株価
大成建設とは

大成建設株式会社は、東京都新宿区西新宿一丁目25番1号の新宿センタービルに本社を置く、日本を代表する大手ゼネコンの一つです。創業は1873年で、創業者は大倉喜八郎氏。もともとは「大倉組商会」として始まり、1946年に現在の社名である「大成建設株式会社」に改称しました。1957年9月に東京証券取引所へ上場しており、現在はプライム市場に属しています。資本金は1,227億4,200万円で、従業員数は連結で約15,000名を超えています。
同社は建築・土木の両分野で国内トップクラスの実績を誇り、ビル・商業施設・工場・医療施設・住宅などの建築事業から、道路・橋梁・ダム・トンネル・港湾などの大型インフラ工事まで幅広く手掛けています。特に都市再開発や大規模な公共プロジェクトに強みがあり、国内では東京、名古屋、大阪など主要都市のランドマーク建設にも多数携わっています。
また、海外事業にも力を入れており、アジア、中東、アフリカなど世界各地で空港・鉄道・発電所などのインフラ整備に参画しています。グローバル展開においては、現地企業との連携を通じて地域社会に貢献する姿勢を重視しています。
さらに、不動産開発や都市開発、エンジニアリング、環境技術などの分野も手がけ、単なる建設会社にとどまらず、企画・設計・施工・維持管理までを包括的に行う総合建設グループとして成長しています。環境保全にも注力しており、ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)や再生可能エネルギーの導入、耐震・防災技術の研究開発など、次世代技術の創出にも積極的です。
経営理念は「人がいきいきとする環境を創造する」であり、企業スローガンとして「For a Lively World(活力ある世界のために)」を掲げています。長い歴史の中で培った信頼と技術力を基盤に、国内外で社会基盤づくりを担う存在として高い評価を得ています。
株式会社守谷商会 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 1株益(円) | 1株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 1,642,712 | 54,740 | 63,125 | 47,124 | 241.2 | 130 |
| 連24.3 | 1,765,023 | 26,480 | 38,910 | 40,272 | 215.8 | 130 |
| 連25.3 | 2,154,223 | 120,160 | 134,505 | 123,824 | 682.8 | 210 |
| 連26.3予 | 1,960,000 | 118,000 | 122,000 | 93,000 | 559.2 | 150〜168 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 30,101 | -14,058 | -98,668 |
| 2024年3月期 | 40,611 | -138,747 | 109,392 |
| 2025年3月期 | -13,841 | 10,531 | -133,769 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均) | PER(安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年3月期 | 3.3% | 5.6% | 2.3% | - | - | - |
| 2024年3月期 | 1.5% | 4.3% | 1.5% | - | - | - |
| 2025年3月期 | 5.5% | 14.2% | 5.0% | 15.3倍 | 10.5倍 | 2.23倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
大成建設は、業績の波はあるものの2025年にかけて明確な回復基調が見られる銘柄です。2023年の営業利益は547億円、2024年は265億円と一時的に落ち込みましたが、2025年には1,201億円まで急回復しています。経常利益も631億円から1,345億円へ、純利益も471億円から1,238億円へと大きく伸びており、業績全体が力強く戻っています。営業利益率も3.3%から1.5%へ一度下がった後、5.5%まで回復しており、採算改善が進んでいることがうかがえます。
ROEは5.6%から14.2%、ROAも2.3%から5.0%へ上昇しており、資本効率が大きく改善しています。これは利益体質が強化されていることを意味し、会社としての収益構造がより健全になったことを示しています。財務面でも営業キャッシュフローが安定しており、自己資本比率も高水準で、財務の健全性は非常に高いといえます。
2025年のPERは高値平均で15.3倍、安値平均で10.5倍、PBRは2.23倍です。PBRが2倍を超えているため一見割高に見えますが、ROEが14%台に上昇していることを考えると、この水準は妥当です。業界トップクラスの技術力と受注基盤を考慮すれば、適正な評価を受けているといえます。
また、大成建設は国内の再開発事業や大型インフラに加えて、海外の空港・発電所・都市建設などにも強みを持ち、事業の多角化が進んでいます。2024年の減益は一時的なものであり、2025年以降は利益回復と安定成長が続くと見られます。
総合的に見て、大成建設は短期的な値動きを追うよりも、中長期的な保有で安定したリターンが期待できる銘柄です。業績回復、資本効率の改善、財務の安定性がそろっており、今後も堅調な成長が見込まれます。
配当目的とかどうなの?
