株価
ハンモックとは

株式会社ハンモックは、東京都新宿区に本社を置くITソリューション企業です。東京証券取引所グロース市場に上場しており、設立以来、法人向けのITシステム開発・販売を中心に事業を展開しています。事業年度は毎年4月1日から翌年3月31日までで、単元株数は100株です。
ハンモックは、企業の業務効率化やデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するため、ソフトウェア開発とクラウドサービスを一体的に提供しています。事業は大きく3つの分野に分かれています。
1つ目は「ネットワークソリューション事業」で、企業の情報システム部門向けにIT資産やネットワークの運用・管理を行う統合型IT運用管理ソフトを提供しています。オンプレミス型(自社サーバー導入型)とクラウド型の両方に対応しており、セキュリティ対策やリモートワーク環境の整備にも力を入れています。主力製品として「AssetView」シリーズがあり、社内PCのセキュリティ管理や情報漏洩防止、ソフトウェアライセンスの最適化を実現することで、多くの企業に採用されています。
2つ目は「セールスDXソリューション事業」です。営業活動の効率化を支援するクラウドツールを提供しており、名刺管理・顧客情報管理ツール「HotProfile」をはじめ、営業支援(SFA)・マーケティング支援・名刺スキャンアプリなどを展開しています。これにより、営業担当者の情報共有を容易にし、顧客管理や案件追跡をデジタル化することで、営業組織全体の生産性向上を実現しています。
3つ目は「AIデータエントリーソリューション事業」で、AIやOCR(文字認識技術)を活用したデータ入力・帳票処理の自動化サービスを提供しています。代表的な製品には「AnyForm OCR」があり、FAX受注システムや請求書処理など、従来人手で行っていた業務をクラウド上で自動化することができます。帳票のフォーマットを問わず読み取れる点が強みで、製造業・流通業・金融機関など幅広い業界で採用が進んでいます。
ハンモックの特徴は、これら3つの事業をすべて自社開発で行っている点にあります。ソフトウェアの設計から販売、サポートまでをワンストップで提供することで、高品質かつ柔軟なサービス体制を維持しています。また、クラウド利用の拡大を背景に、サブスクリプション型(継続課金型)の売上構成比が増加しており、収益の安定化が進んでいます。
今後は、AIとデータ分析を活用した新しい業務自動化の分野や、企業のDX支援事業を強化する方針を掲げており、中堅企業を中心に導入拡大が期待されています。ハンモックは「働き方を変えるITソリューション」をテーマに、業務効率化・生産性向上・セキュリティ強化を支援する企業として成長を続けています。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 3,993 | 508 | 504 | 417 | 100.9 | 18 |
| 2024年3月期 | 4,282 | 670 | 778 | 648 | 156.0 | 30 |
| 2025年3月期 | 4,707 | 791 | 828 | 618 | 147.0 | 30 |
| 2026年3月期(予想) | 5,100 | 870 | 890 | 630 | 149.8 | 40 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | -252 | -731 | -127 |
| 2024年3月期 | 1,064 | -404 | -76 |
| 2025年3月期 | 923 | -366 | -37 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 12.7% | ― | 9.0% | ― | ― |
| 2024年3月期 | 15.6% | 30.0% | 11.6% | ― | ― |
| 2025年3月期 | 16.8% | 22.6% | 10.0% | 高値平均:15.9倍 安値平均:6.0倍 |
2.56倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
ハンモックは、DX(デジタルトランスフォーメーション)関連ソフトを手掛ける成長企業で、ここ数年で業績を大きく伸ばしています。売上高は2023年に約39億円、2025年には47億円まで拡大し、営業利益も5億円から8億円まで増加しました。営業利益率は12.7%から16.8%に上昇しており、非常に高い水準を維持しています。経常利益や純利益も右肩上がりで、2025年には純利益が6億円を超え、一株益(EPS)は147円と好調です。
収益性を示す指標も優秀で、ROEは2024年に30%、2025年も22.6%と高く、資本を効率よく活用して利益を上げています。ROAも10%前後と高く、事業全体の収益力が強いことがわかります。これらの数値は中小型のIT企業としてはトップクラスの水準です。
株価指標を見ると、PERは高値平均15.9倍、安値平均6.0倍と業績に比べてかなり割安な水準にあります。PBRは2.56倍で、利益率の高さを考えれば妥当な範囲です。市場がまだ同社の成長力を十分に評価していない可能性があります。
総合的に見ると、ハンモックは営業利益率やROEが高く、財務体質も健全で、長期的な成長力を持つ優良企業です。DXやクラウド需要が拡大する中で、安定した収益を生み出せるビジネスモデルを確立しており、今後も業績拡大が期待できます。現在の株価はやや割安に見えるため、中長期の成長と増配を狙う投資家にとって魅力的な銘柄といえます。
配当目的とかどうなの?
ハンモックは、配当目的でも魅力的な成長配当株といえます。
まず、配当の推移を見ると、2023年に18円、2024年に30円、2025年も30円、そして2026年は40円の予想と、着実に増配傾向が続いています。特に業績の伸びに応じて無理のない範囲で配当を増やしており、財務体質も安定している点が安心材料です。
一株益(EPS)は2023年の100.9円から2026年予想で149.8円と約1.5倍に拡大しており、配当性向はおおよそ20〜25%前後と健全な水準です。つまり、利益成長に合わせて増配が行われており、減配リスクが低く、今後も配当の持続性が高いと判断できます。
さらに、ハンモックは成長企業でありながらキャッシュフローも安定しており、営業キャッシュフローは2024年に10億円を超え、2025年も9億円以上と堅調です。これにより配当原資となる手元資金も十分確保されています。
総合的に見ると、ハンモックは「高成長 × 安定配当」のバランスが取れた企業であり、配当目的で中長期保有するには非常に適した銘柄です。今後の業績拡大に伴ってさらに増配が続く可能性も高く、安定したインカムゲインを狙う投資家にとって魅力的な選択肢といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
ハンモック(現在値1,615円)は、業績が好調で営業利益率やROEが高い成長企業です。ここ数年の営業利益率は12.7%から16.8%に上昇し、ROEも30%→22.6%と高水準を維持しています。IT投資やクラウド需要の追い風が続いており、今後も安定した成長が期待されます。これを踏まえて、5年間の株価の動きを3つのシナリオで考えます。
良い場合は、業績がさらに拡大し、営業利益率が17%以上を維持するケースです。DX需要の拡大で利益成長が続き、配当も増加(40円→45円以上)すれば、投資家の評価が高まり株価は2,300円から2,800円程度まで上昇する可能性があります。現在値から見て40〜70%ほどの上昇が見込めます。
中間の場合は、業績が堅調に推移し、営業利益率が15%前後で横ばいとなるケースです。ROEも20%程度を維持し、配当も少しずつ増配するようであれば、株価は1,800円から2,000円程度に安定すると考えられます。現在値から10〜25%の上昇が期待でき、安定した成長と配当を目的に長期保有するにはちょうど良い水準です。
悪い場合は、景気減速やIT投資の停滞により、利益率が10%前後まで下がるケースです。市場評価も低下し、PERが10倍前後まで落ち込むと、株価は1,200円から1,300円程度まで下がる可能性があります。ただし、財務体質が健全なため、急激な下落リスクは限定的です。
総合的に見ると、ハンモックは業績・配当ともに堅実な伸びが期待できる企業で、特に中長期で保有することで安定したリターンを得やすい銘柄です。悪化局面でも一定の底堅さがあり、DX市場の拡大が続く限りは上昇トレンドを維持する可能性が高いといえます。
この記事の最終更新日:2025年10月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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