株価
コージンバイオとは

コージンバイオ株式会社は、東京都に本社を置くバイオ関連メーカーです。東証グロース市場に上場しており、業種は化学・バイオテクノロジー分野に分類されます。発行済株式数は約511万株です。
主な事業内容は、細菌検査や医療現場で使用される培地の製造・販売を中心としています。具体的には、細菌検査用培地、体外診断用医薬品、細胞培養用培地などを開発・製造・販売しており、医療機関、研究機関、製薬会社などに幅広く供給しています。
また、同社は細胞加工受託業務(CPC業務)にも力を入れており、オーダーメイド製品や特注培地の製造など、高度なバイオ技術を活かした受託事業を展開しています。これにより、再生医療・創薬支援分野での研究開発を支える存在となっています。
さらに、食品衛生分野や臨床検査分野における微生物検査製品、診断薬、免疫関連製品の開発にも取り組んでおり、医療・食品・研究の3分野で事業を展開するバイオ専門企業です。食中毒対策や感染症検査など、社会的なニーズが高まる領域にも積極的に参入しています。
コージンバイオは、国内市場における細菌培地・検査用製品のリーディングカンパニーの一つであり、再生医療や創薬など今後成長が期待されるライフサイエンス分野でも事業を拡大しています。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 当期純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
| 2023年3月期 | 4,742 | 1,267 | 1,244 | 829 | 199.2 | 19 |
| 2024年3月期 | 4,770 | 596 | 635 | 384 | 92.4 | 14 |
| 2025年3月期 | 5,206 | 991 | 1,065 | 794 | 157.6 | 24 |
| 2026年3月期(予想) | 5,680 | 1,070 | 1,140 | 820 | 160.4 | 25 |
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
| 2023年3月期 | 461 | -575 | -172 |
| 2024年3月期 | 823 | -577 | -1 |
| 2025年3月期 | 915 | -1,090 | 1,376 |
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
| 2023年3月期 | 26.7% | ― | 13.5% | ― | ― |
| 2024年3月期 | 12.4% | 11.4% | 5.8% | ― | ― |
| 2025年3月期 | 19.0% | 13.7% | 8.7% | 実績PER:高値平均 19.5倍/安値平均 8.1倍 | 実績PBR:1.35倍 |
投資判断
コージンバイオは、細菌検査用培地や体外診断薬、細胞培養用培地の製造を行うバイオ関連企業で、再生医療・創薬支援などの成長分野にも関わっています。
業績の推移を見ると、2023年3月期の営業利益は12億円、経常利益12億円、純利益8億円と非常に高水準でしたが、2024年は一時的な利益調整により営業利益6億円、純利益3億円台に落ち込みました。しかし、2025年には再び営業利益9億円、経常利益10億円、純利益7億円台へと回復しています。売上も5,206百万円と過去最高を更新しており、利益回復基調が明確です。
営業利益率を見ると、26.7% → 12.4% → 19.0%と一度落ち込んだ後に再上昇しており、事業効率の改善が進んでいることが分かります。
ROEも2024年11.4% → 2025年13.7%、ROAも5.8% → 8.7%と順調に上昇しており、資本効率の高い経営に戻ってきています。
また、2025年実績PERは高値平均19.5倍・安値平均8.1倍、PBRは1.35倍となっています。PER19倍台はやや高めに見えますが、バイオ関連銘柄としては妥当な水準で、PBR1.35倍というのも成長株として適正範囲にあります。ROEが13%台に乗っていることを考慮すれば、利益成長を織り込みながらもまだ割高ではないと言えます。
総合的に見ると、コージンバイオは2024年の一時的な減益を乗り越え、利益率・ROEともに改善しており、再び成長軌道に戻りつつあります。
営業利益率が20%近く、ROEが13%を超えている点から見ても、バイオ業界ではかなり高収益の部類に入ります。
配当目的とかどうなの?
この会社の配当の推移を見ると、2023年が19円、2024年が14円、2025年が24円、そして2026年は25円を予定しています。
一時的に2024年で減配したように見えますが、これは利益の調整期によるものであり、2025年にはしっかりと増配に転じています。
つまり、配当を安易に減らす方針ではなく、利益に合わせてバランス良く増減させる堅実な配当方針を取っています。
2025年3月期の配当24円を基準にすると、現在の株価が仮に1,600円前後の場合、**配当利回りは約1.5%**程度です。
利回りとしては特別高くはありませんが、利益成長が続けば将来的な増配余地は大きく、安定的に配当を受け取れる銘柄といえます。
また、コージンバイオはキャッシュフローが安定しており、営業キャッシュフローが毎年プラスで推移している点も評価できます。
財務体質も良好で、有利子負債が少なく、配当を支える体力は十分にあります。
ROEが13.7%、ROAが8.7%と収益力が高いため、今後も業績とともに配当水準を上げていく可能性が高いでしょう。
今後の値動き予想!!(5年間)
コージンバイオ(177A)の現在株価は1,507円です。
この株価を基準に、今後5年間の値動きを「良い場合」「中間」「悪い場合」で予想します。
【良い場合】
会社の業績が順調に拡大し、営業利益率が20%前後、ROEが15%前後まで上昇していくケースです。
再生医療や細胞培養などの需要拡大が追い風となり、売上・利益ともに安定成長を続けます。
市場の評価も高まり、PERが20倍程度まで上昇した場合、1株益(EPS)160円前後として計算すると、
株価は約3,000円〜3,500円程度まで上昇する可能性があります。
この場合、配当も25円以上を維持または増配が期待でき、業績・配当の両面で理想的な成長シナリオです。
【中間の場合】
業績は堅調に推移するものの、急成長ではなく安定成長にとどまるケースです。
営業利益率は15〜18%、ROEは10〜12%前後を維持し、配当は25円程度で安定。
市場評価も現状水準のPER15倍前後で推移した場合、株価は2,200円〜2,600円前後が妥当と考えられます。
このシナリオでは、大きな値上がりは見込みにくいものの、安定して配当を受け取りながら保有するのに向いています。
【悪い場合】
業績が横ばいまたは減少し、営業利益率が10%を下回るような状況になるケースです。
研究開発費や設備投資の増加で利益が圧迫され、ROEも5〜8%、ROAも3〜5%程度まで低下します。
この場合、PERは10倍前後まで下がり、EPSが120円程度まで落ちると、
株価は1,100円〜1,400円前後まで下落する可能性があります。
配当も維持はされるものの、増配は難しく、成長株としての魅力が薄れる展開です。
【まとめ】
コージンバイオの5年後の株価は、
- 良い場合:3,000〜3,500円
- 中間の場合:2,200〜2,600円
- 悪い場合:1,100〜1,400円
のレンジで推移する可能性があります。
全体としては、業績の安定性と利益率の高さを考えると、中長期でじっくりと配当と株価上昇を狙える堅実な成長株といえます。
この記事の最終更新日:2025年10月30日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す