株価
極東開発工業とは

極東開発工業株式会社は、大阪府大阪市に本社を置くコンクリートポンプ車をはじめとした特装車の総合メーカーである。1955年創業。トラックメーカーから供給される車台に用途別の装置を架装するビジネスモデルを採用しており、国内では特装車分野で高いシェアを持つ。
本社は大阪府大阪市中央区淡路町2丁目5-11 極東開発グループ本社ビル。東京本部は東京都品川区東品川3丁目15-10。工場は横浜工場(神奈川県大和市)、名古屋工場(愛知県小牧市)、三木工場(兵庫県三木市)、福岡工場(福岡県飯塚市)などを展開している。
沿革としては1955年に極東開発機械工業株式会社として設立。1964年にテールゲートリフタ(パワーゲート)を開発。1971年に現社名へ変更。1989年に大阪証券取引所2部、1992年に東京証券取引所2部へ上場し、1995年に1部指定替え。
2007年に日本トレクスを傘下化、2016年にモリプラント、2018年に北陸重機工業をグループ化。2022年に東証プライム市場へ移行。2023年に大阪市中央区へ本社移転。2024年にはオーストラリアの特装車メーカーSTG Global Holdingsをグループ化している。
事業は大きく特装車事業、環境事業、パーキング事業で構成される。特装車事業では、ダンプトラック、散水車、トラックミキサ、コンクリートポンプ車、タンクローリー、ごみ収集車、車両運搬車「フラトップ」、粉粒体運搬車「ジェットパック」、脱着ボディ車「フックロール」「グランデッカー」、荷役補助装置「ムービングデッキ」など多様な製品を展開している。
車両運搬車「フラトップ」は低車高車両の積載に対応できる特徴を持ち、チューニングカー業界などでも利用されている。またトラック後部に装備する荷役用リフト「パワーゲート(テールゲートリフター)」を開発した企業としても知られている。
環境事業では、不燃ごみ・粗大ごみ処理施設、リサイクルプラザ・リサイクルセンター、ごみ固形燃料化施設などを手掛ける。1971年には千葉県松戸市に日本初の粗大・不燃ごみ破砕処理施設を納入しており、廃棄物処理分野でも実績を持つ。主力製品には破砕機などが含まれる。パーキング事業ではコインパーキングの運営や立体駐車装置の提供を行い、ストック型収益として位置付けられている。
子会社には極東開発パーキング、日本トレクス、エフ・イ・テック、エフ・イ・イ、FE-ONE、振興自動車、極東サービスエンジニアリング、極東サービスエンジニアリング北海道、モリプラント、北陸重機工業などがある。全体として、特装車で国内トップクラスの地位を持ちつつ、環境インフラやパーキング事業まで含めた複合型のインフラ関連企業として事業を展開している。
極東開発工業 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 117,170 | 9,080 | 9,253 | 6,774 | 170.5 | 42 |
| 連22.3 | 116,910 | 6,974 | 7,567 | 14,274 | 358.4 | 54 |
| 連23.3 | 113,089 | 991 | 1,187 | 3,580 | 90.9 | 54 |
| 連24.3 | 128,026 | 4,825 | 5,617 | 3,501 | 91.5 | 87 |
| 連25.3 | 140,449 | 6,656 | 6,890 | 5,820 | 151.7 | 158 |
| 連26.3予 | 168,000 | 9,600 | 9,500 | 2,650 | 68.8 | 140 |
| 連27.3予 | 180,000 | 12,100 | 12,000 | 8,100 | 210.3 | 140〜150 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年 | -3,416 | -6,823 | 5,121 |
| 2024年 | -1,845 | -9,482 | -1,496 |
| 2025年 | 5,225 | -15,472 | 11,200 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年 | 0.8% | 3.2% | 2.2% | – | – |
| 2024年 | 3.7% | 2.9% | 2.0% | – | – |
| 2025年 | 4.7% | 5.0% | 3.0% | 15.3〜24.3倍 | 1.20倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は1280億から1404億、1680億予想へと拡大しており事業規模は拡大基調にある。営業利益は48億から66億、96億予想と増益が続いており、経常利益も56億から68億、95億予想と同様に伸びている。営業利益率は0.8%から3.7%、4.7%へと改善しており、収益性は低水準から回復している途中の段階にある。
一方で純利益は35億から58億へ増加した後、26億予想と大きく減少見込みとなっている。営業利益や経常利益が増加している中で純利益だけが落ちる構造になっており、一時要因や特別損益の影響が強い可能性がある。EPSも151円から68円へ低下しており、最終利益ベースでは不安定さが残る。
