株価
マニーとは

マニー株式会社は、栃木県宇都宮市に本社を置く医療機器メーカーであり、手術用縫合針、眼科用ナイフ、歯科用治療具などの製造販売を主力とする企業である。手術用縫合針や歯科用リーマ・ファイルなどの分野では世界的に高いシェアを持ち、特に縫合針分野では業界シェアが90%近くに達する製品もあるとされる。医療用精密刃物に特化したニッチ戦略を採用しており、高品質製品を武器に世界市場で事業を展開している。
同社は1956年5月に松谷製作所として創業し、アイド縫合針の製造販売を開始した。1959年には株式会社松谷製作所を設立し、旧厚生省の国庫補助金を受けてステンレス製縫合針の開発に着手、1961年には世界初のステンレス縫合針の製品化に成功している。
その後1976年に歯科用根管治療機器分野へ参入し、事業領域を拡大した。海外展開を意識し社名の国際的な認知度向上を目的として、1996年に現社名のマニーへ変更している。
事業内容は大きくサージカル関連製品、眼科関連製品、デンタル関連製品の3分野で構成される。サージカル分野では手術用縫合針やマイクロ外科用ナイフなどを展開し、高い切れ味と精密性が評価されている。
眼科分野では白内障手術用ナイフなどの眼科用処置具を扱い、高齢化の進展による手術需要の増加を背景に成長している。デンタル分野では根管治療用のリーマやファイルなどが主力製品となっている。これらの製品は針金を主原材料とするものが多く、売価に占める材料比率は1%程度と低く、技術力や品質が付加価値の源泉となるビジネスモデルを持つ。
経営方針として「世界一の品質しか目指さない」「ニッチ以外はやらない」「工場は田舎にしか建てない」といった独自の考え方を掲げており、年2回「世界一か否か会議」を開催し、自社製品が世界最高品質であるかを検証する取り組みを行っている。品質で世界一を実現すれば営業活動に頼らずとも製品が売れるという思想のもと、研究開発と品質管理に重点を置いた経営を行っている。
生産体制は国内工場に加えてベトナムに2拠点を持つ体制となっており、コスト競争力と品質の両立を図っている。主な事業所として本社・清原工場が栃木県宇都宮市清原工業団地にあり、高根沢工場が栃木県塩谷郡高根沢町に所在する。また2020年には高根沢町のキリンビール栃木工場跡地を取得し、新本社建設を進める方針を発表している。
資本市場では2001年に店頭公開を行い、その後2011年に東京証券取引所第二部へ上場、2012年には第一部へ指定替えとなった。海外展開の強化の一環として中国・北京に販売会社を設立するなど、グローバル市場での事業拡大を進めている。現在は医療需要の拡大や新興国市場の成長を背景に、眼科・歯科分野を中心とした持続的な成長が期待されている企業である。
マニー 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.8 | 17,190 | 5,348 | 5,679 | 4,291 | 43.6 | 23 |
| 連22.8 | 20,416 | 6,163 | 7,544 | 5,290 | 53.8 | 30 |
| 連23.8 | 24,488 | 7,243 | 7,995 | 5,953 | 60.5 | 35 |
| 連24.8 | 28,513 | 8,392 | 8,464 | 6,286 | 63.8 | 39 |
| 連25.8 | 29,968 | 8,193 | 8,271 | 4,643 | 47.1 | 39 |
| 連26.8予 | 32,800 | 9,200 | 8,950 | 6,450 | 65.5 | 41 |
| 連27.8予 | 36,000 | 10,500 | 10,500 | 7,500 | 76.1 | 42〜43 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,026 | -4,016 | -3,251 |
| 2024 | 7,810 | -6,642 | -3,703 |
| 2025 | 7,017 | -7,154 | -3,895 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 29.5% | 10.8% | 11.9% | – | – |
| 2024 | 29.4% | 10.9% | 12.0% | – | – |
| 2025 | 27.3% | 8.0% | 8.6% | 25.4〜39.6 | 2.77 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益水準の推移を見ると、営業利益は83億円から81億円、さらに92億円予想となっており、一度やや減益となった後に再び増益局面へ入る見込みである。経常利益も84億円から82億円、89億円予想と同様の流れで、企業の収益力自体は大きく崩れていない。
純利益は62億円から46億円、64億円予想と変動がやや大きく、一時的に落ち込んだものの再び回復が見込まれている。利益構造としては高収益だが外部環境や為替などの影響を受けてブレが出るタイプの企業といえる。
収益性の観点では営業利益率は29.5%から29.4%、27.3%と極めて高い水準を維持しているが、直近はやや低下傾向が見られる。依然として製造業の中ではトップクラスの利益率であり、ビジネスモデルの強さは明確だが、ピークアウト感も少し出てきていると考えられる。
ROEは11.9%から12.0%、8.6%と低下しており、資本効率はやや弱まっている。ROAも10.8%から10.9%、8.0%と同様に低下しており、収益拡大よりも資産や投資の増加が先行している可能性がある。
