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学びエイドとは

株式会社学びエイドは、2015年5月11日に設立された教育テクノロジー企業です。本社は東京都文京区向丘2丁目3番10号 東大前HiRAKU GATE 10階にあります。代表取締役社長は廣政愁一氏です。資本金は約4億9,116万円、従業員数は33名(臨時含め約48名)です。上場市場は東京証券取引所グロース市場で、事業年度は毎年5月1日から翌年4月30日までとなっています。
主な事業内容は、インターネットを活用した教育サービスの企画、開発、提供です。具体的には、映像授業配信サービス「学びエイドマスター」や学校・学習塾向けの「学びエイドマスター for School」、教育関連企業向けの「学びエイド for Enterprise」などを展開しています。これらのサービスでは、1講義5分程度の短時間動画(マイクロ講義)を中心に、効率よく学習できる仕組みを提供しています。
また、学習塾運営支援のために、生徒管理や月謝管理、入退室管理などを行うシステムの提供も行っています。さらに、教育事業者が持つ紙教材を映像授業化してオンライン配信するプラットフォーム事業も展開しています。これにより、学習塾や学校、企業向けにデジタル教育の効率化と利便性を高めるソリューションを提供しています。
教育の現場にテクノロジーを導入することで、生徒が自分のペースで学べる環境を整備し、塾や学校の業務効率化にも貢献しているのが特徴です。
学びエイド 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
1株益 (円) |
1株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 単23.4* | 501 | 111 | 110 | 93 | 45.1 | 0 |
| 単24.4 | 628 | 146 | 142 | 118 | 57.3 | 0 |
| 単25.4 | 289 | -297 | -312 | -318 | -141.9 | 0 |
| 単26.4予 | 580 | 5 | 0 | 0 | 0.0 | 0 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 24 | -3 | 53 |
| 2024 | 63 | -7 | -38 |
| 2025 | -218 | -21 | 128 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | 実績PER(高値平均) | 実績PER(安値平均) | 実績PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 22.1% | ― | 25.2% | ― | ― | ― |
| 2024 | 23.2% | 40.8% | 26.1% | ― | ― | ― |
| 2025 | -102.8% | -235.6% | -145.3% | ― | ― | 3.02倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
株式会社学びエイドは、教育系スタートアップとして成長性を評価されてきた企業ですが、直近の業績を見ると収益構造の転換期にあることが分かります。
2023年度・2024年度は堅調で、営業利益率が20%台前半、ROEも40%を超えるなど、高収益体質を示していました。特に2024年度までは売上の伸びと利益率の高さから、教育テクノロジー分野での競争優位性が明確でした。
しかし、2025年度は営業利益・経常利益・純利益がいずれも赤字(営業損失297百万円、最終損失318百万円)に転落しており、営業利益率も-102.8%、ROEが-235.6%、ROAも-145.3%と極めて厳しい数値です。これは、開発費や人件費など先行投資が一気に膨らんだことが主な要因と考えられます。PBRは3.02倍と、赤字にもかかわらず依然として割高な水準にあります。
このため、現状では「業績モメンタムの悪化」が明確であり、短期的な投資はリスクが高いといえます。ただし、2026年度は黒字転換予想(営業利益5百万円)となっており、事業構造の立て直しや成長戦略が軌道に乗れば、再評価の可能性もあります。
総合的に見ると、短期的には投資リスクが高く、慎重姿勢が望ましいです。一方で、教育DX市場の拡大や自社の映像授業プラットフォームが再び収益化すれば、中長期的な成長ポテンシャルを秘めています。したがって、現時点では「中長期での回復待ち・様子見」が妥当な投資判断です。
配当目的とかどうなの?
株式会社学びエイドは、配当目的の投資にはまったく向いていません。
まず、直近3年間の配当実績を見ると、
2023年・2024年・2025年いずれも 配当金は「0円」 となっています。これは、同社がまだ安定した利益を確保できておらず、内部留保や開発投資を優先しているためです。
2025年度の決算では営業赤字(営業損失297百万円)、最終損失(-318百万円)と大幅なマイナスとなっており、利益配分の余裕がない状態です。ROE・ROAもマイナスとなっており、資本効率の観点からも配当を出せる状況ではありません。
さらに、同社のPBRが3倍台と高めである点からも、株主還元よりも将来の成長を織り込んだ評価が中心となっていることが分かります。教育プラットフォームやシステム開発などに再投資するフェーズであり、株主還元より成長重視の経営方針を取っていると判断できます。
したがって、現時点での学びエイド株は、配当目的ではなく中長期の成長期待・事業再建を見据えた投資でなければ合いません。安定した配当収入を求める投資家にとっては、他銘柄を検討した方が現実的です。
今後の値動き予想!!(5年間)
株式会社学びエイドの現在値は557円です。今後5年間の株価動向について、業績や市場環境を踏まえて3つのシナリオで考えます。
良い場合
教育DX市場が再び拡大し、同社の映像授業や学校向けシステムの導入が増加した場合、売上・利益が大きく改善する可能性があります。特に2026年度以降に黒字転換し、営業利益率が再び20%前後まで回復すれば、投資家からの成長期待が高まり株価は上昇基調になるでしょう。この場合、5年後には現在の約2倍前後、1,000円〜1,200円程度まで回復する可能性があります。
中間の場合
赤字からは脱したものの、大幅な黒字化には時間がかかる場合です。教育関連市場は競争が激しく、収益改善ペースが緩やかな場合には株価は横ばい圏で推移するでしょう。業績が安定してもPBR水準が高いため、株価は500円〜700円程度でのレンジ相場が続くと考えられます。
悪い場合
赤字が長期化し、資金繰りや新規事業の伸び悩みが続く場合、投資家の信頼が低下し、株価はさらに下落する可能性があります。特に赤字が2期以上続けば、追加の資金調達リスクも生じるため、株価は300円〜400円台まで下落する恐れがあります。
総合的に見ると、現時点では事業再建期にあり、短期の上昇よりも中長期の再成長を見据えたリスクの高い銘柄といえます。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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