収益性を見ると営業利益率は4.7%まで回復、ROEは5.0%、ROAは3.0%といずれも改善傾向ではあるが、水準としてはまだ中位以下にとどまる。特装車という設備・景気連動型のビジネスを考えると、まだ高収益体質とは言えない。バリュエーションはPER15.3〜24.3倍、PBR1.2倍となっている。利益水準に対してやや評価が先行している状態で、特にROE5.0%に対してPBR1.2倍は割安感は限定的となる。
全体として、売上と営業利益は拡大しており回復トレンドにあるが、最終利益のブレと収益性の低さが残る。現状は「回復途上の中間的な評価」の状態であり、明確な割安株ではなく、今後の利益成長が継続するかを確認しながら評価される局面にある。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.3、連27.3ともに4.0%と比較的高い水準にあり、インカム目的としては東証平均を上回る魅力のある水準にある。利益と配当の関係を見ると、連25.3は純利益58億に対して配当158円と高水準の還元が行われている。
一方で連26.3予は純利益26億まで減少する見込みにもかかわらず、配当は140円と高水準を維持している。営業利益や経常利益は増加しているため、本業自体は回復しているが、最終利益だけが大きく落ちる構造になっており、その中で配当を維持している点は「安定配当志向」とも取れるが、同時に配当性向はかなり高くなりやすい局面にある。
収益性の観点では営業利益率4.7%、ROE5.0%、ROA3.0%と改善傾向ではあるものの、まだ高収益企業とは言えない水準にとどまる。この状態でPBR1.2倍が付いているため、資本効率に対して株価はやや先行気味であり、「配当込みで評価されている銘柄」という側面が強い。
キャッシュフローを見ると2025年は営業CF52億と黒字化しているが、投資CFは-154億と大きく、設備投資やM&Aなど成長投資を進めている段階にある。財務CFも112億のプラスとなっており、資金調達に依存する局面も見られる。このため、配当は営業CFだけで余裕を持って賄っている状態とは言い切れない。
事業特性として特装車は建設・物流に連動する景気敏感型であり、需要の波が利益に反映されやすい。そのため配当も本質的には「安定配当株」というより「景気循環型の高配当株」という位置づけになる。
まとめると、利回り4.0%は魅力的で配当目的として一定の投資対象にはなるが、利益のブレ・キャッシュフロー・資本効率の水準を踏まえると、長期で安定的に配当を積み上げるタイプというより、業績回復局面に乗った“ややリスクありの高配当銘柄”という評価になる。配当利回りだけで判断するより、今後の利益安定性や投資負担の推移を確認しながら保有する前提の銘柄といえる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価3,435円を基準に今後5年間の値動きを考えると、この会社は特装車という典型的な景気敏感・設備投資関連ビジネスであり、業績は建設投資や物流需要に強く連動する前提になる。足元では売上と営業利益は拡大しており本業は回復局面にあるが、純利益のブレが大きく、収益性もまだ中位水準にとどまっている点が評価の上限を抑えている。
一方で配当利回りは4.0%前後と高く、下値は配当で支えられやすい構造にある。またPBR1.2倍という水準からは、資産株としての強い割安感はなく「配当+回復期待込みの評価」という位置付けになる。
良い場合は、国内の更新需要やインフラ投資、海外展開の拡大が順調に進み、営業利益が継続的に伸びていくシナリオ。営業利益率は5〜7%台まで改善し、ROEも7〜10%近くまで上昇することで資本効率の評価が見直される。この場合、PERは18〜22倍程度まで許容され、EPSが200円〜230円程度まで伸びれば株価は4,200円〜5,200円程度まで上昇余地が出てくる。加えて高配当が維持・増配されれば、配当込みリターンで資金が入りやすく、上昇トレンドが継続する可能性がある。
中間の場合は、売上は拡大するが利益は景気に応じて上下し、営業利益率は4〜5%前後で安定するシナリオ。ROEも5〜6%程度で横ばいとなり、企業評価も大きく変わらない。この場合、PERは14〜18倍程度のレンジで推移し、EPSも140円〜170円程度に収まる。株価は2,900円〜3,900円程度のレンジで上下しながら、配当利回りを意識したボックス圏の動きになりやすい。インカムは得られるがキャピタルゲインは限定的になりやすい。
悪い場合は、建設需要の減速や景気後退の影響を受けて受注が落ち込み、営業利益率が3%以下に低下するシナリオ。純利益の変動がさらに大きくなり、減益や減配懸念が意識される。この場合、ROEは3%前後まで低下し、PERも10〜12倍程度まで切り下げられる可能性がある。EPSが90円〜110円程度まで低下すると、株価は2,000円〜2,600円程度まで下落余地が出てくる。配当が維持できなくなれば、高配当による下支えも弱まり、さらにボラティリティが高まる。
全体としては、回復途上の景気敏感株であり、上方向の余地はあるものの、安定成長株のように一直線で上昇するタイプではない。高配当があることで下値は一定程度限定されるが、利益の安定性が低いため評価レンジは広くなりやすい。結果として、5年間の株価は「配当で支えられつつ、景気局面ごとに上下するレンジ相場になりやすい銘柄」という整理になる。
この記事の最終更新日:2026年2月25日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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