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JSPとは

株式会社JSPは東京都千代田区に本社を置く発泡プラスチック製品の製造・販売を手掛ける化学メーカーで、樹脂発泡素材分野の国内大手企業である。1962年にポリスチレンペーパー事業で創業し、その後発泡樹脂技術を核に事業領域を拡大してきた。2003年には三菱化学系列の三菱化学フォームプラスティックを吸収合併し、事業基盤を強化した。
かつては三菱ガス化学の連結子会社であったが、現在は持分法適用関連会社の位置付けとなっている。発泡プラスチックの専業メーカーとして国内外で高い知名度と技術力を持ち、自動車部材や食品容器、住宅資材、物流包装材など幅広い用途に製品を供給している。
主力事業は発泡樹脂製品の開発・製造・販売であり、食品包装資材分野では食品トレーやカップ麺容器、弁当容器、納豆容器など生活に身近な製品に広く採用されている。スチレンペーパーを中心とした食品包材は温度や湿度、衝撃から内容物を保護する性能に加え、優れた印刷加工性を持つ点が特徴である。
また電子レンジ対応食品などの需要増加に伴い、耐熱性や耐油性、緩衝性を備えた高機能容器の開発にも力を入れている。ディスプレイ資材分野では軽量で加工性に優れたミラボードなどを展開し、広告用資材や模型・教材用途など多様な分野で利用されている。
産業資材分野ではミラマットやキャプロンといった発泡ポリエチレン系の緩衝材が主力製品であり、精密機器や家電製品、果実や陶磁器など輸送時の保護材として幅広く使用されている。帯電防止機能などの付加価値を持つ製品も展開し、フラットパネルディスプレイなど高度な保護性能が求められる分野にも対応している。
また建築住宅土木分野では押出法ポリスチレンフォーム断熱材ミラフォームを中心に、省エネルギー性能の向上に貢献する断熱資材を供給している。軽量盛土材として道路や橋梁の補強に使用されるスチロダイアブロックなど、社会インフラを支える資材も展開している。
自動車資材分野では世界で初めて開発した無架橋ポリプロピレン発泡体ARPROが代表製品であり、バンパー内部のコア材やドアパッド、工具収納部材などに採用されている。軽量性と衝撃吸収性に優れることから車両の燃費向上やCO2排出削減にも寄与しており、HVやEVなど電動車向け需要の拡大にも対応している。
さらに単一素材であるためリサイクル性が高く、循環型社会への貢献も期待されている。EPS分野では発泡性ポリスチレンスチロダイアのビーズ供給を行い、魚箱や家電包装材、建築断熱材など幅広い用途に利用されている。
また同社は発泡製品の販売にとどまらず、顧客の成形工程に対する技術サポートや構造解析などの提案も行い、生産性向上や省エネルギー化といった付加価値提供を重視している。1980年代の米国進出を皮切りにグローバル展開を進め、日本、北米、欧州、アジアなどに製造・販売拠点を持つ体制を構築している。発泡技術に特化した開発力と幅広い市場対応力を背景に、生活関連分野から産業分野まで多様な需要を取り込みながら事業を展開する素材メーカーである。
JSP 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | 経常利益(百万円) | 純利益(百万円) | 一株益(円) | 一株配当(円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 131,714 | 2,956 | 3,363 | 2,531 | 84.9 | 50 |
| 連24.3 | 135,051 | 7,563 | 8,127 | 6,391 | 221.8 | 65 |
| 連25.3 | 142,250 | 6,888 | 7,311 | 5,066 | 193.3 | 80 |
| 連26.3予 | 143,000 | 7,000 | 7,400 | 5,800 | 221.3 | 90 |
| 連27.3予 | 147,000 | 7,700 | 8,100 | 5,800 | 221.3 | 90〜95 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 8,725 | -6,478 | 1,016 |
| 2024 | 15,665 | -8,056 | -8,449 |
| 2025 | 8,896 | -8,611 | -3,833 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(倍) | PBR(倍) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 2.2% | 2.7% | 1.7% | ― | ― |
| 2024 | 5.6% | 6.7% | 4.2% | ― | ― |
| 2025 | 4.8% | 5.0% | 3.2% | 10.5〜14.1 | 0.59 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
売上は1350億円から1422億円、さらに1430億円予想から1470億円予想と緩やかな増収基調にあります。事業規模は着実に拡大しており、大幅な成長ではないものの安定した需要に支えられた伸び方になっています。
営業利益は75億円から68億円へ一時減益となった後、70億円予想から77億円予想と持ち直し傾向で、利益は景気やコスト環境の影響を受けつつも底堅さがあります。経常利益も81億円から73億円へ低下後、74億円から81億円予想と回復見込みであり、収益は循環的ながら安定的に推移している印象です。純利益は63億円から50億円へ減少した後、58億円水準で横ばい見込みとなっており、利益成長のスピードは緩やかです。
収益性を見ると営業利益率は2.2%から5.6%、4.8%と改善したものの依然として中低水準にとどまり、構造的に高収益なビジネスモデルとは言いにくい状態です。ROEは2.7%から6.7%、5.0%と改善傾向ではあるものの資本効率は平均的で、ROAも1.7%から4.2%、3.2%と資産効率は中位水準に位置しています。収益体質は悪くないものの、強い競争優位性によって高い利益率を維持する企業とはやや性格が異なります。
評価面ではPERは10.5倍から14.1倍レンジと低めで推移しており、PBRも0.5倍台と資産価値を下回る水準にあります。市場からの成長期待は大きくなく、むしろ安定性や回復余地を織り込んだ評価になっていると考えられます。このため、業績が想定以上に改善した場合にはバリュエーションの見直し余地がある一方で、業績が停滞すると株価も伸びにくい傾向になりやすい銘柄です。
総合的に見ると、緩やかな増収と利益回復を背景に中長期では安定した推移が期待できる企業ですが、高成長株として大きな株価上昇を狙うタイプではありません。割安感や業績改善の進展を確認しながら、景気動向やコスト環境の変化を見極めて投資判断を行うことが重要な銘柄といえます。
配当目的とかどうなの?
