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佐藤渡辺(1807)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

佐藤渡辺とは

株式会社佐藤渡辺は、東京都港区南麻布一丁目18番4号に本社を構える総合建設会社で、創業は1923年(大正12年)に遡ります。創業当初は渡辺組として個人営業を行っていましたが、1938年(昭和13年)に株式会社渡辺組を設立し、現在の株式会社佐藤渡辺へと発展しました。長年にわたり、公共・民間を問わず多様な建設プロジェクトに携わってきた老舗の中堅ゼネコンです。

主な事業内容は、道路・橋梁・上下水道・河川・港湾などの土木工事、建築物の新築・改修工事などを中心に、調査・企画・設計・施工・監理に至るまで幅広く対応しています。加えて、建設コンサルタント業務、建設資材やコンクリート製品の製造・販売、建設機械の設計・製作・レンタル・販売、産業廃棄物処理、不動産の売買・賃貸・仲介・管理など、多角的な事業展開を行っています。

特に、インフラ整備に関しては道路舗装や橋梁補修、耐震補強などに強みを持ち、地方自治体や国土交通省関連の公共事業を多数受注しています。また、建設技術の高度化や省エネ・環境配慮型施工にも注力しており、持続可能な社会基盤づくりを目指した取り組みを続けています。

資本金は17億5,150万円、従業員数は約460名(2025年3月末現在)です。東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、上場日は1993年9月28日です。代表取締役社長は鎌田修治氏が務めています。

グループ会社との連携により、首都圏だけでなく全国各地で事業を展開しており、地域社会の発展に寄与する企業として安定した経営基盤を築いています。これまで培ってきた高い技術力と施工品質を活かし、今後も社会インフラの維持・更新分野を中心に事業拡大を目指しています。

佐藤渡辺 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株当たり利益(円) 一株当たり配当(円)
2023年3月期(実績) 34,656 616 709 446 73.3 50
2024年3月期(実績) 38,400 1,650 1,764 1,202 195.5 75
2025年3月期(実績) 40,422 1,177 1,328 891 143.2 80
2026年3月期(会社予想) 37,000 1,200 1,300 850 136.1 80

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期 営業CF(百万円) 投資CF(百万円) 財務CF(百万円)
2023年3月期 187 -929 -455
2024年3月期 3,483 -437 -412
2025年3月期 -3,964 -625 1,997

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値平均) 実績PER(安値平均) 実績PBR
2023年3月期 1.7% 2.3% 1.3%
2024年3月期 4.2% 5.7% 3.4%
2025年3月期 2.9% 4.1% 2.5% 14.6倍 10.2倍 0.49倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社佐藤渡辺の業績推移と指標を見ると、2023年から2025年にかけて売上高はおおむね横ばいで推移しており、利益面では2024年に大きく改善した後、2025年にはやや減益傾向が見られます。

営業利益率は2023年の1.7%から2024年に4.2%へ上昇しましたが、2025年は2.9%とやや低下しています。収益性が一時的に改善したものの、安定的な高収益体質とは言いにくい構造です。ROEも2024年に5.7%まで上昇した後、2025年は4.1%と低下しており、自己資本効率もやや鈍化しています。ROAも同様に、2024年の3.4%から2025年に2.5%へ下落しています。

指標面では、2025年のPERは高値平均14.6倍・安値平均10.2倍、PBRは0.49倍と、利益水準の割に株価は比較的割安です。特にPBRが1倍を大きく下回っており、資産面から見た株価の割安感が強い状態といえます。

総合的に見ると、安定的な利益水準には課題があるものの、財務基盤やPBRの低さを踏まえれば中長期的なリターンを狙える「資産割安株」として注目に値します。短期的な値上がりよりも、地道なインフラ関連需要の取り込みを重視した中長期保有が適しています。

建設業界の中でも業績が極端に悪化しているわけではなく、配当も安定している点から、リスクは限定的です。ただし、利益率の変動が大きいため、業績の安定化が確認できるまでは慎重な買い増し姿勢が望ましいでしょう。

配当目的とかどうなの?

配当目的で見た場合、株式会社佐藤渡辺(1807)は「安定的なインカム狙いとしては比較的魅力的」な銘柄です。

2023年の1株配当は50円、2024年には75円、2025年は80円と増配傾向が続いており、利益に対して一定の配当性向を保ちながら還元姿勢を強めています。利益水準がやや変動する中でも減配していない点は、経営の安定性と株主還元意識の高さを示しています。

PBRが0.5倍前後と低水準であるため、株価に対する配当利回りは比較的高めになる傾向があります。

一方で、営業利益率が2〜4%台と薄利傾向のため、業績悪化時には配当維持にやや不安が残る点も考慮が必要です。したがって、配当狙いで保有する場合は「高利回りの安定株」というよりも、「資産割安+中程度の利回りで長期保有に向く株」という位置づけが現実的です。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社佐藤渡辺の株価は現在1,687円です。今後5年間の株価予想は次の通りです。

良い場合(強気シナリオ)
公共工事や民間建築の受注が堅調に推移し、営業利益率が再び4%台に回復する場合、株価は見直される可能性があります。PBRも0.6〜0.7倍台まで上昇し、PERも14倍前後まで評価されれば、株価は2,100円から最大で2,600円程度まで上昇する可能性があります。配当も80円以上を維持し、安定したインカム収益を得ながら株価上昇を狙える展開です。

中間(現実的シナリオ)
業績が横ばいで推移し、営業利益率が3%前後を維持する場合、株価は現在の水準である1,500〜1,900円のレンジで推移する可能性が高いです。配当は80円を維持し、配当利回りは4〜5%程度を確保できるため、安定した高配当株としての魅力が継続します。急激な成長は期待しにくいものの、値下がりしづらいディフェンシブな性格を持つといえます。

悪い場合(弱気シナリオ)
資材高や人件費上昇の影響で営業利益率が2%前後に低下し、純利益が縮小する場合、PERが10倍を割り込む水準まで売られ、株価は1,300円〜900円程度まで下落する可能性もあります。減配のリスクもありますが、PBRが0.4倍近くまで下がれば資産面からの底堅さも出やすく、極端な下落は限定的と考えられます。

総合的に見ると、佐藤渡辺は短期的な値上がりを狙う銘柄ではありませんが、堅実な配当と安定した財務基盤を背景にした中長期保有に向く銘柄です。現行の配当利回りは約4.7%と高く、株価が大きく下落しづらい構造にあります。5年スパンで見れば、良い場合で2,600円、中間で1,700円前後を維持、悪い場合でも1,000円前後が下値目処となると見られます。長期のインカムゲインを得ながら、景気回復局面での見直し上昇を待つスタンスが適しています。

この記事の最終更新日:2025年11月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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