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森組(1853)の株価は割安?決算推移・配当・今後5年の株価予想

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株価

森組とは

株式会社森組は、1934年2月3日に設立された老舗の総合建設会社です。本社は大阪市中央区道修町4丁目5番17号にあり、代表取締役社長は吉田裕司氏です。資本金は約16億4,000万円、発行済株式数は約3,280万株、単元株数は100株、株主数は9,009名(2025年3月31日時点)です。事業年度は4月1日~翌年3月31日、定時株主総会は6月に開催されます。

同社は、土木事業・建築事業・リニューアル事業(建物再生・耐震補強)を主要な事業分野としています。土木では道路、トンネル、鉄道関連、治水・利水施設、災害復旧、宅地造成など公共インフラ工事を多く手掛けています。建築部門では住宅、公共施設、商業施設、福祉施設、工場施設など幅広い施設建築を行っています。また、既存建築物のリニューアル・耐震補強にも注力しており、省エネ改修や建物再生にも取り組んでいます。

筆頭株主は 旭化成ホームズ であり、約30.26%の出資を受けています。他にも 長谷工コーポレーション をはじめとする企業や銀行等が一定の株主構成を構成しています。また、従業員持株会なども所有株を保有しています。

建設事業が全体売上の約97.7%を占め、砕石事業や不動産事業も手掛けてはいますが、不動産は非常に小さい比率(約0.1%)です。砕石は約2.2%の割合。

企業理念としては、安全・品質・環境を重視し、労働安全衛生・品質管理・環境マネジメントにも取り組んでおり、CSRやSDGsへの対応も進めています。

森組 公式サイトはこちら

直近の業績・指標

決算期 売上高
(百万円)
営業利益
(百万円)
経常利益
(百万円)
純利益
(百万円)
1株益
(円)
1株配当
(円)
単23.3 24,620 833 795 523 16.0 14
単24.3 27,582 1,072 1,033 685 20.9 14
単25.3 29,454 1,081 1,046 921 28.1 14
単26.3予 28,800 1,020 1,020 680 20.8 14

出典元:四季報オンライン

キャッシュフロー

決算期(単位:百万円) 営業CF 投資CF 財務CF
2023 799 -80 -468
2024 680 -70 -468
2025 -4,229 -407 -466

出典元:四季報オンライン

バリュエーション

年度 営業利益率 ROE ROA 実績PER(高値平均) 実績PER(安値平均) 実績PBR
2023 3.3% 3.7% 2.1%
2024 3.8% 4.7% 2.5%
2025 3.6% 6.1% 3.6% 16.5倍 13.8倍 0.74倍

出典元:四季報オンライン

投資判断

株式会社森組は、関西を中心に公共工事や民間建築を手掛ける中堅ゼネコンで、ここ数年の業績は安定的に推移しています。直近の数字をみると、堅実経営で着実に収益を積み上げている企業といえます。

まず、営業利益は2023年に833百万円、2024年に1,072百万円、2025年には1,081百万円と微増傾向にあり、売上高も24,620百万円から29,454百万円へと順調に拡大しています。利益率こそ高くはないものの、建設業界の中では安定感のある水準です。営業利益率も3%台で推移しており、過去3年では3.3% → 3.8% → 3.6%とほぼ横ばいです。

ROEは3.7%から6.1%に上昇し、自己資本を活かした収益力が徐々に改善しています。ROAも2.1%から3.6%へと伸びており、総資産の効率性も改善傾向にあります。財務の健全性が保たれている点は評価できます。

株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均16.5倍、安値平均13.8倍、実績PBRは0.74倍とされています。PBRが1倍を下回っているため、株価は純資産に対して割安な水準といえます。業績が横ばいでも、財務が安定している企業に対して市場がやや過小評価している印象です。

総合的に判断すると、森組は大きな成長性を狙う銘柄ではなく、安定性と堅実さを重視する中長期投資向けの企業です。建設業特有の景気変動リスクはあるものの、利益・資本効率の改善傾向、そして割安なPBRを踏まえると、今後も着実な推移が期待できます。

したがって投資判断としては、 短期では値動きは限定的だが、中長期では安定保有に向く堅実銘柄。割安圏での買いは有望。

配当目的とかどうなの?

株式会社森組は、配当目的でも比較的魅力のある銘柄です。

2026年3月期の予想配当は1株あたり14円で、現在の株価水準をもとにした予想配当利回りは**約4.21%**となっています。これは建設業界の中では平均をやや上回る水準で、安定的に利益を確保している点を考えると、十分に評価できる利回りです。

同社は過去数年にわたり、配当を14円で安定維持しており、業績に大きな波があっても減配を避ける姿勢が見られます。 営業利益や純利益が一定の範囲で推移していることから、今後も無理のない範囲で安定した配当を継続する見込みです。

また、PBRが0.74倍と低く、財務面の安定性が高いことから、配当を支える企業基盤もしっかりしています。ROEやROAも改善傾向にあり、利益率が大きく悪化しない限りは、今後も同程度の配当が続く可能性が高いと考えられます。

総合的に見ると、森組は「高配当銘柄」とまでは言えないものの、安定配当を維持しており、インカムゲインを狙う中長期保有には向いた銘柄です。
したがって配当目的の投資判断としては、 「安定した利回りを得たい投資家に適した中堅ゼネコン株」と評価できます。

今後の値動き予想!!(5年間)

株式会社森組の現在値は332円です。ここから今後5年間の株価の動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合に分けて予想します。

良い場合
公共工事や民間建築の受注が堅調に推移し、利益率がさらに改善するケースです。ROEが6%台からさらに上昇し、営業利益率も4%台を安定的に維持できれば、業績への信頼感が高まります。配当利回りの高さも評価され、PBRが1倍近くまで見直される展開となれば、株価は500円〜550円程度まで上昇する可能性があります。建設需要が底堅く、財務体質も改善することで中期的な株価上昇が期待されます。

中間の場合
業績は横ばいで推移し、売上・利益ともに小幅な増減を繰り返すケースです。営業利益率は3%台後半を維持し、配当も14円を継続。建設セクター全体の株価水準にもよりますが、この場合は株価が300円〜400円前後で推移する安定相場が想定されます。高配当を維持しながらも大きな上昇余地は限られる展開です。

悪い場合
建設コストの上昇や人手不足、公共工事の減少などが業績を圧迫するケースです。営業利益率が3%を下回り、純利益が減少に転じると、投資家の期待が後退します。PBRも0.6倍程度まで低下し、株価は250円〜270円程度まで下落する可能性があります。

総合的に見ると、森組は大幅な成長を狙う銘柄ではありませんが、安定した配当と堅実な財務基盤を持つため、中長期で安定的な値動きを期待できるディフェンシブ銘柄といえます。

この記事の最終更新日:2025年11月2日

※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。


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