配当利回りは連26.3予想・連27.3予想ともに3.7%台と比較的高めの水準にあり、インカム目的としては十分に検討できる水準です。特にPBRが0.5倍台と低く、株価が資産価値を下回る評価となっている点は、配当利回りの高さと合わせて下値の支えになりやすい特徴があります。急成長株のような大きなキャピタルゲインは狙いにくいものの、配当を受け取りながら安定的に保有するスタイルには向いている銘柄といえます。
また、売上は緩やかな増収傾向にあり事業基盤は比較的安定しているため、短期的に大きく配当が減額されるリスクは高くないと考えられます。利益水準も大きく崩れているわけではなく、一定のキャッシュ創出力を維持している点はインカム投資において安心材料になります。配当性向の観点でも無理な高配当ではない可能性があり、業績が横ばいでも配当維持は期待しやすいタイプです。
一方で、営業利益率は5%前後と高収益企業ほどの余裕はなく、純利益も大きな成長トレンドには入っていないため、今後の増配余地は限定的になりやすい点には注意が必要です。景気減速や原材料価格の上昇などコスト環境が悪化した場合は、配当維持を優先する局面が想定され、配当成長株のように毎年の増配を期待する投資にはやや向かない可能性があります。
総合的に見ると、高配当株というよりは中配当の安定株という位置付けになりやすく、株価の大幅上昇を狙うよりも、配当収入と割安修正による緩やかなリターンを期待する投資スタイルと相性が良い銘柄です。配当目的で保有する場合は、収益性の改善や利益の回復トレンドが続くかを確認しながら、長期目線で分散投資の一部として組み入れるのが現実的といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
現在の株価は2,372円で、JSPは売上が1350億円前後から1430億円予想へと緩やかな増収が続いており、発泡プラスチック製品という幅広い用途を持つ事業を背景に、景気の影響を受けつつも比較的安定した成長が見込まれる企業である。
営業利益も60億円台から70億円台へ回復見込みとなっており、付加価値の高い製品の拡販が業績を支える構造になっている。特に建築・住宅分野や自動車向けなど複数分野に供給していることから、特定市場への依存度が低く収益の安定性は比較的高いといえる。
良い場合は、売上が1600億円前後まで拡大し、営業利益が90億円近くまで成長するケースである。EV化の進展や軽量化ニーズの拡大により自動車向け高機能材の需要が増加し、住宅・断熱分野の需要も堅調に推移すれば収益力はさらに向上する可能性がある。営業利益率が6%台まで改善しROEも上昇すれば市場評価が見直され、PERが14倍から16倍程度まで上昇するシナリオも考えられる。この場合、株価は3,200円から3,800円程度まで上昇する可能性がある。
中間の場合は、売上が1500億円前後で安定し、営業利益も70億円台から80億円台で推移するケースである。素材メーカー特有の景気循環の影響を受けながらも、大きな業績悪化は起きにくく、PERも現在と近い11倍から13倍程度で落ち着く可能性が高い。この場合、株価は大きな上昇も下落もなく、2,200円から2,900円程度のレンジで比較的穏やかな値動きになりやすい。配当を受け取りながら保有する安定株としての動きになる可能性がある。
悪い場合は、自動車向け需要の減少や原材料価格の上昇、海外景気の減速などにより利益が圧迫され、営業利益が50億円台まで低下するケースである。利益率も4%台前半まで下がり、ROEも低下すると市場評価が弱まりPERが9倍から10倍程度まで低下する可能性がある。このような状況では株価は1,700円から2,100円程度まで下落するシナリオも想定される。
まとめると、この会社は急成長株というよりは素材需要に支えられた景気敏感型の安定企業であり、5年間の株価イメージとしては、良い場合3,200円から3,800円、中間の場合2,200円から2,900円、悪い場合1,700円から2,100円程度のレンジで推移する可能性が考えられる。配当を受け取りながら中長期で緩やかなリターンを狙う投資スタイルと相性が良い銘柄といえる。
この記事の最終更新日:2026年3月24日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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