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ヤマウラ(1780)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想【2025年版】


株価

ヤマウラとは

株式会社ヤマウラ(証券コード:1780)は、長野県駒ヶ根市北町22-1に本社を置く建設会社です。1960年8月30日設立、東京証券取引所プライム市場および名古屋証券取引所プレミア市場に上場しています。決算期は3月末、単元株数は100株です。

事業は「建設事業」「エンジニアリング事業」「開発等(首都圏事業を含む)」の3区分で展開しており、連結事業構成は建設80%、エンジニアリング11%、開発等8%(いずれも2025年3月期、括弧内は利益率の参考数値)です。特色として、長野県内の建築・土木を中心に民間比率が高く、産業設備などのエンジニアリングや首都圏でのマンション開発にも取り組んでいます。

建設事業では、一般建築・工場・商業施設・公共施設の新築・改修に加え、一般土木、橋梁、ダム・河川、スノーシェルター、舗装、造園、水道といった多様な土木工事を手掛けます。提案型の一貫体制(営業・技術・施工の連携)を打ち出している点も特徴です。

エンジニアリング事業では、制御監視や水処理などのシステムを中心に、エネルギー・環境分野のソリューションを提供しています(産業向け設備の設計・製作にも対応)。

開発・首都圏事業では、不動産ソリューション(戸建・ビル・マンションの開発、投資用ワンルーム等)を首都圏で展開し、分譲や賃貸の企画からコンサルティングまで行います。また、自社企画の賃貸マンション「ブレインマンション」についてはフランチャイズ方式で全国展開しています。

人材投資や人的資本方針など、経営方針・中期的な取り組みは決算説明資料等で公表されており、「人的資本のKPI整備」「教育研修の充実」「DE&I推進」などが掲げられています。

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株配当(円)
2023年3月期(連) 31,381 3,076 1,965 744 39.4 5
2024年3月期(連) 37,546 4,327 4,150 2,976 157.2 10
2025年3月期(連) 35,613 3,891 3,968 3,002 158.6 24
2026年3月期(予) 38,600 4,170 4,720 3,130 164.9 26

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業キャッシュフロー(百万円) 投資キャッシュフロー(百万円) 財務キャッシュフロー(百万円)
2023年3月期 6,229 -242 -94
2024年3月期 4,885 -639 -94
2025年3月期 79 -606 -283

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA
2023年3月期 9.8% 4.3% 2.8%
2024年3月期 11.5% 14.5% 9.3%
2025年3月期 10.9% 12.9% 9.7%

指標(2025年実績) 数値
PER(高値平均) 16.5倍
PER(安値平均) 12.2倍
PBR(実績) 1.12倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社ヤマウラは、ここ3年間で業績を大きく伸ばしている安定成長型の建設・開発企業です。
2023年から2025年にかけて営業利益は3,076百万円→4,327百万円→3,891百万円、経常利益は1,965百万円→4,150百万円→3,968百万円と推移し、純利益も744百万円から3,002百万円へと約4倍に増加しています。営業利益率も9.8%→11.5%→10.9%と安定しており、建設業の中では高水準を維持しています。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均で16.5倍、安値平均で12.2倍、PBRは1.12倍です。いずれも建設業界平均と比べて割高ではなく、むしろ適正からやや割安な水準といえます。ROEは12.9%、ROAは9.7%と高く、自己資本や資産を効率的に利益へ変換できている点も評価できます。

一方で、キャッシュフロー面ではやや注意が必要です。営業キャッシュフローは2023年に6,229百万円あったものが2025年には79百万円まで減少しており、仕掛かり案件や在庫、回収タイミングの影響が出ている可能性があります。ただし、営業利益自体は安定しており、資金繰りの懸念は限定的です。

総合的に見ると、ヤマウラは安定した業績・高い利益率・効率的な経営を実現している企業で、株価指標も妥当水準です。配当も年々増加しており、2023年5円→2024年10円→2025年24円→2026年予想26円と上昇しています。

このことから、ヤマウラは中長期での安定成長と配当の両立を狙える「やや買い」評価の銘柄といえます。短期的な値動きよりも、3〜5年単位での保有を前提にじっくりと利益を狙うタイプの投資先として適しています。

配当目的とかどうなの?

株式会社ヤマウラは、配当目的の投資先としても十分魅力がある銘柄です。

まず注目すべきは、配当金の推移です。
2023年3月期は5円、2024年は10円、2025年は24円と3年で約5倍に増配しています。さらに2026年は26円が予想されており、今後も増配基調を維持する見通しです。

この背景には、業績の安定化と利益水準の上昇があります。純利益は3年間で744百万円→3,002百万円へと大幅に伸びており、営業利益率も10%前後を維持。利益が安定して出ているため、無理のない配当政策が可能になっています。

PBRが1.12倍と高すぎず、ROEも12.9%と資本効率が良好な点からも、株主還元に前向きな姿勢が読み取れます。特に地方建設会社としては珍しく、安定した配当と成長の両立を目指す経営が行われています。

また、ヤマウラは毎年のように「配当+業績成長」を意識した経営を打ち出しており、将来的にも減配リスクは低めと考えられます。

総合すると、ヤマウラは「高配当株」とまでは言えないものの、

  • 配当の伸びが急速で、
  • 利益に裏付けされた増配であり、
  • 業績も安定している

という点から、中長期の配当目的投資にも適した優良銘柄といえます。

短期の利回りよりも、「今後の増配を狙うタイプの配当成長株」として保有するのが良いでしょう。


今後の値動き予想!!(5年間)

現在の株価1,407円を基準に、ヤマウラの今後5年間の値動きを3つのシナリオで予想します。

良い場合(業績拡大・配当増が継続する場合)
ヤマウラはROE・ROAともに高く、配当も年々増加しています。建設・開発事業が堅調に伸び、首都圏開発の利益が安定して続く場合、株価は上昇基調を維持する可能性があります。5年後には現在の1,407円から約2,800〜3,000円前後まで上昇する展開が考えられます。増配が続けば株主還元の評価も高まり、株価は長期的に倍化する可能性があります。

中間の場合(業績横ばい・堅調維持)
建設業の特性上、景気変動や資材コストに左右される面がありますが、堅実な受注と効率経営を継続できれば、業績は安定する見込みです。
この場合、株価は大きく上昇はしないものの、1,500〜1,900円前後で推移し、配当を受け取りながら安定保有できる展開となるでしょう。

悪い場合(受注減・利益率低下など)
資材価格の上昇や公共工事の減少などで利益率が下がる場合、ROE・ROAも低下します。営業キャッシュフローの減少が続けば、投資家の警戒感が強まり株価は下落傾向となります。この場合、1,000〜1,200円前後まで下がる可能性もあります。ただし財務体質が良いため、急落よりも緩やかな調整となる可能性が高いです。

総合すると、ヤマウラは「堅実な成長株」として配当・業績ともに安定しており、中長期的に保有しながら増配と株価上昇を狙える銘柄です。

この記事の最終更新日:2025年10月30日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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