帯にあることで利回りが高く見えている性格が強い。PBR0.9倍前後という評価も資産価値近辺での取引を示しており、配当は安定収益企業のインカムというより株価下支えの役割に近い。
配当目的として考える場合、安定して受け取る銘柄というより業績回復が前提の配当になる。利益が戻れば利回りを維持しやすいが、業績が再び悪化すれば減配余地も意識されやすいタイプで、ディフェンシブ高配当株の性格とは少し異なる。配当を主目的にするなら「利回りは高いが業績に左右される配当」と整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,204円で、コーセルは売上414億から270億へ大きく減少し、その後310億予想へ回復途上の推移となっている。営業利益も69億から6億へ急減し、10億予想と回復は見込まれるが過去水準には届かない見通しで、直線的な成長ではなく需要に応じて大きく振れる構造になっている。
営業利益率は13.9%から16.6%から2.3%へ低下し、ROEも7.4%から10.9%から-0.3%、ROAは6.4%から9.5%から-0.2%と収益性は悪化したまま低位にある。安定成長企業というより景気や設備投資動向に左右される循環型の収益構造と読める。
良い場合は、産業機器向け需要の回復により営業利益率が8%から10%前後まで戻り、ROEが6%から8%程度へ改善するシナリオである。PBRが1.0倍から1.2倍程度まで見直されると評価修正が中心の上昇となり、5年後の株価は1,600円から2,100円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績回復に合わせて徐々に切り上がる推移になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きになる。
中間の場合は、利益が回復するものの過去水準には戻らず横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は5%から7%、ROE5%前後で安定し、評価はPBR0.8倍から1.0倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は1,050円から1,400円程度のレンジで推移しやすく、配当利回りが意識されるボックス相場になりやすい。
悪い場合は、設備投資の低迷が続き利益率が3%前後にとどまりROEも3%台となるシナリオである。評価がPBR0.6倍から0.7倍へ縮小すると、5年後の株価は700円から1,000円程度まで下落する可能性がある。赤字転落の可能性は高くないが、評価縮小による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値1,204円は成長期待を織り込んだ価格ではなく回復期待の価格帯に近い。上昇余地は収益回復による評価修正に依存し、大幅上昇よりレンジ推移になりやすい一方、資産価値と配当が下値を支えやすい。株価は短期材料より業績循環に反応しやすく、長期では上下を繰り返しながら水準を変えるタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月12日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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