株価
フォーラムエンジニアリングとは

フォーラムエンジニアリングは機械・電気電子分野のエンジニアに特化した人材サービス企業で、製造業の設計・開発部門へ技術者を派遣する常用型派遣を主力としている。いわゆる製造ラインの人材派遣ではなく研究開発領域に特化している点が特徴で、自動車、電機、精密機器、産業機械、家電、ITなどのメーカーの設計・評価・解析業務にエンジニアを常駐させる形でサービスを提供している。本社は東京都港区で、2025年にKKR傘下企業による公開買付けが実施され親会社が異動している。
同社のビジネスモデルは、自社で採用したエンジニアを正社員として雇用し顧客企業へ配属する常用型派遣で、派遣料金と給与の差額が収益となる。短期派遣ではなく長期契約になりやすく、在籍人数、稼働率、単価が業績を決める構造になる。一般派遣と異なり社会保険や福利厚生が整備されており、確定拠出年金などの制度も用意されている。エンジニアは「テクノアーティスト」と呼ばれ専門職として位置付けられている。
主な対象分野は自動車関連が中心で、次いで電気電子・精密機器、機械、家電・ITといった製造業の開発工程が中心となる。国内の多数のメーカー事業所を対象に展開し、研究開発投資の動向に影響を受ける一方、開発工程の人材不足を背景に長期需要が発生しやすい構造となっている。
同社は派遣に加えてエンジニアのキャリア全体を支援するプラットフォームとして独自システム「コグナビ」を展開している。AIによりエンジニアのスキルや学習履歴を可視化し企業の要求スキルと結び付ける仕組みで、新卒就職支援、転職、人材派遣、教育研修まで一体で提供する。
理工系学生の採用メディア、大学と連携した研修、リスキリング支援なども行い、単なる派遣会社ではなく人材配置最適化サービスとしての性格を持つ。企業側は必要なスキルを持つ人材を探しやすくなり、エンジニア側はキャリア形成の選択肢が広がる仕組みになっている。
海外ではインドにおける新卒支援事業なども進めており、人材不足を補う取り組みを行っている。設備投資は小さい一方で人材確保と教育が事業の中核となる労働集約型ビジネスであり、エンジニア数の拡大と稼働率維持が成長要因になる。派遣、転職、新卒採用、教育を一体化したエンジニアキャリア支援企業として、製造業の開発需要と人材不足を背景に事業を展開している。
フォーラムエンジニアリング 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単21.3* | 27,728 | 2,349 | 2,275 | 1,344 | 25.4 | 24 |
| 単22.3* | 26,914 | 1,834 | 1,816 | 1,248 | 24.3 | 24 |
| 単23.3* | 28,751 | 1,622 | 1,619 | 1,163 | 22.6 | 25 |
| 連24.3 | 31,279 | 3,029 | 3,017 | 2,039 | 39.4 | 37.5 |
| 連25.3 | 34,688 | 4,201 | 4,284 | 2,884 | 55.1 | 53 |
| 連26.3予 | 38,200 | 5,000 | 5,040 | 3,400 | 64.5 | 0 |
| 連27.3予 | 41,500 | 5,800 | 5,800 | 3,900 | 74.0 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 1,515 | -594 | -4,215 |
| 2024 | 3,299 | -1,078 | -2,771 |
| 2025 | 3,969 | 110 | -2,970 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 5.6% | 6.5% | 9.7% | – | – |
| 2024 | 9.6% | 11.3% | 15.7% | – | – |
| 2025 | 12.1% | 15.3% | 22.3% | 14.2〜23.0 | 6.48 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は312億から346億、予382億へと拡大しており事業規模は着実に増加している。営業利益は30億→42億→予50億、経常利益は30億→42億→予50億、純利益は20億→28億→予34億と増益が続いており、単なる回復ではなく拡大型の局面に入っている推移になっている。減益年がなく利益の伸びが売上以上に大きいため、稼働率や単価上昇など事業効率の改善が起きている形と読める。
営業利益率は5.6%→9.6%→12.1%と短期間で大きく改善しており、収益性の改善幅が大きい。労働集約型の派遣ビジネスは通常は利益率が大きく伸びにくいが、この推移は単価上昇や配置効率改善が同時に進んでいる動きに近い。売上拡大だけでなく利益構造自体が変化している段階に入っている可能性がある。
