株価
丸文とは

丸文株式会社は、東京都中央区に本社を置く半導体・電子機器を取り扱うエレクトロニクス商社である。東京証券取引所プライム市場に上場しており、半導体、産業機器、医用機器、情報通信機器などの先端エレクトロニクス製品を取り扱う専門商社として事業を展開している。
創業は1844年と非常に歴史が古く、もともとは呉服問屋「堀越」(屋号「丸文」)として創業し、その後生糸輸出や洋反物輸入などを経て、戦後に現在のエレクトロニクス商社としての事業へと発展した。
1947年に丸文株式会社として設立され、機械器具や日用雑貨の販売からスタートしたが、その後電子機器や半導体分野へ事業を拡大した。1950年代には米国企業と代理店契約を結び、海外製電子機器や計測機器の輸入販売を開始。
1958年にはテキサス・インスツルメンツ社の半導体の取り扱いを開始し、日本国内における半導体流通の黎明期から事業に関わってきた企業である。1960年代以降は宇宙・航空関連機器やレーザー機器などの分野にも進出し、日本の先端技術分野の発展とともに事業領域を拡大してきた。
現在の事業は主にデバイス事業、システム事業、アントレプレナ事業の3つの分野で構成されている。デバイス事業では半導体や電子部品のディストリビューションを行っており、国内外の半導体メーカー製品を電機メーカーや電子機器メーカーなどへ供給している。電子部品の販売だけでなく、設計支援や技術サポートなども行うことで付加価値の高いサービスを提供している。
システム事業では電子機器や各種システム製品の販売および保守サービスを行っている。産業機器、医用機器、情報通信機器などの分野で機器販売だけでなく、設置やメンテナンスなどの技術サポートも含めた総合的なサービスを提供している。航空宇宙関連機器や計測機器などの取り扱いもあり、研究機関や官公庁、企業など幅広い顧客に製品を提供している。
アントレプレナ事業では先端技術を活用したソリューションの開発や販売を行っており、IoTやAI関連分野など新しい技術領域にも対応している。コンサルテーションから設計開発支援、機器の据え付け、保守メンテナンスまで一貫した技術サポートを提供する点が同社の強みとなっている。
海外展開にも積極的で、米国のArrow Electronics社との合弁事業を通じてグローバルに事業を展開している。アジアや欧米にも拠点を持ち、海外メーカーの製品を日本市場へ供給するとともに、日本企業の海外展開も支援している。
グループ企業には丸文通商株式会社、丸文ウエスト株式会社、株式会社フォーサイトテクノなどがあり、それぞれ専門分野で事業を展開している。丸文通商は医療機器や分析機器分野、丸文ウエストは西日本地域の営業拠点、フォーサイトテクノは技術サービスなどを担っている。
企業理念として「テクノロジーで、よりよい未来の実現に貢献する」という丸文パーパスを掲げており、独自の価値を提供するオンリーワンのエレクトロニクス商社として信頼される存在を目指している。誠実で透明な経営、社会との調和、環境保全への貢献、人権の尊重などを企業価値の基盤としながら、エレクトロニクス分野で技術とサービスを提供する企業として成長を続けている。
丸文 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 289,283 | 1,023 | 33 | -2,133 | -81.6 | 16 |
| 連22.3 | 167,794 | 5,994 | 4,106 | 2,437 | 93.3 | 30 |
| 連23.3 | 226,171 | 10,997 | 7,909 | 5,201 | 199.0 | 80 |
| 連24.3 | 236,490 | 12,984 | 5,627 | 3,401 | 130.1 | 52 |
| 連25.3 | 210,837 | 8,958 | 6,344 | 4,272 | 163.3 | 66 |
| 連26.3予 | 212,000 | 7,200 | 5,200 | 3,100 | 118.1 | 50 |
| 連27.3予 | 220,000 | 8,000 | 6,000 | 3,300 | 125.7 | 50〜55 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -18,981 | -326 | 14,071 |
| 2024 | 22,694 | -1,424 | -20,050 |
| 2025 | 18,617 | -2,146 | -16,405 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.8% | 10.8% | 2.9% | – | – |
| 2024 | 5.4% | 6.7% | 1.9% | – | – |
| 2025 | 4.2% | 7.8% | 2.9% | 5.6〜10.5倍 | 0.55倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は2364億円から2108億円、2120億円予想と直近ではやや減収となっており、事業規模は大きく伸びているわけではなく横ばいに近い推移になっている。営業利益は129億円から89億円、72億円予想と減益傾向で推移しており、本業の収益力はやや弱含んでいる状態である。一方で経常利益は56億円から63億円、52億円予想、純利益は34億円から42億円、31億円予想と年度によって変動があり、利益の安定性はそれほど高いとは言えない。
収益性を見ると営業利益率は4.8%から5.4%、4.2%とやや低下しており、利益率の改善が続いている状況ではない。ROEも10.8%から6.7%、7.8%と低下しており、資本効率は以前より弱くなっている。ROAは2.9%、1.9%、2.9%と低水準で推移しており、資産効率も高いとは言いにくい。
一方で株価評価を見ると、2025年の実績PERは安値平均5.6倍から高値平均10.5倍のレンジで推移しており、日本株の平均と比べても低い水準にある。PBRも0.5倍程度と1倍を大きく下回っており、株価は資産価値よりも低い水準で評価されている状態である。
総合的に見ると、この会社は売上規模は2000億円規模と大きいものの、営業利益は減少傾向で収益性もやや弱く、成長企業というより景気や半導体市況などの影響を受けやすい循環型の企業といえる。一方でPER5.6倍から10.5倍、PBR0.5倍と株価評価はかなり低いため、業績が安定すれば割安株として見直される余地はある。投資判断としては「成長性は弱いが株価は割安」というタイプの銘柄と整理できる。
配当目的とかどうなの?
