株価
A&Dホロンホールディングスとは

A&Dホロンホールディングス株式会社は、東京都豊島区東池袋に本社を置く計測・計量機器メーカーグループの持株会社であり、産業用および医療用の電子計測機器、計量機器、半導体関連装置などの開発・製造・販売を行う企業グループを統括している。
1977年に電子計測器の製造販売を目的として株式会社エー・アンド・デイとして設立され、研究開発型メーカーとして成長してきた。2022年には組織再編により持株会社体制へ移行し、現在の社名となっている。利益率の高い半導体関連事業での新製品開発に注力している点が特徴である。
事業内容は大きく分けて半導体関連事業、計測・計量機器事業、医療・健康機器事業の3分野で構成される。半導体関連事業では、電子ビーム技術を活用したフォトマスク寸法測定装置などを展開しており、連結子会社である株式会社ホロンが主力製品であるCD-SEMを中心に最先端半導体分野向け装置を開発・製造している。
高機能化と微細化が進む半導体製造工程において不可欠な装置であり、国内外の大手半導体メーカーやフォトマスクメーカーを顧客としてグローバルに市場を拡大している。また電子ビーム露光装置に組み込まれる電子銃などの基幹ユニットも開発しており、ナノスケール観察や微細加工用途での需要が拡大している。
計測・計量機器事業では電子計測器、産業用重量計、電子天びん、ロードセル、試験機、データ処理システムなど幅広い製品を展開している。音・振動解析装置や超音波探傷器、材料試験機などの高精度計測機器は自動車、エネルギー、化学、研究機関など多様な分野で活用されている。
マイクログラム単位の計量を可能にする技術や、計測・制御・シミュレーションを統合したソリューションに強みを持ち、カーボンニュートラルや電動化など新たな社会課題に対応した製品開発を進めている。
医療・健康機器事業では家庭用および医療用のデジタル血圧計、体重計、体組成計、超音波吸入器などを展開し、健康管理や遠隔医療分野におけるソリューション提供にも取り組んでいる。ICT技術を活用したデータ管理やネットワーク連携機能の強化により医療DXの推進にも貢献しており、米国や欧州を中心に世界市場での販売網を拡大している。
沿革としては、1980年代以降に電子天びん事業やロードセル事業に参入し、北米、欧州、アジアなど海外拠点を順次設立することでグローバル展開を進めた。2003年にジャスダック市場へ上場し、2006年には東京証券取引所第一部へ上場している。
その後も計測事業の買収や半導体関連企業の子会社化などを通じて事業領域を拡大してきた。国内では株式会社A&Dマニュファクチャリングや株式会社ベスト測器などの製造・開発拠点を持ち、高品質な量産体制を構築している。
現在は計測・計量技術と半導体微細加工技術を融合させた製品開発を進めることで、最先端産業の発展を支える技術企業としての地位を確立している。産業機器、半導体装置、医療機器という複数の成長分野を軸に事業ポートフォリオを構築し、中長期的な企業価値向上を目指している企業グループである。
A&Dホロンホールディングス 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連21.3 | 48,424 | 4,404 | 4,564 | 3,339 | 161.9 | 25 |
| 連22.3 | 51,736 | 5,496 | 5,604 | 3,573 | 172.9 | 25 |
| 連23.3 | 59,028 | 7,475 | 7,643 | 5,524 | 201.3 | 35 |
| 連24.3 | 61,955 | 7,955 | 8,240 | 5,299 | 192.9 | 35 |
| 連25.3 | 67,083 | 8,813 | 8,954 | 6,468 | 235.6 | 40 |
| 連26.3予 | 70,000 | 9,500 | 9,400 | 6,200 | 226.4 | 50 |
| 連27.3予 | 74,500 | 10,500 | 10,500 | 7,200 | 262.9 | 50〜60 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 4,096 | -1,364 | 452 |
| 2024 | 7,201 | -2,007 | -5,674 |
| 2025 | 6,578 | -2,005 | -5,440 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER | PBR |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 12.6% | 16.9% | 7.9% | ― | ― |
| 2024 | 12.8% | 14.0% | 7.3% | ― | ― |
| 2025 | 13.1% | 15.1% | 9.3% | 高値平均12.5倍 / 安値平均6.1倍 | 1.54倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益水準の推移を見ると、営業利益は79億から88億、さらに95億予想、105億予想と着実な増益トレンドにある。経常利益も82億から89億、94億予想、105億予想と同様に右肩上がりで推移しており、本業の収益力は安定して拡大している企業といえる。純利益も52億から64億、62億予想、72億予想と途中やや減益予想を挟みながらも中期的には増益基調にある。
売上規模は619億から670億、700億予想、745億予想と拡大が続いており、事業規模は着実に成長している。営業利益率も12.6%から12.8%、13.1%と改善傾向で推移しており、製造業としては比較的高い収益性を維持している点は評価できる。ROEは16.9%から14.0%、15.1%と高水準を維持しており、資本効率は優秀な部類に入る。一方ROAも7.9%から7.3%、9.3%と改善しており、資産効率も徐々に良化している。