バリュエーション面ではPERは25.4倍から39.6倍レンジとかなり高水準で推移しており、成長期待込みの評価を既に受けている状態である。PBRも2.7倍と資産価値に対して大きくプレミアムが付いており、割安感はほぼ無い水準といえる。このため業績が順調でも株価上昇余地は評価次第になりやすく、少しの減速でも株価が調整しやすい銘柄の特徴を持つ。
総合的に見ると、高収益・高シェアの優良企業であることは間違いないが、既に高評価を受けている成長株ポジションにある。営業利益は今後も90億円台から100億円台を狙える余地はあるが、ROE低下や利益率のわずかな低下は注意点となる。投資判断としては長期的には安定成長期待で保有余地はあるが、短期的には割高圏での値動きになりやすく、押し目待ちや分割投資が有効と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.8予想で2.6%、連27.8予想で2.7%前後となっており、配当株としては中位水準といえる。高配当株と呼べる水準は一般的に3.5%〜4%以上であるため、インカム目的だけで積極的に資金を集中させるタイプの銘柄ではない。ただし医療機器という景気の影響を受けにくい分野に属しており、営業利益率も27%前後と極めて高水準であることから、配当の安定性という意味では評価できる企業である。
業績面では営業利益は80億円台から90億円台へ拡大が見込まれており、将来的には100億円台到達も視野に入る収益体質となっている。このため急激な増配は期待しにくいものの、一株配当は39円から41円、さらに42〜43円予想と緩やかな増配トレンドに入っている点はプラス材料である。配当性向も極端に高い企業ではないため、利益成長に応じて今後も段階的な増配が続く可能性はある。
一方でPERは25倍〜39倍レンジと評価水準が高く、PBRも2.7倍前後とプレミアムが付いた状態にあるため、配当利回りの絶対水準はどうしても低くなりやすい。株価が成長期待で買われやすい銘柄のため、配当利回りが高まる局面は業績鈍化や市場調整時に限られる可能性が高い。この点からも配当狙いであればタイミング投資の重要性が大きい銘柄といえる。
総合的に見ると、純粋な高配当投資には向かないが、高収益・高シェアの安定企業であることから減配リスクは低く、長期保有による増配メリットを享受しやすい銘柄である。配当と成長のバランス型銘柄としてポートフォリオの一部に組み入れる戦略には適しており、特に株価が調整して利回りが3%近くまで上昇する場面では投資妙味が出やすいと考えられる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価1,538円で見ると、マニーは売上が285億円から299億円、さらに328億円予想と安定した増収が続いており、医療機器分野のニッチトップ企業として事業規模は着実に拡大している。営業利益も83億円から81億円、92億円予想と一時的な減益を挟みながらも中長期では増益基調を維持しており、営業利益率は29.5%から29.4%、27.3%と極めて高水準にある。
医療機器という景気の影響を受けにくい分野に属していることから業績は比較的安定しやすく、高収益体質が特徴の企業である。一方でROEは11.9%から12.0%、8.6%とやや低下傾向にあり、利益成長のスピードはやや鈍化している局面ともいえる。
良い場合は、白内障手術需要の拡大や歯科分野の成長、新興国市場の開拓などにより売上が360億円以上まで拡大し、営業利益が110億円前後まで成長するケースである。高付加価値製品の販売比率上昇により営業利益率が30%前後まで回復し、ROEも11%前後へ戻れば企業の成長期待は再び強まり、PERも30倍以上の評価を維持する可能性がある。その場合、株価は2,200円から2,700円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、売上が330億円から350億円前後で安定し、営業利益も90億円から100億円程度で推移するケースである。高収益企業としての評価は維持されるものの成長スピードは緩やかとなり、PERは25倍から30倍程度のレンジに収まりやすい。この場合、株価は1,500円から1,900円程度のレンジで比較的穏やかな値動きとなり、配当を受け取りながらの安定投資型の展開になる可能性がある。
悪い場合は、為替の影響や医療機器需要の一時的な減速、利益率低下などにより営業利益が80億円前後にとどまり、ROEも8%前後で低迷するケースである。高評価が修正されPERが20倍前後まで低下する可能性があり、その場合は株価は1,000円から1,300円程度まで調整するシナリオも考えられる。ただし医療機器分野は需要の安定性が高く、業績が大きく崩れるリスクは相対的に低いため、長期的には回復局面に入りやすい銘柄でもある。
まとめると、この会社は医療機器のニッチトップとして非常に高い利益率を持つ安定成長企業である。急成長株ではないが収益性の高さと世界需要の拡大を背景に緩やかな成長が期待でき、5年間の株価イメージとしては、良い場合2,200円から2,700円、中間の場合1,500円から1,900円、悪い場合1,000円から1,300円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当と成長のバランス型銘柄として中長期保有に向いた企業といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月15日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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