大成建設は、配当目的の投資にも十分向いている銘柄です。
まず、配当の推移を見ると、2023年は130円、2024年も130円と横ばいでしたが、2025年には210円へと大幅な増配を実施しています。さらに2026年も150〜168円の配当を予定しており、業績に応じて柔軟に株主還元を行う姿勢が見られます。利益が回復基調にあるため、今後も業績次第では安定的な配当水準を維持できる見込みです。
2025年の1株益(EPS)は682.8円で、配当210円を支払っても配当性向は約30%前後と無理のない水準です。財務体質も強固で、営業キャッシュフローは安定しており、将来的に配当を維持・増配する余力があります。
仮に株価が6,000円前後だとすると、配当利回りは約3.5%となり、建設業界では比較的高めの利回りです。業績の波はありますが、長期的に見ると利益と配当の両方で成長が見込める安定企業です。
また、大成建設は日本国内だけでなく海外インフラや都市再開発にも積極的に参入しており、事業の分散によって安定収益を確保しています。業績に連動した配当方針を採っているため、極端な減配リスクは低いと考えられます。
総合的に見て、大成建設は中長期の配当目的保有に非常に向いた銘柄です。安定した財務基盤と収益力があり、今後も業績とともに着実に配当を受け取れる可能性が高いです。
したがって、「安定配当を受け取りつつ、将来的な株価上昇も狙える銘柄」としておすすめできます。
今後の値動き予想!!(5年間)
大成建設の現在値は11,235円です。ここから5年間の株価の動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合の3パターンで予想します。
【良い場合】
インフラ需要や都市再開発、海外事業の拡大が順調に進み、業績がさらに伸びるケースです。営業利益率が6〜7%台に改善し、ROEも15%前後を維持できれば、投資家の評価が高まりPERが15倍前後まで見直される可能性があります。その場合、株価は17,000円〜19,000円前後まで上昇する見込みです。配当も増配が続き、安定成長型の高配当銘柄として人気が高まるでしょう。
【中間の場合】
業績は安定しているものの、資材コストや人件費の上昇が利益を圧迫するケースです。営業利益率は5%前後で横ばい、PERは12〜13倍水準で推移すると想定されます。この場合、株価は13,000円〜14,500円程度で推移する可能性があります。配当も150〜160円程度を維持でき、長期保有によるインカムゲイン(配当収入)が見込めます。
【悪い場合】
公共投資の減少や建設需要の鈍化、海外プロジェクトの採算悪化などで利益が低下するケースです。営業利益率が3%台に落ち込み、PERも10倍を下回る可能性があります。この場合、株価は9,000円〜10,500円程度まで下落するリスクがあります。ただし財務体質は堅実なため、急激な赤字や減配リスクは低く、配当を受け取りながら下値を耐える展開になるでしょう。
【まとめ】
大成建設は国内外で安定した受注基盤を持つため、長期的には緩やかな成長が見込まれます。良いシナリオでは50〜70%程度の上昇、中間シナリオでも15〜30%程度の上昇が期待できる一方、悪い場合でも10〜20%程度の下落にとどまる可能性があります。
総合的に見ると、安定した配当を受け取りながら、長期的な成長を狙う中長期投資向きの銘柄といえます。
この記事の最終更新日:2025年10月31日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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