バリュエーション面では、2025年の実績PERは高値平均12.5倍、安値平均6.1倍とレンジが広く、市場評価は景気や半導体需要などの外部要因に左右されやすい銘柄と考えられる。PBRは1.5倍前後であり、極端な割安感はないものの、成長性と収益性を考えれば過度な割高感もない水準である。EPSは192円から235円、226円予想、262円予想と長期では増加傾向にあり、利益成長と株主価値向上の余地はある。
総合的に見ると、この企業は高成長株というよりは安定した増収増益と高い収益性を兼ね備えた中堅優良株タイプといえる。半導体関連需要や設備投資サイクルの影響を受けやすい点はリスクだが、営業利益率の改善やROEの高さからみて経営効率は良好であり、中期投資対象としては十分に検討余地がある銘柄と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは26,27年度ともに予想で1.90%と、日本株の中では平均的〜やや低めの水準であり、高配当株としての魅力は限定的といえる。配当収入を主目的にする投資では、利回り3%〜4%台の銘柄と比べると見劣りしやすく、インカム中心のポートフォリオにはやや組み込みにくい水準である。
ただし配当額は25円から35円、40円、さらに50円予想へと中期的に増加しており、企業として株主還元姿勢は徐々に強まっている。利益成長に合わせた段階的な増配を行っている点は安定した企業体質の表れでもあり、無理な高配当ではなく持続可能な配当政策を重視していると考えられる。このような企業は減配リスクが比較的小さく、長期保有には向きやすい特徴がある。
収益面では営業利益率が12%台から13%台へと緩やかに改善し、ROEも14%から15%前後と資本効率は良好な水準にある。ROAも9%台まで上昇しており、総合的な収益力は中小型株の中では比較的高い部類に入る。こうした収益性の高さは将来的な増配余地や自社株買い余力につながる可能性があり、配当利回りが現時点で低めでもトータルリターンでは魅力が出やすい構造になっている。
またPERのレンジを見ると低い時は6倍台、高い時でも12倍台と評価はそこまで高くなく、成長余地に対して割安に放置されやすいタイプの銘柄ともいえる。業績拡大が続けばバリュエーションの見直しによる株価上昇余地もあり、その結果として実質的な利回りはキャピタルゲイン込みで高まる可能性がある。
総合すると、この銘柄は配当だけを取りに行く投資にはやや物足りないが、増益→増配→評価見直しという流れを狙う中長期投資には向いている。安定した収益基盤と比較的高い資本効率を背景に、配当成長と株価上昇の両取りを目指すタイプの投資対象と考えられる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価2,618円で5年間の値動きを考えると、この会社は売上が670億円から700億円、さらに745億円予想へと着実に拡大しており、営業利益も88億円から95億円、105億円予想と増益基調にあることから、中長期では緩やかな成長株として評価されやすい銘柄といえる。営業利益率は12%台から13%台と安定して高く、ROEも15%前後と資本効率が良好なため、業績が大きく崩れなければ株価は下値を切り上げやすい構造にある。
良い場合は、半導体関連装置や計測機器分野の需要拡大を背景に売上が800億円規模まで成長し、営業利益も120億円前後まで伸びるケースである。利益率が14%近くまで改善し、ROEも17%前後まで上昇すれば市場の評価が高まり、PERが14倍から16倍程度まで見直される可能性がある。その場合、株価は3,800円から4,600円程度まで上昇するシナリオが考えられる。成長性と収益性の両方が評価される局面では中小型グロース株として資金流入が起きやすく、上振れ余地は比較的大きい。
中間の場合は、売上が730億円前後、営業利益が100億円前後の水準で安定成長するケースである。半導体関連分野は波があるものの計測・医療機器事業が下支えとなり、業績は大きく崩れにくいと考えられる。この場合PERは10倍から12倍程度で推移しやすく、株価は2,600円から3,200円程度のレンジで緩やかに上昇または横ばい推移になる可能性がある。配当を受け取りながら保有する安定成長株としての動きになりやすいパターンである。
悪い場合は、半導体投資の減速や設備投資の延期などにより売上が650億円前後まで鈍化し、営業利益も80億円前後まで低下するケースである。利益率も11%台まで低下し、ROEも12%台に落ち込むと市場評価は弱まり、PERが8倍から9倍程度まで低下する可能性がある。その場合、株価は2,000円から2,300円程度まで下落するシナリオも想定される。ただし収益力自体は一定水準を維持する可能性が高く、長期的な大崩れにはなりにくい構造ともいえる。
まとめると、この会社は計測機器と半導体関連装置を柱とする収益性の高い企業であり、5年間の株価イメージとしては、良い場合3,800円から4,600円、中間の場合2,600円から3,200円、悪い場合2,000円から2,300円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。急騰型ではないが業績成長に合わせてじわじわ評価が上がるタイプの銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月15日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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