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淺沼組(1852)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

淺沼組とは

株式会社淺沼組は、1892年に創業、1937年に設立された老舗の総合建設会社です。本社は大阪府大阪市浪速区湊町一丁目2番3号マルイト難波ビルにあり、代表取締役社長は浅沼誠氏です。資本金は約96億円、従業員数はおよそ1,800名です。上場市場は東京証券取引所プライム市場で、決算期は3月末です。

同社は関西を基盤とする中堅ゼネコンであり、建築事業と土木事業の2本柱で展開しています。建築分野では、オフィスビル、マンション、商業施設、病院、学校、公共建築物など幅広い建設を手掛け、特に官公庁案件に強みがあります。近年では、建物のリニューアルや耐震補強、省エネ改修など、既存建築物の再生事業にも力を入れています。

土木分野では、道路、橋梁、トンネル、上下水道、港湾、河川などの公共インフラ整備を中心に、地域の生活基盤を支える工事を多数手掛けています。また、災害復旧工事や防災関連工事にも積極的で、安全性と品質を重視した施工体制を確立しています。

企業理念は「和の精神」「誠意・熱意・創意」であり、人と環境を大切にする姿勢を掲げています。社会に必要とされる建設会社として、環境に配慮した施工やサステナビリティ経営にも取り組んでいます。

近年の中期経営計画では、安定した受注基盤の確立と収益性の向上を重視し、建築・土木の両事業でバランスの取れた成長を目指しています。長い歴史と確かな技術力を強みに、地域社会の発展と安全な街づくりに貢献している企業です。

淺沼組 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
1株益
(円)
1株配当
(円)
連23.3* 144,436 5,691 5,918 4,200 52.1 38.2
連24.3* 152,676 4,057 4,306 4,670 58.0 40.6
連25.3 167,005 6,867 6,545 4,692 58.2 41
連26.3予 170,000 7,050 6,820 4,770 59.1 41.5

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 1,354 934 -3,661
2024 -3,169 2,649 1,410
2025 5,184 -784 -913

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値平均) 実績PER(安値平均) 実績PBR
2023 3.9% 9.5% 4.5%
2024 2.6% 9.8% 4.6%
2025 4.1% 10.2% 4.0% 13.6倍 9.8倍 1.58倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社淺沼組は、業績面・財務面ともに安定感のある中堅ゼネコンであり、堅実経営を続ける企業です。ここ3年間の数値を見ると、建設業界の中でも利益率・資本効率が安定しており、中長期での安定投資に向く銘柄と判断できます。

まず、営業利益は2023年5,691百万円から2025年には6,867百万円まで増加しており、着実な成長を示しています。経常利益や純利益も増加傾向にあり、特に2025年も純利益4,692百万円と堅調です。売上高も右肩上がりで、2023年144,436百万円 → 2025年167,005百万円と拡大しています。

営業利益率は3.9% → 2.6% → 4.1%と若干の波がありますが、直近では改善傾向が見られます。建設業界全体で原材料費・人件費の上昇が続く中で、この水準を維持している点は評価できます。ROEは9.5%から10.2%へ、ROAも4%台を安定的に推移しており、資本効率は業界平均を上回るレベルです。

一方で、PERは高値平均13.6倍、安値平均9.8倍と適正水準であり、PBRが1.58倍とやや高めです。つまり、株価にはある程度の成長期待が織り込まれているものの、割高感はそれほど強くなく、堅調な利益成長が続く限りは妥当な水準といえます。

総合的に見ると、同社は安定した収益基盤と堅実な財務体質を持つため、

  • 景気変動に比較的強い
  • 安定配当が期待できる
  • 企業体質が堅実で長期的な信頼性が高い

といった点が強みです。

したがって投資判断としては、「安定成長型の中長期保有銘柄」が適切です。
大きな値上がりは期待しにくいものの、堅実に利益と配当を積み上げていくタイプの企業であり、リスクを抑えたポートフォリオの一角として保有するには十分に魅力的な銘柄です。

配当目的とかどうなの?

株式会社淺沼組は、配当目的での投資にとても向いている銘柄です。

2026年3月期の予想配当は1株あたり41.5円で、予想配当利回り(2026年)はおよそ4.78%と高めです。建設業界の中でも上位クラスの利回りであり、安定配当銘柄として魅力があります。

同社は長年にわたって利益を安定的に確保しており、配当方針も「安定配当を重視する」姿勢を続けています。営業利益や純利益も安定して推移しているため、無理のない範囲での配当が継続される見込みです。特にここ数年は業績の底堅さを背景に増配傾向が見られ、減配リスクも低いと考えられます。

また、ROEが10%前後と高めで財務も健全なことから、今後も配当を維持、もしくはやや増配する可能性があります。

そのため、株価の大きな上昇を狙うよりも、安定した配当収入を得たい投資家にとって非常に適した銘柄です。長期で持つことで、着実に配当を受け取りながら堅実な資産運用ができるタイプの企業です。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社淺沼組の現在値は867円です。今後5年間の株価推移について、良い場合・悪い場合・中間の場合の3つのシナリオで考えます。

良い場合
公共工事や民間建築の受注が堅調に続き、営業利益率がさらに改善するケースです。コスト上昇をうまく抑え、利益が拡大すれば投資家の評価も高まり、株価は上昇基調になります。配当利回りの高さも評価され、株価は1,200円から1,300円程度まで上昇する可能性があります。

中間の場合
業績は安定して推移し、大きな成長はないものの、堅実な経営を維持するケースです。配当もほぼ現状の水準(年40円前後)を維持し、株価はやや上下を繰り返しながら850円から1,000円程度で推移する可能性が高いです。長期保有で安定収益を狙う投資家には安心感のある展開です。

悪い場合
資材価格や人件費の高騰、公共投資の減少などで利益が圧迫されるケースです。営業利益率が低下し、業績が鈍化すれば投資家の信頼が薄れ、株価は下落傾向となります。この場合、株価は600円から650円程度まで下がる可能性があります。

総合的に見ると、淺沼組は派手な成長を狙う銘柄ではなく、安定配当と堅実な業績を重視する投資家に向いた中長期保有型の銘柄といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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