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不動テトラ(1813)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

不動テトラとは

株式会社不動テトラは、東京都中央区日本橋小網町7-2に本社を置く建設会社です。1947年に設立され、1961年に東京証券取引所へ上場しました。資本金は約50億円で、従業員数は連結で約1,000名規模です。主に土木事業と地盤改良事業の2つを柱として事業を展開しており、海洋・陸上のインフラ整備を中心に手掛けています。

土木事業では、港湾や河川、海岸の護岸工事、埋立処分場の造成、防波堤・消波ブロックの設置、道路・橋梁・トンネルなどの施工を行っています。特に海洋土木では長い歴史と実績を持ち、日本の港湾インフラ整備に欠かせない企業の一つとなっています。また、防災・減災分野にも力を入れており、高潮や津波、豪雨災害に備えた防潮施設や止水・排水対策工事にも積極的に取り組んでいます。

地盤改良事業では、地盤の強化・安定化を目的とした改良工法を開発・提供しており、地震や液状化への対策工事を国内外で展開しています。不動テトラの地盤改良技術は国内でも高い評価を受けており、住宅地や公共施設、工業地帯など幅広い分野で採用されています。さらに海外にも拠点を持ち、米国などで地盤改良子会社を通じて国際的な事業を行っています。

また、消波ブロックの鋼製型枠の製造や貸出、資材供給も行っており、海岸保全・防波対策の分野でも独自の強みを持っています。これらの製品や技術は日本各地の港湾整備や防災インフラ事業で採用されており、「テトラポッド」などの製品名でも広く知られています。

総じて不動テトラは、「地盤」「海洋」「防災」という3つの分野で社会基盤を支える企業です。インフラ維持・再生需要の高まりや災害対策需要の増加を追い風に、安定的な成長が期待される企業といえます。

不動テトラ 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 純利益(百万円) 一株益(円) 一株当り配当(円)
2023年3月期 70,466 3,602 3,458 2,166 142.3 60
2024年3月期 67,947 2,656 2,947 2,009 132.0 60
2025年3月期 69,557 3,177 3,366 2,202 145.3 60
2026年3月期(予) 78,000 4,000 4,000 2,650 175.1 70

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023年3月期 560 -1,288 1,203
2024年3月期 7,065 -3,626 -2,256
2025年3月期 621 -6,500 5,334

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

決算期 営業利益率 ROE ROA PER(高値平均) PER(安値平均) PBR
2023年3月期 5.1% 6.8% 3.8%
2024年3月期 3.9% 6.1% 3.6%
2025年3月期 4.5% 6.4% 3.4% 17.1倍 11.7倍 1.08倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社不動テトラは、海洋土木や地盤改良工事を中心とした中堅建設会社であり、近年の業績を見ると安定感があるものの、大幅な成長というよりは堅実な推移を続けている印象です。

営業利益は2023年3月期の36億円から2025年3月期には31億円前後に推移しており、2026年3月期の予想では40億円を見込んでいます。経常利益も同様に、やや上下しながらも安定しており、全体的に収益基盤はしっかりしています。純利益も20億円台を維持しており、急激な伸びはないものの安定的です。

営業利益率は5.1% → 3.9% → 4.5%と推移しており、2024年度は一時的に低下したものの、再び改善傾向にあります。原材料費や人件費の上昇などコスト増の影響を受けつつも、利益率を回復させている点は評価できます。

ROEは6.8% → 6.1% → 6.4%、ROAは**3.8% → 3.6% → 3.4%**で推移しており、資本効率は中堅建設会社として標準的です。極端に高い数値ではありませんが、財務の安定性を重視しているため、リスクは比較的低いと考えられます。

株価指標では、2025年の実績PERが高値平均17.1倍・安値平均11.7倍、実績PBRは1.08倍となっています。PERはやや高めですが、建設セクター全体で見てもこの水準は許容範囲内で、株価が業績をある程度織り込んだ水準にあるといえます。PBRが1倍前後で推移している点からも、株価は割高でも割安でもなく、妥当な評価水準とみられます。

総合的に見ると、不動テトラは急成長を狙う銘柄ではなく、安定した収益と財務の堅実さを武器に中長期的に保有するタイプの企業です。地盤改良や防災関連の需要が今後も継続する可能性が高く、業績の底堅さが見込まれます。

したがって、投資判断としては、中立〜やや買い寄りが妥当です。短期的な値上がり益を狙うよりも、安定的な配当と長期的な株価上昇を見込んで保有するのに適した銘柄といえます。

配当目的とかどうなの?

株式会社不動テトラは、配当を目的とした投資としても比較的安定した選択肢です。

まず、配当実績を見ると2023年3月期から2025年3月期まで3期連続で1株あたり60円の配当を維持しており、2026年3月期は70円への増配予想となっています。業績が安定している中で、増配の動きが出ている点は好材料です。

同社は財務基盤が堅実で、自己資本比率も高く、借入依存度が低いため、配当の持続性は高いとみられます。営業キャッシュフローもプラスで推移しており、手元資金に余裕があるため、将来的にも安定した配当が期待できます。

配当金が安定していることに加え、PBRが1.08倍と適正水準で推移しているため、株価が大きく下落しにくい点も長期保有には向いています。

総合的に見ると、不動テトラは「高配当で安定志向」の投資家に適した銘柄です。業績の伸びは緩やかですが、地盤改良や防災関連事業の需要は底堅く、業績の下振れリスクも小さいため、配当目的で長期保有するのに向いた堅実なインカムゲイン銘柄といえます。

今後の値動き予想!!(5年間)

現在の不動テトラ(1813)の株価は2,445円です。ここから5年間の値動きを想定すると、建設需要や防災関連の政策動向、資材コストの影響などによって、以下の3つのシナリオが考えられます。

良い場合
公共インフラや防災・地盤改良工事の需要が堅調に推移し、特に液状化対策や港湾・護岸工事などの受注が増加するシナリオです。営業利益率が5%台に改善し、利益も安定的に拡大していく展開が見込まれます。業績の成長が評価され、PERが上昇すれば、株価は3,200円〜3,500円前後まで上昇する可能性があります。防災インフラ需要の高まりが続く限り、株価の上値余地は十分にあります。

中間の場合
業績が緩やかに推移し、売上・利益ともに横ばいからやや上向きとなるケースです。営業利益率は4.5%前後を維持し、ROEも6%台をキープ。建設需要が安定し、資材高もある程度落ち着けば、株価は2,600円〜2,900円前後で安定する可能性があります。配当を受け取りながら中長期で保有するには適した状態で、安定株の典型的な動きになると考えられます。

悪い場合
建設コストの上昇や公共事業の減少などで利益率が低下し、業績が伸び悩むシナリオです。営業利益率が3%台に下がり、ROEも低下すれば、投資家の評価が下がり株価は1,800円〜2,100円程度まで下落する可能性があります。資材高や人件費上昇が長期化した場合は特に注意が必要です。

総合的に見ると、不動テトラは業績の安定性が高く、防災や地盤改良といった需要が続くため、大きな下落リスクは限定的です。今後も安定した配当を得ながら、5年後には3,000円前後を目指す中長期型の堅実な銘柄といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月1日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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