配当目的で見ると、この会社は比較的魅力のある銘柄といえる。予想配当利回りは連26.3、連27.3ともに4.38%と高水準で、日本株全体の平均利回りである2%前後と比べてもかなり高い。配当収入を重視する投資では十分検討対象になる水準である。
利益規模を見ると純利益は34億円から42億円、31億円予想と安定して黒字を維持しており、配当を出せるだけの利益水準は確保されている。営業利益は129億円から89億円、72億円予想と減少傾向にあるものの、依然として一定の利益は確保しており、直ちに配当が大きく減るような状況ではない。
また株価評価を見るとPERは5.6倍から10.5倍、PBRは0.5倍とかなり低い水準にあり、株価自体が割安圏にある。そのため配当利回りが高く見えやすい構造でもあるが、逆に言えば株価の下値は比較的限定されやすい面もある。資産価値に対して株価が低い状態であるため、業績が大きく悪化しない限り大幅な下落リスクは比較的小さいと考えられる。
ただし注意点としては、営業利益率が4.8%から5.4%、4.2%とやや低下しており、ROEも10.8%から6.7%、7.8%と資本効率は以前より弱くなっている点である。成長企業というより、半導体や電子部品の市況に影響を受けやすい景気循環型の企業であるため、業績が好不況に左右されやすい特徴がある。
まとめると、この会社は売上2000億円規模のエレクトロニクス商社であり、成長性はそれほど高くないものの、配当利回り4%台という高配当水準とPBR0.5倍という割安さが特徴の銘柄である。大きな株価成長を狙う銘柄ではないが、株価の割安さと高配当を背景に配当を受け取りながら保有するインカム目的の銘柄としては比較的検討しやすいタイプの銘柄といえる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,139円で見ると、この会社は半導体や電子部品を扱うエレクトロニクス商社であり、売上は2000億円規模の企業である。直近では売上が2364億円から2108億円、2120億円予想と横ばいに近い推移となっており、事業規模は大きく拡大しているわけではない。
一方で営業利益は129億円から89億円、72億円予想と減少しており、半導体や電子部品市況の影響を受けやすい景気循環型の収益構造となっている。営業利益率は4.8%から5.4%、4.2%とやや低下しており、ROEも10.8%から6.7%、7.8%と資本効率はやや弱い。
良い場合は、半導体や電子部品の需要回復により売上が2400億円から2600億円規模まで拡大し、営業利益も100億円前後まで回復するケースである。電子部品市況が改善し利益率も5%台後半まで回復すれば、ROEも10%前後まで戻る可能性がある。現在は割安評価であるため、市場評価が見直されPERが12倍から14倍程度まで上昇する可能性がある。その場合、株価は1,600円から1,900円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が2100億円から2300億円程度で推移し、営業利益も70億円から90億円程度で安定するケースである。半導体関連の景気循環の影響はあるものの大きく悪化もしない状態である。PERも現在と近い7倍から10倍程度で推移する可能性が高く、株価は大きく上昇することも大きく下落することもなく、1,000円から1,300円程度のレンジで比較的安定した値動きになる可能性がある。
悪い場合は、半導体市況の悪化や設備投資の減少により売上が2000億円前後まで低下し、営業利益も50億円前後まで落ち込むケースである。営業利益率も3%台まで低下し、ROEも5%前後まで下がる可能性がある。その場合、市場評価も低下しPERが5倍から6倍程度まで下がる可能性があり、株価は700円から900円程度まで下落する可能性が考えられる。
まとめると、この会社は半導体や電子部品市況の影響を受ける循環型企業であるが、株価はすでに割安水準にあり配当利回りも高い。5年間の株価イメージとしては、良い場合1,600円から1,900円、中間の場合1,000円から1,300円、悪い場合700円から900円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら比較的割安株として保有されやすい銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月9日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す