株価
オーテックとは

株式会社オーテックは、東京都江東区東陽2丁目4番2号に本社を置く、環境システム工事や管工機材の販売を主力とする企業です。設立は1948年7月16日、資本金は約5億9,940万円で、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。従業員数はおよそ560名規模です。
事業内容は大きく2つに分かれています。
1つ目は「環境システム事業」で、ビルや建物の空調・給排水・電気設備・自動制御システムの設計、施工、保守を行っています。具体的には、中央監視装置や空調制御、熱源制御、動力制御など、建物全体のエネルギー効率を高めるための設備工事を手がけています。
もう1つは「管工機材事業」で、配管資材、鋼管、バルブ、継手、フレキシブル継手といった管工機材のほか、衛生陶器、水栓、ポンプなどの衛生設備機器、さらに住宅設備機器や消火設備の仕入れ・販売を行っています。
オーテックは、環境システム事業で培った技術力と、管工機材販売で築いた取引基盤を活かし、環境に配慮した快適な建物づくりを支える総合設備企業です。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 26,138 | 1,953 | 2,038 | 1,246 | 79.6 | 28.3 |
| 2024年3月期 | 29,374 | 2,026 | 2,173 | 1,386 | 90.4 | 41.7 |
| 2025年3月期 | 31,424 | 4,024 | 4,222 | 2,874 | 186.1 | 56.7 |
| 2026年3月期(予想) | 32,000 | 3,700 | 3,800 | 2,500 | 161.3 | 58 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 779 | -978 | -842 |
| 2024年3月期 | 2,779 | -842 | -187 |
| 2025年3月期 | 3,542 | -922 | -576 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 7.4% | 6.9% | 4.3% | ― | ― |
| 2024年3月期 | 6.8% | 7.0% | 4.3% | ― | ― |
| 2025年3月期 | 12.8% | 12.8% | 8.2% | 高値平均:12.0倍 安値平均:7.2倍 |
1.26倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
オーテックは、ここ数年で業績が大きく伸びている成長企業です。売上高は2023年の約261億円から2025年には314億円まで増加し、営業利益も19億円から42億円へと倍増しています。経常利益と純利益も順調に伸びており、2025年の純利益は約28億円と過去最高水準です。
営業利益率は2023年の7.4%から2025年には12.8%に上昇しており、採算力が大幅に改善しています。これは建設・設備関連業界の中でもかなり高い水準で、コスト管理と収益性の強化が進んでいることを示しています。
株価指標を見ると、2025年のPERは高値平均12倍、安値平均7倍台と業績に対して割安な水準です。PBRも1.26倍で、企業価値に対して適正範囲にあります。ROEが12.8%、ROAが8.2%といずれも高く、資本と資産を効率的に活用して利益を生み出している点は非常に評価できます。
総合的に見ると、オーテックは利益率と財務体質の両方が改善しており、今後も安定した成長が見込めます。配当も増加傾向で、株主還元の姿勢が強い企業です。短期的に急上昇を狙う銘柄ではありませんが、中長期での値上がりや配当目的の投資には向いています。安定性と収益性を兼ね備えた、堅実な投資先といえます。
配当目的とかどうなの?
オーテックは、配当目的の投資先として非常に魅力的な企業です。
まず、配当の推移を見ると、2023年3月期が28.3円、2024年が41.7円、2025年が56.7円と、3年連続で増配しています。さらに2026年3月期の予想配当は58円と、わずかではありますが増配が続く見込みです。これは安定した利益成長と、株主還元を重視する経営姿勢の表れです。
一株益(EPS)も2023年の79.6円から2025年には186.1円まで大幅に増加しており、配当性向(配当の割合)を見てもおおよそ30%前後と健全な範囲に収まっています。つまり、無理をせずに増配できている状態です。
また、営業キャッシュフローも2023年から2025年にかけて着実に増加しており、資金繰りも安定しています。ROEが12.8%と高く、企業として利益をしっかり出して株主に還元している点も評価できます。
結論として、オーテックは増配傾向が続く堅実な配当株です。
建設・設備関連業界の中でも利益率が高く、業績が安定しているため、減配リスクも低いと考えられます。
短期的な値上がり益よりも、安定したインカムゲイン(配当収入)を重視する長期投資家に非常に向いた銘柄です。
今後の値動き予想!!(5年間)
オーテック(現在値1,839円)は、ここ数年で業績を大きく伸ばしている安定成長企業です。営業利益率やROEが共に12%を超え、利益効率が高まっていることから、長期的にも堅調な推移が期待されます。ただし、建設・設備業界は景気や投資動向の影響を受けやすいため、一定の上下変動は想定されます。
良い場合は、業績がさらに拡大し、営業利益率が13%を超えて配当も増配が続いた場合です。このケースでは市場の評価が上がり、PERが15倍程度まで上昇する可能性があります。株価は2,400円から2,600円前後まで上がることが予想され、現在値から30〜40%ほどの上昇が見込めます。
中間の場合は、業績が横ばいまたは緩やかな成長を続け、PERが12倍前後で推移するケースです。この場合の株価は1,900円から2,100円あたりと見込まれ、現在値から5〜15%ほどの上昇を期待できます。安定配当を得ながら中長期で保有するのに適した水準です。
悪い場合は、景気減速や原材料高などで利益が落ち込み、EPSが低下するケースです。この場合はPERが7〜8倍に下がり、株価は1,400円から1,500円前後まで下落する可能性があります。ただし、財務体質は堅固であるため、極端な下落リスクは限定的です。
総合的に見ると、オーテックは堅実な経営と安定配当が強みの企業で、長期的な安定収益と増配を狙う投資家に向いています。短期の値上がり益よりも、配当と中長期の着実な株価上昇を期待するのに適した銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年10月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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