株価
東急建設とは

株式会社東急建設は、東京都渋谷区渋谷一丁目16番14号に本社を置く総合建設会社です。
東京証券取引所プライム市場に上場しており、資本金は約163億円で、東急グループの中核を担う建設会社の一つです。
東急建設は、建築・土木の両分野を主軸に、都市開発・不動産事業・海外事業など幅広く展開しています。
建築事業では、オフィスビル、商業施設、マンション、学校、病院など、街の暮らしを支える建物の設計や施工を手掛けています。特に、渋谷再開発など東急沿線の都市再生プロジェクトに強みを持っています。
土木事業では、道路、橋、トンネル、ダムなど、社会インフラの整備を中心に行っています。耐震補強や老朽化した構造物の再生工事にも積極的に取り組み、安全で持続可能な社会基盤の整備に貢献しています。
また、不動産関連事業として、土地や建物の開発・売買・賃貸を行い、建設と不動産の両面から都市開発を支える体制を持っています。さらに、海外でも現地法人を通じて建設事業を展開しており、アジア地域を中心にグローバルな事業拡大を進めています。
東急グループの一員として、都市開発・鉄道・不動産などの他事業と連携しながら「安全で快適な街づくり」を目指しており、今後も再開発や環境配慮型建設などの分野で成長が期待されています。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 288,867 | 5,107 | 5,020 | 5,245 | 50.0 | 36 |
| 2024年3月期 | 285,681 | 8,155 | 9,736 | 7,266 | 69.0 | 37 |
| 2025年3月期 | 293,139 | 8,839 | 9,701 | 6,631 | 62.7 | 38 |
| 2026年3月期(予想) | 339,500 | 10,500 | 11,000 | 8,000 | 75.4 | 39 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 20,392 | 2,398 | -2,762 |
| 2024年3月期 | -54,023 | -1,399 | 28,523 |
| 2025年3月期 | 41,203 | -1,595 | -31,878 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 1.7% | 5.5% | 2.1% | ― | ― |
| 2024年3月期 | 2.8% | 7.2% | 2.7% | ― | ― |
| 2025年3月期 | 3.0% | 6.5% | 2.4% | 高値平均:13.1倍 安値平均:10.1倍 |
1.15倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
東急建設は、ここ3年の数字を見ると業績は安定しており、堅実な経営を続けている会社です。
売上高はおおむね横ばいですが、営業利益は5,100百万円から8,800百万円に増えており、営業利益率も1.7%から3.0%へ改善しています。利益率自体は建設業の中ではまだ低めですが、コスト削減や採算性の高い案件へのシフトが進んでいることがうかがえます。
ROEは5.5%から6.5%、ROAは2.1%から2.4%とやや上昇しており、資本効率も少しずつ良くなっています。財務面では安定していて、自己資本比率も比較的高く、倒産リスクは低い堅実型の企業です。
株価指標では、2025年のPERが高値平均で13.1倍、安値平均で10.1倍、PBRが1.15倍と、いずれも建設業界平均に近い水準です。過剰に割高でも割安でもなく、適正な評価を受けていると考えられます。
成長スピードは緩やかですが、利益は堅調で、東急グループの開発案件(特に渋谷再開発など)を背景に、今後も一定の受注が見込めます。大きなリスク要因が少ないため、長期的な資産形成や配当目的には向いている銘柄です。
総合的に見ると、東急建設は「安定・堅実・中長期保有向け」の企業です。
急騰は見込みにくいですが、株価の下落リスクも小さく、今後も増配を期待しながら落ち着いて保有できるタイプの銘柄と言えます。
配当目的とかどうなの?
東急建設は、配当目的の投資にも向いている銘柄です。
まず、ここ3年の配当推移を見ると、2023年が36円、2024年が37円、2025年が38円と、わずかではありますが毎年増配傾向を維持しています。さらに2026年は予想で39円となっており、安定した株主還元姿勢がうかがえます。
利益の伸びが急ではないものの、営業利益・経常利益ともに堅調で、業績が安定しているため、減配リスクが低いのが特徴です。建設業は景気に左右されやすい分野ですが、東急グループという強固なバックボーンを持っており、長期的に安定した受注と利益を確保できる体制が整っています。
つまり、東急建設は「短期の値上がり益狙い」には向きませんが、
- 長期で安定した配当を受け取りたい
- 減配リスクの少ない会社を選びたい
という投資家には非常に適しています。
まとめると、堅実で安定した配当を求める長期投資向き。
大きくは儲からないが、安心して配当を受け取りながらじっくり保有できるタイプの銘柄です。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価が1,099円の東急建設(証券コード1720)について、今後5年間の値動きを「良い場合」「中間の場合」「悪い場合」の3パターンで予想します。
【良い場合】
渋谷や沿線再開発など、東急グループの大型プロジェクトが順調に進み、営業利益率が3%台後半〜4%台に上昇。
再開発需要や都市更新が続くことで安定した受注を維持し、ROEも7〜8%まで改善。
建設セクター全体の地合いが良くなり、PERも13〜14倍程度まで上昇すれば、株価は1,800円〜2,000円台前半まで上昇する可能性があります。
配当も毎年増配され、長期保有でトータルリターンは高くなる展開です。
【中間の場合】
業績は緩やかに拡大しつつも、建設コストの上昇などで利益率の改善ペースは限定的。
営業利益率は3%前後で推移し、PERも現状並みの10〜12倍程度。
この場合、株価は1,200円〜1,400円前後で推移する可能性が高く、緩やかな上昇トレンドに留まります。
配当は38円から40円台で安定し、長期保有でも安定したインカム収入が期待できます。
【悪い場合】
景気後退や資材高騰、公共工事の減少などで利益率が再び低下。
営業利益率が2%台前半まで落ち込み、PERも9倍前後まで低下する可能性があります。
この場合、株価は900円〜1,000円程度まで下がることもあり得ます。
ただし、財務体質は健全なため無配や極端な下落リスクは小さく、長期的には再び持ち直す余地があります。
【まとめ】
- 良い場合:1,800〜2,000円台
- 中間の場合:1,200〜1,400円前後
- 悪い場合:900〜1,000円前後
東急グループ案件の安定性と財務基盤を考えると、中間〜やや良いシナリオ寄りの堅調推移が最も現実的です。
この記事の最終更新日:2025年10月27日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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