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フルヤ金属とは

株式会社フルヤ金属は、東京都豊島区に本社を置く工業用貴金属メーカーであり、プラチナやイリジウムなどの白金族元素を中心とした高機能貴金属製品の製錬加工および販売を主業務としている。
結晶製造容器であるるつぼや半導体・電子部品向けターゲットなどの製造を主力とし、白金族金属の精製技術や精密加工技術に強みを持つ企業として知られている。半導体、電子材料、化学、環境、自動車、エネルギーなど幅広い分野に製品を供給しており、ニッチ分野で高い競争力を確立している。
同社は1951年に東京都三鷹市で古屋商店として創業し、1968年に株式会社フルヤ金属へ商号変更した。1981年には国内で初めてイリジウムるつぼの製造に成功し、高温環境下で使用される結晶育成装置向け部材の分野で技術的優位性を築いた。2000年にはつくば工場でISO9001認証を取得し品質体制を強化、2006年にはジャスダック証券取引所に上場した。
その後、2011年に田中貴金属工業と資本業務提携を締結し、原材料調達や技術開発面での連携を強化した。また同年には韓国フルヤメタルを設立し海外展開を開始、2013年には米国フルヤメタルを設立するなどグローバル展開も進めている。
2014年および2020年には経済産業省よりグローバルニッチトップ企業100選に選定され、白金族金属加工分野での高い技術力と市場シェアが評価された。2022年の市場再編により東京証券取引所スタンダード市場へ移行し、2023年にはプライム市場へ市場変更している。JPX日経中小型株指数の構成銘柄にも採用されており、成長性の高い素材企業として市場から注目されている。
事業内容としては、半導体製造装置や電子部品向けのスパッタリングターゲット、結晶育成装置向けるつぼ、化学工業用触媒材料、耐熱・耐腐食部材などの製造販売を行っている。白金族金属は高温・高腐食環境でも優れた性能を発揮するため、ガラス製造装置や化学プラント、自動車排ガス浄化触媒、水素関連分野など幅広い用途に使用されている。また使用済み貴金属の回収・再精製を行うリサイクル事業も展開し、資源循環型ビジネスモデルを構築している。
生産拠点は茨城県のつくば工場・研究開発センターや土浦工場、北海道千歳工場など国内複数拠点に分散配置されており、高純度材料の精製から精密加工、品質評価まで一貫した生産体制を整えている。九州出張所など営業拠点も展開し顧客サポート体制を強化している。連結子会社には韓国フルヤメタル、米国フルヤメタル、Furuya Eco-Front Technologyなどがあり、海外市場の開拓や環境関連事業の強化を進めている。
このようにフルヤ金属は、白金族金属の精製・加工技術を基盤に半導体、環境、エネルギー分野など成長市場へ製品を供給する高機能素材メーカーであり、グローバルニッチトップとしての技術力と市場優位性を背景に事業を展開している企業である。
フルヤ金属 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.6* | 48,115 | 11,485 | 12,383 | 9,406 | 449.2 | 85 |
| 連24.6* | 47,527 | 9,813 | 10,690 | 7,410 | 322.5 | 95.3 |
| 連25.6 | 57,379 | 9,538 | 9,389 | 6,468 | 263.3 | 96 |
| 連26.6予 | 64,000 | 10,000 | 9,000 | 6,000 | 243.9 | 75 |
| 連27.6予 | 70,000 | 12,000 | 11,000 | 7,300 | 296.8 | 75 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 年度 | 営業CF(百万円) | 投資CF(百万円) | 財務CF(百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -461 | -2,328 | 2,019 |
| 2024 | 3,213 | -2,192 | 8,140 |
| 2025 | 921 | -4,935 | 4,785 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROA | ROE | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 23.8% | 10.7% | 21.3% | – | – |
| 2024 | 20.6% | 6.5% | 12.2% | – | – |
| 2025 | 16.6% | 5.2% | 10.0% | 7.4〜14.0 | 2.48 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
まず利益水準の推移を見ると、営業利益は98億から95億から100億予想と高水準ながら横ばい圏の動きとなっている。売上は475億から573億から640億予想と拡大しているが、利益は伸び切れておらず増収減益型の傾向が見える。経常利益も106億から93億から90億予想、純利益も74億から64億から60億予想と減少基調にあり、直近は収益のピークアウト感が出ている点は注意が必要である。
収益性の面では営業利益率は23.8%から20.6%から16.6%と大きく低下しており、依然として高水準ではあるものの収益力は明確に弱まっている。ROEも21.3%から12.2%から10.0%と急低下しており、資本効率は優良企業水準から中位水準まで落ちてきている。
ROAも10.7%から6.5%から5.2%と低下しており、総資産を使った利益創出力も減速していることが分かる。高収益素材企業から景気敏感型の収益構造へ移行しつつある可能性がある。バリュエーション面では実績PERは7.4倍から14.0倍のレンジで推移しており、利益の減速を織り込んだ評価となっている。PBR2.4倍は資産価値に対してはやや高めであり、収益性の低下が続く場合は評価修正の余地もある水準である。
総合すると、この企業は売上成長は続いているものの収益性と資本効率が低下している局面にあり、投資判断としては短期ではやや慎重姿勢が望ましい銘柄といえる。半導体・貴金属関連という成長テーマはあるが、利益が再び拡大トレンドに戻るかを確認する局面にある。
中長期では高付加価値製品の需要拡大や市況改善によって収益性が回復すれば評価余地はあるが、現状は成長株として積極的に買いに行くよりも、業績回復の兆しを見ながら判断するタイプの銘柄と考えられる。
配当目的とかどうなの?
