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オーハシテクニカとは

株式会社オーハシテクニカは、独立系の自動車部品メーカーとして自動車関連部品の製造・販売および加工技術開発を中心に事業を展開する企業である。本社は東京都港区虎ノ門四丁目のヒューリック神谷町ビルに置かれている。
1951年に創業者の大橋吉夫がボルトやナットなど締結部品の販売業として個人創業したことが始まりで、その後1953年に大橋商事株式会社として法人化された。1970年代以降は顧客仕様の特殊部品を主力商品とし、自動車メーカーやその協力企業向けに納入を開始したことで事業領域を拡大してきた。
同社は自動車関連部品を設計開発から製造・販売まで一貫して手掛けるグローバルサプライヤーとして事業を展開しており、現在では約2万点に及ぶ自動車関連部品を取り扱っている。主要取引先にはトヨタ自動車、本田技研工業、日産自動車、SUBARU、三菱自動車、スズキ、日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックス、ヤマハ発動機など国内主要メーカーが並び、自動車産業のサプライチェーンの中で重要な役割を担っている。
事業の特徴は「ファクトリー機能」「ファブレス機能」「技術開発機能」という三つの柱を組み合わせた独自のビジネスモデルにある。ファクトリー機能では日本・米国・中国・タイなどに生産拠点を展開し、子会社の加工場をマザー工場として海外生産を支援する体制を構築している。現地生産化を進める顧客に対応することで、グローバル供給体制を強化している点が強みである。
ファブレス機能では約300社に及ぶ協力企業ネットワークを組織化し、鍛造加工、圧造加工、プレス加工、切削研削加工、樹脂成形など幅広い精密加工分野に対応できる調達力を確保している。これにより顧客ニーズに応じた最適な部品供給が可能となり、コスト削減や品質向上にも寄与している。また物流業務や輸出入業務も手掛けており、部品供給の効率化と安定供給を実現している。
技術開発機能では独自技術の開発にも積極的で、代表的なものに圧入プロジェクション接合法と呼ばれる溶接技術がある。この技術は固相拡散接合を応用したもので、接合強度の向上や製造工程の簡素化による低コスト化を実現できる点が特徴であり、自動車のトランスミッションやエンジン制御装置部品などで広く採用されている。
国内特許も多数取得しており、技術力の高さが同社の競争力を支えている。さらに携帯電話用部品や家電・産業機械向け精密部品などにも事業領域を広げており、グローバル展開と技術開発力を軸に事業基盤の強化を進めている企業である。
直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 29,782 | 2,105 | 2,281 | 1,540 | 106.1 | 52 |
| 連22.3 | 32,545 | 2,272 | 2,536 | 1,791 | 127.2 | 57 |
| 連23.3 | 34,974 | 2,061 | 2,396 | 1,283 | 95.0 | 57 |
| 連24.3 | 39,212 | 1,641 | 1,992 | 1,006 | 75.1 | 60 |
| 連25.3 | 40,017 | 1,782 | 2,362 | 1,522 | 116.0 | 68 |
| 連26.3予 | 39,500 | 1,950 | 2,400 | 2,030 | 158.7 | 74 |
| 連27.3予 | 41,000 | 2,100 | 2,550 | 1,700 | 132.9 | 74 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 601 | -734 | -1,314 |
| 2024 | 2,654 | -5,546 | -1,362 |
| 2025 | 2,761 | -1,383 | -1,568 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 5.8% | 2.9% | 3.6% | ― | ― |
| 2024 | 4.1% | 2.1% | 2.7% | ― | ― |
| 2025 | 4.4% | 3.1% | 3.8% | 15.4~20.3 | 0.75 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
オーハシテクニカは売上が392億円→400億円→395億円予想→410億円予想と横ばい圏ながらも安定した規模を維持しており、急成長ではないが堅実な事業基盤を持つ企業といえる。営業利益は16億円→17億円→19億円予想→21億円予想と緩やかな増益傾向にあり、収益は景気の影響を受けながらも回復基調にある。
営業利益率は5.8%→4.1%→4.4%と一度低下した後にやや持ち直しており、中位水準の収益性を維持している。ROEは3.6%→2.7%→3.8%と低位で推移しており、資本効率は高い企業とは言えないが、安定企業としては一定の水準を保っている。ROAも2.9%→2.1%→3.1%と低めではあるが回復傾向にあり、資産効率は徐々に改善している。
純利益は10億円→15億円→20億円予想と増益基調で、収益体質はやや強化されている。経常利益も19億円→23億円→24億円予想→25億円予想と緩やかに拡大しており、安定した利益創出力がある企業といえる。
一方でバリュエーションを見るとPERは15.4倍〜20.3倍と市場平均並みからやや高めの水準であり、成長株としての評価は受けていないが極端な割安感もない。PBRは0.7倍と1倍を下回っており、資産面から見れば一定の割安感は存在する。
総合的に見ると、この会社は売上成長力は強くないが利益は安定しており、低PBRの安定株タイプの銘柄と評価できる。資本効率の低さが株価上昇の制約になりやすい一方で、大きな業績悪化リスクも比較的小さいと考えられるため、投資判断としては大きな値上がり益を狙う銘柄というより、配当を受け取りながら緩やかな株価上昇を期待する中立〜やや前向き評価の銘柄といえる。
配当目的とかどうなの?