ROEは9.7%→15.7%→22.3%、ROAも6.5%→11.3%→15.3%まで上昇しており資本効率も急改善している。利益増加と効率改善が同時進行している形で、低収益企業の回復ではなく収益体質の転換が起きた状態に近い。資本を大きく使うビジネスではないため、利益率改善がそのまま効率指標の上昇に直結している。
一方で評価面はPER14.2〜23.0倍、PBR6.4倍と高い位置にあり、資産評価ではなく成長前提の価格帯に入っている。ROE22%水準から一定の整合性はあるが、評価余地が大きく残っている状態ではなく、成長率維持が前提条件になる。利益が横ばいになると評価調整が起きやすい位置にある。
総合すると利益成長、利益率改善、資本効率改善が同時に進んでおり企業内容は大きく変化している段階にある。ただし評価はすでに改善を織り込む水準に近く、割安株ではなく成長継続を前提に保有されるタイプとなる。業績拡大が続く限り評価は維持されやすいが、増益率が低下した場合には倍率調整が起きやすい銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
予26.3は0.0%、予27.3は―となっており、今後は定期的な配当を前提としない方針に変化している。過去は25円→37.5円→53円と利益拡大に合わせて増配していたが、純利益は20億→28億→予34億と増えているにもかかわらず無配へ移行しているため、収益悪化ではなく資本政策の変更による停止と考えられる。営業CFも15億→32億→39億と増加しており資金余力はむしろ拡大している状態で、支払い能力不足によるものではない。
このため株主還元は現金配分よりも内部成長投資を優先している段階にあると整理できる。人材採用や教育投資、事業拡張のための資金確保を優先する局面では配当を行わない企業に近い位置付けになる。派遣ビジネスは在籍人数の増加が売上と利益に直結するため、内部留保を使って人材確保や育成へ回す方が将来利益を伸ばしやすい構造になりやすい。
投資家の視点では、安定して現金を受け取るタイプの銘柄ではなく、業績拡大による評価変化を前提とする性格になる。利益が伸びても直接の現金還元が行われないため、インカム収入を目的とした保有には向かない。一方で成長投資が成功すれば利益拡大余地は広がるが、成長が鈍化した場合でも還元による下支えは期待しにくい構造となる。
したがって位置付けとしては還元重視企業ではなく成長投資優先企業であり、保有理由は利益成長の持続性に依存する。配当を前提に資金が集まる銘柄ではなく、業績の変化に応じて評価が動きやすいタイプと整理できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は1,699円で、フォーラムエンジニアリングは売上312億円から346億円、予382億円へと拡大しており増収が続いている。営業利益は30億円から42億円、予50億円と増益が継続し、単なる回復ではなく拡大局面に入っている推移となっている。営業利益率は5.6%から9.6%、12.1%へ上昇、ROEも9.7%から15.7%、22.3%へ改善しており、利益規模と効率が同時に高まっている。低収益企業から収益体質が変化している段階に近い動きになっている。
一方でPERは14.2倍から23.0倍、PBR6.4倍と評価はすでに成長前提の水準にあり、資産価値基準ではなく将来の拡大を織り込んだ価格帯となる。したがって株価は利益額よりも成長率の変化に反応しやすく、評価倍率の上下が値動きを左右する性格が強い。
良い場合は、エンジニア数の増加と単価上昇が続き利益率が13%から15%付近まで上昇するシナリオである。ROEが20%台を維持すると成長継続が評価され、評価水準が維持または拡大し5年後の株価は2,600円から3,800円程度まで上昇する可能性がある。急騰というより増益に合わせて段階的に上昇する動きになりやすい。
中間の場合は、採用拡大は続くが単価上昇が落ち着き増益率が鈍化するシナリオである。営業利益率は12%前後で安定し評価も一定範囲に収まり、5年後の株価は1,700円から2,300円程度のレンジで推移しやすい。業績は伸びるが評価が広がらず、横ばい圏の値動きになりやすい。
悪い場合は、稼働率低下や採用難で利益成長が止まり営業利益率が10%前後へ低下するシナリオである。成長株評価が縮小すると5年後の株価は1,000円から1,500円程度まで下落する可能性がある。赤字化ではなく評価修正主体の下落になりやすい。
総合すると現在値1,699円は割安資産株の水準ではなく成長評価帯に位置している。上昇余地は利益拡大そのものより成長率維持に依存し、増益が続いても伸び率が低下すると評価調整が起きやすい。一方で事業構造上急激な悪化は起きにくく、長期では業績と評価倍率の変化に応じてレンジを切り替えながら推移するタイプの値動きの銘柄と整理できる。
この記事の最終更新日:2026年2月16日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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