株価
図研とは

図研株式会社は神奈川県横浜市に本社を置く電気系CAD/EDAソフトウェアメーカーで、プリント基板設計CAD/CAM分野の国内最大手であり、世界でもトップクラスのシェアを持つ企業である。1976年に設立され、電子機器の回路設計・基板設計を支援するソフトウェアを中核事業として成長してきた。製造業の設計部門を主要顧客とし、日本に加えて米国・中国・欧州・アジア各地に拠点を持つグローバル展開を行っている。
主力事業はエレクトロニクス設計ソリューションで、回路設計から基板レイアウト設計、配線設計、電磁特性解析、製造データ作成までを一体で扱うEDAシステムを提供する。代表的な製品群であるCR-5000、CR-5500は電子機器の設計基盤として使われ、家電・通信機器・産業機器・自動車・航空宇宙など幅広い分野で採用されている。高速信号設計、ノイズ対策、LSIと基板の同時最適化設計など高度化した電子機器設計に対応するツールを持つ点が特徴である。
自動車分野では車両電装やワイヤーハーネス設計の支援ソフトも展開しており、機械設計CADと連携した3次元協調設計に対応するなど、電気設計だけでなく車両全体の開発効率化に関わるソリューションを提供している。電子制御化が進む自動車の開発工程において設計情報を統合管理する役割を担う。
もう一つの柱が製造業向けITソリューションで、PLMシステムPreSight、BOM管理のvisual BOM、開発管理のProject Conductorなどを提供する。設計データ、部品情報、製造準備、保守サービス情報を一元管理し、製品ライフサイクル全体の情報を統合するシステムである。電気PDMや製造準備管理、保守メンテナンス管理までを含むことで、設計から製造・運用までのデータ連携を支援する。
ビジネスモデルはソフトウェアライセンス販売と保守契約収入を組み合わせたストック型収益で、導入後は長期にわたり保守・更新収入が継続する。製造業の設備投資や開発投資の影響は受けるものの、既存顧客からの保守収入が収益基盤となる構造を持つ。電子機器の設計基盤を担うソフトウェアを提供する企業であり、電気設計分野におけるインフラ的存在として位置付けられる企業である。
図研 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 28,819 | 2,891 | 3,153 | 2,137 | 91.9 | 30 |
| 連22.3 | 31,502 | 3,904 | 4,177 | 3,002 | 129.2 | 37特 |
| 連23.3 | 35,073 | 4,428 | 4,735 | 3,196 | 137.5 | 45 |
| 連24.3 | 38,466 | 4,796 | 5,439 | 3,868 | 171.4 | 55 |
| 連25.3 | 40,736 | 5,392 | 5,936 | 5,226 | 237.0 | 100 |
| 連26.3予 | 43,000 | 5,600 | 6,300 | 4,450 | 209.1 | 200記 |
| 連27.3予 | 45,500 | 6,200 | 6,900 | 4,870 | 228.8 | 100〜110 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 2,879 | -747 | -1,023 |
| 2024 | 4,880 | -1,636 | -5,215 |
| 2025 | 4,861 | 1,076 | -5,957 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.6% | 5.1% | 7.8% | – | – |
| 2024 | 12.4% | 6.0% | 9.5% | – | – |
| 2025 | 13.2% | 8.2% | 13.0% | 16.6〜26.0 | 2.44 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益規模の推移を見る。2024年は営業利益47億、経常利益54億、純利益38億。2025年は営業利益53億、経常利益59億、純利益52億と増加している。2026年予想は営業利益56億、経常利益63億、純利益44億となっており、売上は384億から407億、430億予想へと緩やかに拡大している一方、最終利益は増加後にやや減少する見込みになっている。大きく跳ねるタイプではなく、緩やかな拡大の中で年ごとに変動が出る構造になっている。
収益性を見ると営業利益率は12.6%から12.4%から13.2%と小幅な変化に留まっており、大きな上下はない。高収益企業の水準ではないが安定して二桁を維持しており、利益率の変動は小さいタイプの事業構造と読み取れる。
資本効率はROE7.8%から9.5%から13.0%、ROA5.1%から6.0%から8.2%と緩やかに上昇している。急激な改善ではなく利益拡大に伴って段階的に効率が高まる配置で、収益体質が徐々に強化されている数値になっている。
評価指標はPER16.6〜26.0倍、PBR2.4倍。利益成長の速度に対して評価はやや高めのレンジにあり、資産株ではなく将来の成長を一定程度織り込んだ価格帯に位置している。大幅な割安感は出にくいが、安定性に対してプレミアムが付くタイプの指標配置である。
まとめると、利益は急成長ではなく緩やかな増加、収益性は安定、効率は段階的改善という特徴を持つ。指標から読み取れるのは、市況連動で大きく変動する銘柄ではなく、安定した収益を背景に評価が維持されやすいタイプの企業という性格である。
配当目的とかどうなの?