オーハシテクニカは配当目的で見ると、中配当で安定性のある銘柄として一定の魅力がある。予想配当利回りは2026年3月期・2027年3月期ともに3.20%と、市場平均を上回る水準であり、インカム狙いの投資対象としては検討しやすい水準にある。特に配当額は52円→57円→60円→68円→74円予想と中長期で増配傾向にあり、株主還元姿勢は比較的前向きといえる。
業績面では売上は400億円前後で安定し、営業利益も16億円→17億円→19億円予想→21億円予想と緩やかな回復が続いている。営業利益率も4%台で推移しており、急成長企業ではないものの収益基盤は一定の安定性がある。純利益も10億円→15億円→20億円予想と回復基調にあり、配当の継続性という観点では安心感がある水準と考えられる。
またPBRは0.7倍と1倍を下回る割安圏にあり、資産面から見た下値余地は比較的限定的と考えられる点も配当投資では重要なポイントになる。株価が大きく上昇しにくい一方で、大きく下落しにくい性格を持つため、トータルリターンの中で配当の占める割合が高くなりやすい銘柄といえる。
一方でROEは3%台と低く、資本効率は高い企業とは言えないため、将来的な大幅増配や株価の急騰を期待するタイプの銘柄ではない。自動車業界の生産動向に業績が左右されやすい点もリスク要因となるが、取引先が大手メーカー中心であるため急激な業績悪化の可能性は比較的低い。
総合すると、オーハシテクニカは高配当株とまでは言えないものの、3%台の安定配当と割安なPBRを背景に中長期で保有しやすい銘柄といえる。値上がり益を大きく狙うというより、配当収入を積み上げながら緩やかな株価上昇を期待するインカム重視の投資スタイルに向いている企業と考えられる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,153円で見ると、オーハシテクニカは売上が400億円前後で安定し、営業利益も16億円→17億円→19億円予想→21億円予想と緩やかな増益傾向にあることから、大きな成長株というより堅実な中小型安定株の性格が強い銘柄といえる。営業利益率は4%台、ROEも3%台と資本効率は高くないが、PBR0.7倍と資産面での割安感があり、下値は比較的限定されやすい特徴がある。
良い場合は、自動車生産の回復や海外拠点の収益改善によって売上が450億円前後まで拡大し、営業利益が25億円前後の水準まで伸びるケースである。営業利益率が5%台まで改善し、ROEも6%前後まで上昇すれば収益体質の改善が評価されやすくなる。PERも15倍前後で安定しながら利益成長が進めば株価は1,500円から1,900円程度まで上昇する可能性がある。配当利回りも維持されれば個人投資家の需要が株価の下支えになる。
中間の場合は、売上が420億円前後で推移し、営業利益も22億円前後の水準で安定するケースである。利益率や資本効率が大きく改善しない場合は評価見直しは限定的となりやすく、PERも現在と近い水準で推移する可能性が高い。この場合は株価は1,000円から1,300円程度のレンジで比較的穏やかな値動きになりやすく、配当を受け取りながら横ばい圏の推移となる可能性がある。
悪い場合は、自動車市場の減速や為替影響、コスト上昇などで営業利益が15億円前後まで低下するケースである。営業利益率も3%台まで低下し、ROEも2%台へ悪化すれば市場評価は低下しやすい。PBRの割安感があるため大幅下落は限定的と考えられるが、それでも株価は800円から1,000円程度まで下落する可能性がある。
まとめると、この会社は大きな成長期待よりも安定性と配当を重視されやすい銘柄であり、5年間の株価イメージとしては、良い場合1,500円から1,900円、中間の場合1,000円から1,300円、悪い場合800円から1,000円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら比較的落ち着いた値動きになりやすい中小型安定株タイプの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月14日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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