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極洋(1301)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

極洋とは

株式会社極洋は、日本の大手水産・食品会社であり、1937年に設立された老舗企業である。本社は東京都港区赤坂三丁目3番5号に所在し、東京証券取引所プライム市場に上場している。創業当初は「極洋捕鯨株式会社」として捕鯨事業を中心に展開していたが、時代の変化に合わせて事業構造を大きく転換し、現在では水産物の買付・加工・販売を中心とする総合食品企業へと発展している。

主な事業は、水産事業、加工食品事業、物流事業の3つに大別される。水産事業では、世界各地の漁場で水産物を買い付け、国内外での販売や原料供給を行っている。特に冷凍マグロ、サーモン、カツオ、イカなどの取り扱いに強みを持ち、商社的機能とメーカー機能を併せ持つ点が特徴である。漁獲や養殖だけでなく、海外からの輸入取引や自社加工工場での原料処理も行い、安定的なサプライチェーンを構築している。

加工食品事業では、業務用冷凍食品、レトルト食品、水産惣菜、寿司ネタ、冷凍弁当素材などを製造・販売しており、外食産業や量販店、コンビニエンスストア、学校給食など幅広い分野に製品を供給している。特に「おいしさ」「安全・安心」「健康志向」をキーワードにした商品開発を積極的に進めており、冷凍魚フライ、焼き魚、煮魚、惣菜製品など、家庭用から業務用まで多様なラインアップを展開している。海外拠点では東南アジアや北米などに加工工場を持ち、現地生産・現地販売体制を整えている点も強みである。

物流事業では、自社および他社製品の冷凍・冷蔵保管、配送業務を担っており、国内に複数の冷凍倉庫・物流センターを保有している。これにより、調達から加工、販売、物流までを一貫して行う体制を確立している。物流網を活かし、他社への3PL(サードパーティ・ロジスティクス)サービスも展開するなど、安定した収益基盤を持つ。

グループ会社としては、国内外に多数の子会社・関連会社を有しており、主要な連結子会社には極洋食品株式会社、株式会社キョクヨーフーズ、株式会社マルハ物流、極洋アメリカ社(KYOKUYO AMERICA CORPORATION)などがある。これらを通じて、水産資源の調達から製造・販売・物流までのトータルソリューションを提供している。

経営方針としては、「食を通じて人々の健康と豊かなくらしに貢献する」を掲げ、サステナブルな水産資源の利用、環境保全、品質管理の徹底に注力している。MSCやASC認証などの国際的な認証取得にも積極的で、持続可能な漁業や環境対応型の生産体制を推進している。また、女性の活躍推進や働き方改革にも力を入れており、多様な人材が活躍できる職場づくりを目指している。

極洋は、単なる水産会社ではなく、原料調達から製品開発、物流、販売までを一貫して行う総合食品企業として、水産資源を最大限に活かした付加価値の高い商品を提供している。今後も国内外での需要拡大、健康志向食品や冷凍惣菜などの分野を成長ドライバーとしながら、安定した事業基盤の確立と持続的な成長を目指している。

極洋 公式サイトはこちら

直近3年間の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 当期純利益(百万円) 1株当たり利益(円) 1株当たり配当(円)
2023年3月期(連23.3) 272,167 8,105 8,182 5,782 539.1 100
2024年3月期(連24.3) 261,604 8,806 8,856 5,936 548.6 100
2025年3月期(連25.3) 302,681 11,079 10,857 6,740 567.5 130
2026年3月期予想(連26.3予) 350,000 12,500 12,500 8,200 690.4 150

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

キャッシュ・フロー(2023年~2025年、単位:百万円)
決算期 営業キャッシュフロー 投資キャッシュフロー 財務キャッシュフロー
2023年3月期 -6,243 -2,338 9,011
2024年3月期 -1,721 -5,707 8,524
2025年3月期 5,843 -9,036 2,149

出典元:四季報オンライン

バリュエーション(2025年3月期)

極洋(1301)主要指標まとめ(2023年~2025年)
決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2023年3月期 2.9% 12.1% 3.9%
2024年3月期 3.3% 10.0% 3.6%
2025年3月期 3.6% 10.1% 3.7% 7.6倍 6.0倍 0.82倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

