株価
オリエンタル白石とは

オリエンタル白石株式会社(証券コード1786)は、東京都江東区豊洲五丁目6番52号に本社を置く建設会社です。1952年10月に設立され、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しています。代表取締役社長は大野達也氏で、資本金は約50億円です。連結従業員数は約1,160人、単体では約800人規模の企業で、平均年齢は44歳前後、平均年収は約830万円とされています。
同社の主力事業は、橋梁(特にプレストレストコンクリート橋:PC橋)や港湾構造物の設計・施工です。ケーソン工法による橋脚基礎工事に強みを持ち、国内ではこの分野で高いシェアを誇ります。特にケーソン工事では国内シェア約7割とされ、業界内でもトップクラスの技術力を持つ企業です。
さらに、鋼構造物事業も展開しており、鋼橋や鉄骨構造の設計・製作・施工を手掛けています。港湾土木、トンネル、耐震補強工事、老朽化したインフラの補修・補強など、幅広い公共インフラ整備を行っています。最近では、橋梁や港湾などの大規模修繕工事や耐震対策事業にも注力しており、社会資本の維持・更新分野で安定した需要を確保しています。
また、プレストレストコンクリート(PC)工法や新しい耐震補強技術の開発など、技術革新にも積極的で、地方自治体や国土交通省などの公共機関との取引が多いのも特徴です。
総じてオリエンタル白石は、橋梁・港湾・インフラ補修の分野で日本を代表する技術系ゼネコンとして位置づけられる企業です。
直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期(連) | 61,480 | 5,214 | 5,427 | 3,922 | 33.8 | 13.5 |
| 2024年3月期(連) | 67,382 | 6,533 | 6,580 | 4,632 | 35.7 | 14.5 |
| 2025年3月期(連) | 64,553 | 5,434 | 5,556 | 3,715 | 28.1 | 14.5 |
| 2026年3月期(予) | 68,000 | 4,800 | 4,800 | 3,100 | 24.1 | 14.5 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業キャッシュフロー(百万円) | 投資キャッシュフロー(百万円) | 財務キャッシュフロー(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 4,081 | -1,231 | -2,259 |
| 2024年3月期 | 5,273 | -996 | 1,999 |
| 2025年3月期 | 7,803 | -5,211 | -2,895 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 8.4% | 9.4% | 5.8% | ― | ― |
| 2024年3月期 | 9.6% | 9.2% | 6.3% | ― | ― |
| 2025年3月期 | 8.4% | 7.2% | 4.7% | 高値平均:11.9倍 安値平均:8.3倍 |
1.07倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
株式会社オリエンタル白石は、橋梁や港湾、トンネルなどの公共インフラ工事を中心に事業を展開しており、近年は非常に安定した業績を維持している企業です。
2023年から2025年にかけての業績をみると、売上高は約6,100億円台から6,700億円台の間で推移しており、全体的に堅調です。営業利益は5,214百万円、6,533百万円、5,434百万円と推移しており、多少の増減はあるものの安定した収益を確保しています。経常利益も同様に安定しており、純利益も3,922百万円から4,632百万円を経て3,715百万円と高水準を維持しています。
営業利益率は8.4%、9.6%、8.4%と業界平均を上回る水準で推移しており、建設会社としては非常に効率的な経営を行っています。ROEも9.4%、9.2%、7.2%と自己資本を有効に活用しており、ROAも5.8%、6.3%、4.7%と健全な範囲にあります。
株価指標をみると、2025年時点でPERは高値平均11.9倍、安値平均8.3倍、PBRは1.07倍と、株価は割高感がなく、業績に見合った適正な評価水準です。財務体質も健全で、営業キャッシュフローは年々増加しており、本業による資金創出力が強まっています。2025年には営業CFが7,803百万円まで増加しており、事業基盤の安定性が際立ちます。
配当も安定しており、13.5円、14.5円、14.5円と連続して推移していて、配当維持の姿勢が明確です。無理のない範囲での還元が続いており、株主への誠実さも感じられます。
総合的に見ると、オリエンタル白石は成長よりも安定を重視した堅実な企業であり、利益率が高く、キャッシュフローも良好です。株価指標にも割高感はなく、配当も安定しているため、中長期で安定した運用や配当収入を狙う投資家に向いた「やや買い」判断の銘柄といえます。
短期的な値上がりよりも、安定した業績と継続的な配当を目的に保有するのが適しています。
配当目的とかどうなの?
