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レジルとは

レジル株式会社は、東京・千代田区丸の内に本社を構えるエネルギー関連企業で、2024年4月に東京証券取引所グロース市場に上場しました
代表取締役は丹治 保積氏、資本金は約5.75億円です。
同社は主に、マンションなど集合住宅における受変電設備の設置や一括受電代行サービスを中心に、分散型エネルギーシステムや太陽光発電や蓄電池を活用した再生可能エネルギー販売、エネルギーの需給バランスを最適化する DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューション、さらには電力小売事業・電力設備の設計・施工・保守まで含む付随サービスを展開しています。
グループは関連子会社とともに、集合住宅・商業施設などを対象に再エネ中心の電力供給、エネルギーマネジメント、配電設備の保守や運用支援といった事業を手掛け、エネルギーDX事業も成長領域と位置づけています。
業績面では、まだ上場から日が浅く、成長段階にありますが、再生可能エネルギーやスマート電力ソリューションというテーマ性も強く、技術革新・環境規制の追い風も見込めるビジネスモデルです。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年6月期 | 48,867 | 1,636 | 1,972 | 1,344 | 73.9 | 22 |
| 2024年6月期 | 38,709 | 2,793 | 2,769 | 1,986 | 108.9 | 43(記念配当含む) |
| 2025年6月期 | 46,647 | 3,217 | 3,178 | 2,234 | 119.0 | 36 |
| 2026年6月期(予想) | 57,300 | 3,820 | 3,720 | 2,610 | 136.6 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年6月期 | 3,136 | -2,120 | -1,158 |
| 2024年6月期 | 3,798 | -643 | -595 |
| 2025年6月期 | 3,438 | -10,327 | 6,423 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | PER(倍) | PBR(倍) | 営業利益率(%) | ROE(%) | ROA(%) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年6月期 | ― | ― | 3.3 | ― | 8.9 |
| 2024年6月期 | ― | ― | 7.2 | 23.9 | 11.3 |
| 2025年6月期 | 18.9(高値平均) 9.5(安値平均) |
5.12 | 6.8 | 21.9 | 8.2 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
レジルは、再生可能エネルギーや電力マネジメント事業を中心に成長している新興企業であり、数字面を見ると高い収益性と成長力を兼ね備えたグロース株として評価できます。
まず、営業利益は2023年6月期の1,636百万円から、2024年に2,793百万円、2025年には3,217百万円へと右肩上がりに増加しています。営業利益率も3.3% → 7.2% → 6.8%と推移しており、利益率の水準は安定して高い部類です。電力小売・再エネ関連事業としては効率性が高く、コスト構造の改善が進んでいることが分かります。
経常利益・純利益も順調に拡大しており、2025年の純利益は2,234百万円と前年よりも約12%増。EPS(1株益)も119円に上昇しています。これによりROE(自己資本利益率)は21.9%、ROA(総資産利益率)は8.2%と非常に高水準で、資本効率の高さが際立っています。20%を超えるROEは成長株として理想的な水準であり、経営資源を効率的に活用している証拠です。
PERは高値平均で18.9倍、安値平均で9.5倍、PBRは5.12倍とやや高めですが、これは同社が「成長期待の高いエネルギーDX企業」として市場からプレミアム評価を受けているためです。PBRが高いこと自体は、投資家が将来の利益拡大を織り込んでいる証でもあります。
総合的に見て、レジルは利益成長が続いており、財務面・効率面ともに優秀な成長株といえます。営業CFも安定してプラスであり、積極投資による将来成長も期待できます。
したがって投資判断としては、「短期的な値動きよりも中長期での成長を狙う銘柄」といえます。再エネ関連というテーマ性、ROE20%超の高い資本効率、そして利益率の高さを考慮すると、成長期待で中長期保有に向く有望銘柄です。
一方でPBRが高く株価水準はやや割高気味なため、調整局面や押し目での購入がより理想的なタイミングになるでしょう。
配当目的とかどうなの?
レジルは、配当目的の投資にはあまり向いていない銘柄です。
直近の実績を見ると、2023年に22円、2024年には記念配当を含めて43円を出しましたが、2025年は36円、そして2026年の予想では0円(無配)となっています。これは、一時的に成長投資を優先しており、再生可能エネルギーや新規設備などへの資金投入を重視しているためです。
営業キャッシュフローは安定してプラスですが、2025年には投資キャッシュフローが-103億円と大幅なマイナスになっており、事業拡大に積極的に資金を回している段階にあります。そのため、利益が出ていても株主還元よりも成長投資を優先する姿勢が明確です。
また、PBRが5倍を超えており、配当よりも成長期待による株価上昇で評価されている「グロース株」といえます。高ROE(21.9%)を維持しているため、内部留保を活用してさらなる成長を狙うフェーズにあります。
総合的に見ると、レジルは配当金を目的に保有するタイプではなく、将来的な事業成長や株価上昇を期待する中長期の成長投資向け銘柄です。安定した配当を重視する投資家には向きませんが、業績の拡大と再エネ事業の拡張によって、将来的に配当を再開・増加させる可能性は十分にあります。
今後の値動き予想!!(5年間)
レジルの現在値は2,728円です。ここから今後5年間の値動きを想定すると、事業拡大のスピードや再生可能エネルギー市場の環境によって、良い場合・中間・悪い場合の3つのシナリオが考えられます。
良い場合は、再エネ関連需要が引き続き拡大し、同社の主力である電力マネジメントやエネルギーDX事業が大きく成長するパターンです。売上・利益ともに過去最高を更新し続け、ROEやROAも高水準を維持できれば、投資家の成長期待がさらに高まり、株価は5年後に4,500円から5,500円程度まで上昇する可能性があります。EPSの増加や新規プロジェクトの拡大により、時価総額が一段と拡大するシナリオです。
中間の場合は、成長は継続するものの、投資負担や競争環境の影響で利益率の伸びがやや鈍化するケースです。営業利益率は6〜7%程度を維持しながらも、投資回収に時間を要する展開になります。この場合、株価は3,000円から3,400円程度のレンジで推移し、ゆるやかな右肩上がりが続くと見られます。成長銘柄として一定の評価は受けつつも、過度な期待は抑えられる現実的なシナリオです。
悪い場合は、再生可能エネルギー関連の規制変更や競合増加、設備投資の負担増によって業績が伸び悩むパターンです。利益が一時的に減少し、投資家の期待が剥落すると株価は2,000円から2,200円前後まで下落する可能性があります。PERやPBRも低下し、成長株としての評価が一時的に後退する状況です。
総合的に見ると、レジルは高ROE・高ROAを維持しており、長期的には成長期待が高い企業です。短期的な株価変動はあっても、再エネ関連やエネルギーDX分野の成長余地を考えると、5年スパンでは上昇トレンドを描く可能性が高い銘柄です。中長期保有で企業の拡大とともに株価上昇を狙う投資に向いているといえます。
この記事の最終更新日:2025年10月29日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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