極洋は、水産物の買付・加工・販売を中心とした総合食品企業で、業績は安定的に推移している。
2023年から2025年にかけて、売上・利益ともに堅調に増加しており、特に2025年3月期には営業利益11,079百万円、経常利益10,857百万円、純利益6,740百万円と前年から大幅に伸びている点が評価できる。

営業利益率は2.9%→3.3%→3.6%と緩やかに改善しており、効率的なコスト管理と高付加価値商品の拡大が利益率を押し上げている。ROE(自己資本利益率)は10%前後を維持し、ROA(総資産利益率)も3.7%とバランスが取れており、資本効率の良い経営が続いている。

一方、株価指標面では2025年の実績PERが高値平均7.6倍、安値平均6.0倍、実績PBR0.82倍と、いずれも低水準に位置している。これは株価が割安圏にあることを示しており、利益水準の安定性を考慮すればバリュー投資の観点から魅力的な水準といえる。PERが一桁台にとどまっている点は、短期的な過熱感がなく、堅実な企業価値評価がなされている証拠でもある。

総合的に見て、極洋は水産・食品業界の中では財務健全性が高く、収益性・安定性ともに良好で、さらに株価も割安水準にある。中長期的には、原材料価格の変動や為替の影響には注意が必要だが、国内外での需要拡大や冷凍・加工食品の成長余地を考えれば、安定した成長が見込める。

したがって、現時点では「中長期的な安定成長を期待できる割安株」として投資妙味があると判断できる。
特に高配当狙い・バリュー重視の投資家にとっては、有力な選択肢の一つといえる。

配当目的とかどうなの?

極洋は、配当目的の投資先としてもかなり魅力的な銘柄です。
ここ数年の配当実績を見ると、2023年3月期が100円、2024年3月期も100円と安定しており、2025年3月期には130円、2026年3月期は150円の予想と、着実に増配傾向が続いています。業績が安定しているうえ、利益の範囲内で無理のない配当を行っており、企業として堅実な株主還元姿勢を示しています。

株式分割や一時的な株価変動によって利回りは変わりますが、一般的な食品・水産業の中でもかなり高い部類に入ります。

また、財務面を見ても安定感があります。2025年には営業キャッシュフローが黒字転換しており、自己資本比率も高いため、配当の原資となる現金収入に余裕があります。借入金の増加も抑えられているため、今後も減配のリスクは小さいと考えられます。

総合的に見て、極洋は景気に左右されにくく、安定した収益基盤を持つ企業です。配当金狙いで中長期的に保有するには適した銘柄であり、今後も安定配当と増配の両方を期待できる株といえます。
派手さはありませんが、堅実な企業運営と高い配当利回りを重視する投資家にとって、長期保有に向いた安心感のあるバリュー株です。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価が4,765円の極洋(1301)について、5年間の値動きを良い場合・中間・悪い場合の3パターンで予想すると次のようになります。

良い場合
世界的に水産物の需要が拡大し、極洋の主力である冷凍・加工食品の販売が好調に推移します。為替も円安基調が続き、海外事業の利益が押し上げ要因になります。営業利益率やROEが改善し、PERも市場平均程度の10倍前後まで上昇すると想定されます。その場合、EPSが900円前後に伸びれば、株価はおよそ9,000円から10,000円程度まで上昇する可能性があります。配当も増加傾向が続き、150円から200円台まで上がる可能性があり、長期保有によるリターンは高めです。

中間の場合
業績は安定的に推移し、営業利益率・ROEともに現在水準(約3~10%台)を維持します。為替や原材料費の変動はあるものの、全体的には安定した成長が続くと見られます。PERは7~8倍程度で推移し、EPSが800円前後なら株価は6,000円~7,000円台に落ち着く可能性があります。配当も増配を継続し、180円前後までの上昇が期待され、安定収益型の中堅株として推移するシナリオです。

悪い場合
原材料価格の高騰や円高の進行など、収益を圧迫する要因が続くケースです。営業利益率が低下し、ROE・ROAも悪化。利益が伸び悩み、EPSが700円程度で横ばいになると、PERは6倍前後まで低下し、株価は4,000円前後まで下落する可能性があります。配当も横ばいまたは減配のリスクがあり、150円を維持できない可能性もあります。短期的な値動きは重く、安定性重視の投資家にはやや不向きな局面になります。

総合すると、極洋は安定した業績と堅実な財務体質を背景に、長期では緩やかな成長が期待できる銘柄です。業績次第では上値余地も大きい一方、外部環境の変化には注意が必要です。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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