株式会社オリエンタル白石は、配当目的の投資先として非常に相性が良い企業です。
まず、直近3年間の配当推移を見ると、2023年3月期に13.5円、2024年3月期に14.5円、2025年3月期も14.5円と、安定的に増配・維持を続けていることが分かります。
業績に大きな波がなく、売上や利益が堅調に推移しているため、減配リスクが非常に低い点が大きな魅力です。
また、ROE(自己資本利益率)は9%前後と高く、資本を効率的に活用できており、利益の一部を安定して株主に還元できる体質です。営業キャッシュフローも2023年4,081百万円から2025年7,803百万円へと増加しており、本業でしっかり現金を生み出している企業であることが配当の裏付けになっています。
建設業界は景気の影響を受けやすいイメージがありますが、オリエンタル白石は公共インフラ工事が中心であり、国や自治体との長期的な契約が多いため、業績が景気変動に左右されにくいという強みがあります。これは安定した配当を支える重要な要素です。
PER(約8〜12倍)やPBR(約1.07倍)といった株価指標を見ても、株価が過度に高騰していないため、利回り的にもバランスが取れた投資先といえます。現在の株価水準での配当利回りはおおむね2%前後ですが、企業の安定性や継続性を考慮すると、長期保有によって安心感のあるリターンを得られる可能性が高いです。
総合的に見ると、オリエンタル白石は「高配当株」ではないものの、堅実な業績と安定的なキャッシュフローを背景に、長期で安心して配当を受け取れる安定配当型銘柄です。
短期での値上がり益よりも、安定配当と着実な資産形成を目的とする投資家に向いている企業といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価425円を基準に、オリエンタル白石の今後5年間の値動きを3つのシナリオで予想します。
良い場合(業績拡大・安定成長が続くケース)
オリエンタル白石は、橋梁やトンネルなどの公共インフラ事業を中心に堅実な経営を続けています。
今後も国のインフラ更新需要が高まり、耐震補強や老朽化対策工事の受注が増えれば、売上・利益ともに底堅く推移する可能性があります。
営業キャッシュフローも年々増加しており、財務面の強さが評価される展開も期待できます。
この場合、株価は業績拡大と安定配当が評価され、5年後には700円〜850円前後まで上昇する可能性があります。
中間の場合(業績が安定的に推移するケース)
公共事業は堅調に続くものの、建設コスト上昇や一部案件の採算悪化などで利益の伸びが限定的な場合です。
営業利益率が8〜9%台で安定し、配当も現状の14.5円を維持するような展開です。
この場合、株価は横ばいからやや上昇程度となり、5年後に500円〜600円程度のレンジで推移する可能性があります。
配当を受け取りながら、安定保有を続けるタイプの投資になります。
悪い場合(公共投資の減少・採算悪化のケース)
もし建設コスト高や入札競争の激化によって利益率が低下し、ROEが5%を下回るような展開となれば、株価は下落基調に転じる可能性があります。
また、大型工事の遅延や資材高騰の影響が長引く場合、投資家の評価が厳しくなります。
この場合、株価は5年後に300円〜350円前後まで下がるリスクがあります。
ただし、同社は財務基盤が強固であり、急激な下落よりは緩やかな調整にとどまる可能性が高いです。
まとめ(5年後の株価予想レンジ)
- 良い場合:700〜850円
- 中間の場合:500〜600円
- 悪い場合:300〜350円
オリエンタル白石は大きな成長株ではないものの、安定した配当と業績を続ける堅実な企業です。
短期的な急騰よりも、安定配当と着実な株価上昇を狙う中長期保有向きの銘柄です。
この記事の最終更新日:2025年10月30日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

コメントを残す