配当面だけで見ると、この企業は配当目的投資としてはやや弱い位置にある。まず予想配当利回りは26,27年度ともに1.76%と低めの水準であり、日本株の高配当投資の目安となる3%前後と比較するとインカム妙味は限定的である。配当だけを狙って長期保有する銘柄というよりは、成長性や株価の値動きを重視するタイプの投資対象になる。
一方で利益水準自体は依然として高く、純利益は64億から60億予想と減少見込みながらも大きな黒字を維持しているため、配当の安定性という意味では一定の安心感はある。営業利益も95億から100億予想と高水準を維持しており、事業からのキャッシュ創出力はまだ十分に残っている企業である。このため急激な減配リスクは現時点では大きくないと考えられる。
ただし収益性は営業利益率23.8%から20.6%から16.6%と低下傾向にあり、ROEも21.3%から12.2%から10.0%と大きく下がっていることから、利益成長よりも収益調整局面に入っている可能性がある。こうした局面では企業は投資や運転資金確保を優先しやすく、配当の大幅増配は期待しにくい。
総合すると、この銘柄は配当利回り目的で積極的に買うタイプではなく、半導体・貴金属材料という成長テーマを軸に中長期の業績回復や株価上昇を狙う銘柄といえる。配当は安定的に受け取りながらも、インカムよりキャピタルゲインを主軸に考える投資スタイルが向いている企業と判断できる。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価6,780円で売上は475億円から573億円、さらに640億円予想と拡大基調が続いており、半導体向けターゲットや結晶製造容器など高付加価値貴金属製品を主力とする素材メーカーとして事業規模は着実に拡大している。一方で営業利益は98億から95億、100億予想と高水準を維持しながらも横ばい圏で推移しており、利益成長はやや鈍化している局面にある。
営業利益率は23.8%から20.6%、16.6%と低下傾向にあるものの依然として高収益企業の水準であり、半導体・環境関連分野という成長テーマを持つ点が特徴である。ROEも21%台から12%台、10%台へ低下しているが、資本効率はまだ一定の水準を維持しており、景気循環の影響を受けやすい素材成長株という位置付けになる。
良い場合は、半導体設備投資の拡大や水素・環境分野向け触媒材料の需要増加により売上が800億円以上まで成長し、営業利益が140億円前後まで拡大するケースである。高付加価値製品の販売比率上昇や稼働率改善により営業利益率が20%近くまで回復し、ROEも15%前後まで改善すれば企業の収益力に対する評価が高まり、PERが16倍から18倍程度まで見直される可能性がある。その場合株価は9,000円から11,000円程度まで上昇するシナリオが考えられる。
中間の場合は、半導体市況の波を受けながらも売上が700億円前後で安定し、営業利益も100億円から120億円程度のレンジで推移するケースである。営業利益率は17%前後で落ち着き、ROEも10%から12%程度の水準で推移する可能性が高い。この場合PERは10倍から13倍程度で評価されやすく、株価は大きく上昇することも大きく下落することもなく、6,000円から8,000円程度のレンジで比較的振れながら推移する可能性がある。市況次第で上下しやすいが、基本的には横ばい圏の動きになりやすいパターンである。
悪い場合は、半導体需要の減速や貴金属価格の変動、設備投資負担の増加などにより利益が伸びず、営業利益が80億円前後まで低下するケースである。利益率も14%台まで低下し、ROEも8%台まで悪化すると市場評価は低下し、PERが7倍から9倍程度まで縮小する可能性がある。この場合株価は4,000円から5,500円程度まで下落する可能性が考えられる。
まとめると、この会社は半導体・環境分野という成長テーマを持つ高収益素材企業であるが、市況の影響を受けやすく株価は循環的な動きになりやすい。急成長株というよりは景気敏感型の成長株に近い性格を持ち、5年間の株価イメージとしては良い場合9,000円から11,000円、中間の場合6,000円から8,000円、悪い場合4,000円から5,500円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当利回りは低めのためインカムより値上がり益を重視する投資スタイルに向いた銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月17日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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