株価
太洋基礎工業とは

太洋基礎工業株式会社は、特殊土木工事を中心に事業を展開する建設会社です。1958年5月に創業し、1967年に設立されました。
本社は愛知県名古屋市中川区柳森町107番地にあります。
資本金は4億5630万円で、従業員数はおよそ220名です。
東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、決算期は1月末です。
主な事業内容は、地中連続壁工事、地盤改良、障害物撤去、管路工事などの特殊土木工事を中心に、
住宅関連工事、環境関連工事、建築事業、機械製造販売、再生可能エネルギー事業など、
幅広い分野にわたっています。
具体的には、地盤の改良や液状化対策、法面補強、構造物修復といった防災・減災工事、
土壌汚染の浄化や地中熱利用、太陽光発電などの環境対応事業、
住宅の基礎補強や地盤改良を行う住宅関連工事、
さらに建設機械の製造・販売、太陽光発電による売電事業なども手掛けています。
特殊技術を活かした地盤・基礎工事に強みを持ち、公共・民間問わず多くのプロジェクトに携わっています。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益 (円) |
一株当り配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単23.1* | 14,709 | 797 | 941 | 613 | 296.6 | 33.3 |
| 単24.1 | 14,571 | 225 | 314 | 212 | 108.0 | 35 |
| 単25.1 | 13,482 | 170 | 244 | 229 | 115.5 | 50 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年1月期 | 191 | -275 | 338 |
| 2024年1月期 | 858 | -343 | -497 |
| 2025年1月期 | 371 | -437 | -217 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均) | PER(安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年1月期 | 5.4% | 7.1% | 5.0% | ― | ― | ― |
| 2024年1月期 | 1.5% | 2.4% | 1.8% | ― | ― | ― |
| 2025年1月期 | 1.2% | 2.5% | 1.9% | 18.9倍 | 11.3倍 | 0.49倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
太洋基礎工業は、特殊土木工事を中心に地盤改良や環境関連工事を行っている会社です。
業績の推移を見ると、2023年1月期の営業利益は7億97百万円、経常利益は9億41百万円、純利益は6億13百万円でしたが、2024年1月期には営業利益2億25百万円、経常利益3億14百万円、純利益2億12百万円と大きく減少しました。2025年1月期も営業利益1億70百万円、経常利益2億44百万円、純利益2億29百万円と低水準にとどまっています。
営業利益率は2023年の5.4%から2025年には1.2%まで下がっており、採算が悪化しています。ROEは7.1%→2.5%、ROAも5.0%→1.9%と資本効率も落ちています。建設業界全体で人件費や資材費が上がっている影響も大きいと考えられます。
一方で、2025年1月期の実績PERは高値平均18.9倍、安値平均11.3倍、PBRは0.49倍と、資産価値に比べて株価はかなり割安な水準にあります。PBRが0.5倍を下回る企業は、一般的に見直し買いが入りやすい水準です。
また、配当は33円→35円→50円と増配しており、株主還元には前向きです。財務体質も安定しており、営業キャッシュフローも黒字を維持しています。
総合的に見ると、現時点では業績の勢いは弱いものの、株価水準は割安であり、配当を目的とした中長期保有には向いています。短期的な値上がりを狙うよりも、資産株として配当を受け取りながら回復を待つスタンスが良いと思われます。
配当目的とかどうなの?
太洋基礎工業は、配当目的の投資先としては比較的良い部類に入ります。
まず、ここ3年の推移を見ると、配当は33円 → 35円 → 50円と着実に増配しています。利益が減少傾向にある中でも増配を続けている点は、経営側の株主還元意識が強いことを示しています。
PBRが0.49倍と資産に対して株価がかなり割安なため、仮に配当が横ばいでも実質的な配当利回りは高めになります。仮に株価が1,000円前後とすると、1株配当50円は配当利回り5%前後となり、これは東証スタンダード銘柄の中でも高水準です。
業績面では営業利益率が1%台と低く、利益成長の余地は限られていますが、安定したキャッシュフローと財務基盤があり、建設・土木の公共案件が多いため、急激な業績悪化リスクは小さいと考えられます。
したがって、短期での株価上昇を狙う銘柄ではありませんが、
「安定した配当収入を得たい」「割安株を保有して長期でじっくり増配を期待したい」
という投資スタイルには非常に相性が良いです。
まとめると、
- 成長株ではないが配当株としては魅力的
- 利回り5%前後と高水準
- 財務安定で減配リスクは低い
- 中長期の資産株・配当目的保有に向いている
という評価になります。
今後の値動き予想!!(5年間)
太洋基礎工業の現在値は2,254円です。
この水準をもとに、今後5年間の株価の値動きを「良い場合」「悪い場合」「中間」の3パターンで予想します。
良い場合(強気シナリオ)
建設需要の増加や公共インフラ工事の拡大、地盤改良・防災関連の受注増によって業績が回復。営業利益率が2~3%台へ戻り、ROEも5%を超えるようになれば、投資家の見直し買いが入ります。
PBRが現在の0.49倍から0.8倍程度まで上昇する可能性があり、株価は3,000~3,200円前後まで上昇する見込みです。安定配当+業績回復で「長期的に上昇トレンド入り」のシナリオです。
中間の場合(横ばいシナリオ)
業績は横ばいで推移し、営業利益率1~2%、ROE3%前後の低水準が続く場合。市場の関心は限定的で、PBR0.5~0.6倍付近で推移。
この場合、株価は2,000~2,500円前後で緩やかに推移し、配当利回り(4~5%)を目的とした保有が中心になります。
配当をもらいながら安定保有する堅実な展開です。
悪い場合(弱気シナリオ)
建設コストの上昇や受注減少が続き、利益率がさらに悪化した場合。営業利益率1%未満、ROE2%以下の状態が続くと、市場の評価は下がり、
PBRが0.4倍程度まで低下する可能性があります。その場合、株価は1,600~1,800円前後まで下落するリスクがあります。
減配や業績悪化が続くようなら注意が必要です。
まとめ
現在の株価2,254円は割安水準にあり、短期では大きな値上がりは期待しにくいですが、
5年単位で見れば配当をもらいながら、業績回復時の株価上昇を待つ長期保有型銘柄としては悪くありません。
この記事の最終更新日:2025年10月28日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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