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ソネックの株価動向まとめ 最新決算と今後の株価予想【1768】


株価

ソネックとは

株式会社ソネックは、兵庫県高砂市曽根町に本社を置く総合建設会社です。1944年3月に設立され、資本金は7億2,300万円。東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。代表取締役社長は山本貴弘氏で、従業員数はおよそ170名ほどです。

同社は「建設事業」と「運輸事業」を主軸に展開しています。建設事業では、オフィスビル・工場・病院・福祉施設・学校・住宅などの建築工事をはじめ、河川や道路の改修工事、下水道整備、公園整備など幅広い土木工事を手掛けています。また、設計・施工管理までを自社で一貫して行う体制を強みとしており、官公庁案件から民間企業まで多様な顧客ニーズに対応しています。

さらに、不動産関連事業として、宅地造成、分譲、賃貸などの不動産開発・取引も行っています。地元密着型の企業として、兵庫県を中心に関西圏で安定した受注基盤を築いており、民間建築分野では製造業や物流施設、医療・福祉施設の建設に強みを持っています。

もう一つの柱である運輸事業では、一般貨物自動車運送業や貨物運送取扱業を展開しており、建設資材や機器などの運搬を中心に、グループ内外の物流を支えています。これにより、建設現場から物流までを自社グループで完結できる体制を整えています。

ソネックは創業から80年以上にわたり、「信頼されるものづくり」を経営理念に掲げ、地域社会に根ざした企業活動を続けてきました。建築・土木・不動産・物流をトータルに手掛けることで、地域インフラと暮らしの発展に貢献しており、堅実経営と安定的な収益構造が評価されています。

直近の業績・指標

年度 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2023年3月期 18,039 940 1,003 688 94.3 30
2024年3月期 16,179 249 317 144 19.8 30
2025年3月期 15,196 658 737 500 68.6 30
2026年3月期(予想) 21,100 1,300 1,390 910 124.6 30

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 2,136 -270 -218
2024年3月期 -2,666 -39 -222
2025年3月期 -654 -472 -219

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 PER(倍) PBR(倍) 営業利益率(%) ROE(%) ROA(%)
2023年3月期 5.2 7.9 5.9
2024年3月期 1.5 1.6 1.2
2025年3月期 26.1(高値平均)
22.6(安値平均)
0.81 4.3 5.5 3.8

出典元:四季報オンライン

投資判断

ソネックは、直近3年間の業績と指標をみると、やや波があるものの、2025年3月期にかけて回復基調が鮮明になってきています。

まず、営業利益は2023年3月期に940百万円、2024年3月期に249百万円まで減少しましたが、2025年3月期には658百万円と持ち直しています。経常利益も737百万円、純利益も500百万円と堅調に回復しています。営業利益率も1.5%から4.3%に上昇しており、収益力が着実に戻りつつあると言えます。

ROEは1.6%から5.5%、ROAも1.2%から3.8%へと改善しており、企業としての資本効率が高まっている点は評価できます。まだ十分に高い水準ではありませんが、前年の落ち込みから脱し、経営再建が進んでいることを示す数値です。

PERは高値平均で26.1倍、安値平均で22.6倍とやや高めに見えますが、これは利益回復途上にあるためであり、今後の成長を織り込みつつあるとも考えられます。一方、PBRが0.81倍と1倍を下回っており、株価が純資産価値に対して割安な状態であることを示しています。

総合的に見ると、ソネックは2024年の業績低迷を底に、2025年以降回復軌道に入っている段階です。建設・土木を中心とした堅実な受注基盤を持ち、財務も健全で、PBRが低いことからも下値リスクは限定的とみられます。

したがって、現状は「割安圏にある中小建設株」として中長期的な回復・再評価を狙える銘柄です。短期的な急騰は見込みにくいものの、安定成長と配当(30円維持)を重視する投資家にとっては、じっくり保有する価値があると判断できます。

配当目的とかどうなの?

ソネックは、配当目的の投資としても一定の魅力があります。現在、1株あたりの年間配当は30円で、ここ数年ほぼ安定してこの水準を維持しています。2023年から2025年にかけて業績に多少の波はありましたが、会社としては減配せずに配当を守っており、経営の安定感がうかがえます。

2025年3月期の純利益は500百万円、1株益(EPS)は68.6円と回復しており、配当性向は約44%前後と無理のない範囲に収まっています。財務基盤も比較的健全で、PBRが0.81倍と1倍を下回っていることから、株価は資産価値に対して割安な水準です。これを踏まえると、現在の株価水準での配当利回りはおよそ3%弱と見られ、安定したインカムを狙う投資としては悪くありません。

一方で注意すべき点もあります。2024年には一時的に業績が落ち込み、営業キャッシュフローもマイナスに転じるなど、利益の波が大きい年度もありました。建設業という性質上、景気や公共事業の動向、資材コストの変化に業績が左右されやすく、安定的な増配を続けるタイプの企業とはやや異なります。

総合的に見ると、ソネックは「安定配当を維持している堅実な中小建設株」であり、長期的に保有しながら配当を受け取るには適した銘柄です。ただし、短期的な業績変動やキャッシュフローの悪化には注意が必要で、長期保有前提でゆっくり配当を享受するタイプの投資先といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

ソネックの現在値は1,010円です。ここから5年間の値動きを想定すると、業績の回復や建設需要の動向によって、良い場合・悪い場合・中間の3つの展開が考えられます。

良い場合は、建設需要が堅調に推移し、同社の営業利益率やROEがさらに改善するケースです。受注環境が良化し、利益が安定して増えていけば、株価は1,500円から1,800円程度まで上昇する可能性があります。業績回復とともに投資家からの評価が見直され、PBRが1倍を超えるような展開もあり得ます。

中間の場合は、業績が徐々に回復して安定するものの、成長スピードは緩やかなケースです。建設資材の高止まりや人件費の上昇などが重荷となり、利益率の伸びが限定的になる可能性があります。この場合、株価は1,200円から1,300円程度までの上昇にとどまり、年間で5%前後の穏やかな上昇が続くと考えられます。

悪い場合は、景気の悪化や公共事業の減少、資材費の高騰などで業績が再び低迷するシナリオです。受注環境が悪化し、利益が圧迫されると株価は800円から850円程度まで下落する可能性があります。ROEやROAが低下し、PERも割高感が強まる局面です。

総合的に見ると、ソネックはPBRが0.8倍前後と資産価値に対して割安な水準にあり、下値のリスクは限定的です。配当も安定しており、長期保有を前提にすれば堅実な値上がりと配当収入の両方を狙える銘柄です。短期的な値動きは小さいものの、5年スパンでは安定成長が見込まれるタイプといえます。

この記事の最終更新日:2025年10月29日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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