予想配当利回りは26.3期が4.40%、27.3期が2.20%となっている。水準だけ見ると一時的に高配当に見えるが、翌期に半減しており継続的な高配当を前提にした設計ではないことが分かる。特別配当や記念配当を含む年があるタイプの配当構造と読み取れる。
利益との関係を見ると純利益は38億から52億へ増えた後、44億予想へ低下しており、配当は利益に対して一定割合で安定的に積み上げるというより年度ごとに調整されている。継続的な増配トレンドというより利益水準に応じて上下する配分になっている配置である。
収益性は営業利益率12%台で安定しており企業体質は安定型だが、配当利回りは常に高いわけではなく通常年は2%前後に落ち着く水準である。つまりインカム狙いの高配当株という性格ではなく、特定の年度のみ利回りが高くなるタイプである。
まとめると、この銘柄は配当を積み上げていく高配当株ではなく、基本は中位利回りで推移し、特別要因のある年だけ利回りが高く見える構造になっている。配当目的の長期保有銘柄というより、安定収益企業に付随する配当という位置付けになる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は4,540円で、図研は売上384億円から407億円、430億円予想へと緩やかな増収が続いている。営業利益は47億円から53億円へ増加し、56億円予想と拡大基調にあるが伸び方は急ではなく段階的である。
純利益は38億円から52億円へ増えた後、44億円予想とやや減少見込みとなっており、直線的な成長ではなく年度ごとの要因で変動を伴う推移になっている。営業利益率は12%台で安定しており、ROEも7%台から13%台へ改善しているが急上昇ではなく徐々に改善する形で、高収益企業というより安定収益型の水準に位置している。
良い場合は、製造業の開発投資が拡大し保守収入の積み上げで利益率が13%台後半まで上昇し、ROEが15%近辺まで改善するシナリオである。評価がPER25倍前後で維持されると、5年後の株価は6,500円から8,500円程度まで上昇する可能性がある。急騰ではなく業績の積み上がりに合わせて段階的に切り上がる推移になりやすく、長期では緩やかな上昇トレンドに近い値動きになる。
中間の場合は、利益が小幅な増減を繰り返しながら横ばい圏で推移するシナリオである。営業利益率は12%から14%、ROEは10%前後で安定し、評価はPER18倍から23倍の範囲に収まる。この場合5年後の株価は4,000円から5,500円程度のレンジで推移しやすく、緩やかなボックス相場になりやすい。
悪い場合は、開発投資の停滞により利益成長が鈍化しROEが一桁台へ低下するシナリオである。評価がPER14倍前後まで縮小すると、5年後の株価は3,000円から4,200円程度まで下落する可能性がある。大幅な赤字転落の可能性は低いが、評価修正による緩やかな下落になりやすい。
総合すると現在値4,540円は急成長期待を織り込んだ価格ではなく、安定した収益積み上げを前提とした評価帯にある。上昇余地は利益成長の継続に依存し、大幅上昇よりも水準訂正型の動きになりやすい一方、収益の安定性によって下値も限定されやすい。株価は短期材料より業績の積み上げに反応しやすく、長期では緩やかに水準を切り上げていくタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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