株価
北野建設とは

株式会社北野建設株式会社は、長野県を本拠とする総合建設会社です。創業は1946年8月で、長野市県町524番地に本社を構え、東京にも本社機能を持っています。資本金は約91億1,649万円、決算期は3月末日、上場市場は東京証券取引所スタンダード市場、従業員数は連結で1,105名(2025年3月末時点)です。
主な事業内容は、国内外における建設工事の企画・設計・施工管理・コンサルティングで、土木工事(インフラ、公共インフラ、トンネル・道路など)や建築工事(住宅、商業施設、公共施設など)を手がけています。他にも地域開発、都市開発、リゾート開発、ホテル経営、ゴルフ場運営、劇場・スポーツ施設運営、広告代理事業、再生可能エネルギーの開発など多角的に展開しています。
経営理念としては「未来を育てる人がいる」というコーポレートステートメントのもと、高品質・高付加価値なものづくり、安全・品質・コンプライアンスを事業活動の3原則(品質・安全・コンプライアンス)として掲げ、地域密着型経営を行っています。また、企画・提案から設計・施工・保守点検までを一貫して提供し、DX(デジタルトランスフォーメーション)・環境配慮にも力を入れています。
北野建設 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
1株益 (円) |
1株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 85,277 | 3,931 | 4,358 | 1,988 | 327.8 | 110 |
| 連24.3 | 84,964 | 4,804 | 5,073 | 3,902 | 673.6 | 110 |
| 連25.3 | 80,853 | 3,640 | 4,070 | 3,381 | 562.2 | 110 |
| 連26.3予 | 83,000 | 3,600 | 4,000 | 2,500 | 411.0 | 110 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 16,520 | -236 | -5,241 |
| 2024 | 1,917 | -254 | -1,307 |
| 2025 | -6,169 | -849 | -1,235 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | 実績PER(高値平均) | 実績PER(安値平均) | 実績PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.6% | 5.1% | 2.6% | ― | ― | ― |
| 2024 | 5.6% | 9.0% | 5.0% | ― | ― | ― |
| 2025 | 4.5% | 7.2% | 4.4% | 7.8倍 | 5.4倍 | 0.69倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
北野建設は、長野県を中心に全国で事業を展開する準大手ゼネコンで、堅実な経営と安定した収益を特徴としています。提示された数値から判断すると、業績は安定しており、株価も割安水準にあります。
営業利益は2023年に39億円、2024年に48億円、2025年には36億円と推移しています。わずかに減益ではありますが、営業利益率は4.5%を維持しており、安定した利益体質です。経常利益も40〜50億円前後で推移しており、全体として堅調な経営が続いています。純利益も20億円から30億円台を維持しており、利益の波が小さい点は評価できます。
ROE(自己資本利益率)は5.1%から9.0%、そして7.2%と推移しており、資本効率は改善傾向です。ROA(総資産利益率)も2.6%から4.4%へ上昇しており、経営効率が高まっていることが分かります。建設業界の中でも平均以上の収益性を確保している点は強みです。
株価指標を見ると、2025年の実績PERは高値平均で7.8倍、安値平均で5.4倍、PBRは0.69倍となっています。PBRが1倍を下回っていることから、資産面で非常に割安な水準にあります。PERも低く、利益が安定していることを踏まえると、投資妙味がある水準です。
総合的に見ると、北野建設は安定した利益と健全な財務基盤を持ち、株価は過小評価されている可能性があります。派手な成長は期待しにくいものの、堅実に利益を積み重ねるタイプの企業です。
したがって投資判断としては、安定収益と割安株価が魅力の中長期保有向けの堅実株であり、短期的な値上がりよりも安定した配当と資産価値を重視する投資家に向いています。
配当目的とかどうなの?
北野建設は、配当目的としては安定志向の中ではやや控えめな銘柄といえます。
2026年3月期の予想配当は1株あたり110円で、現在の株価を基準にした予想配当利回り(2026年)は約2.08%です。直近3年間にわたって同額の配当を維持しており、減配のリスクは低い一方で、積極的な増配姿勢は見られません。
同社は財務体質が健全で、安定したキャッシュフローを確保しているため、今後も配当維持の可能性は高いと考えられます。ROEやROAも建設業界平均を上回る水準であり、利益の安定性は評価できます。ただし、利回り2%前後という数字は、配当収益を目的とする投資としてはやや物足りない水準です。
したがって、配当目的として見る場合、高配当狙いの投資には向かないものの、「安定配当+割安株」という観点から長期保有には適した銘柄といえます。
安定性重視の投資家には魅力がありますが、利回り重視であれば他の高配当建設株(利回り3〜4%台)と比較検討してもよいでしょう。
今後の値動き予想!!(5年間)
北野建設の現在値は1,320円です。今後5年間の株価の動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合の3つのシナリオで予想します。
良い場合
公共インフラ整備や民間建築需要が堅調に推移し、受注高が増加するケースです。営業利益率が5%台を維持し、ROEも7〜9%台に上昇することで、企業価値の見直しが進みます。PERも上昇して市場評価が高まれば、株価は1,700円〜1,900円前後まで上昇する可能性があります。割安水準からの反発と、安定配当による投資家人気が支えとなります。
中間の場合
業績が現状維持で、建設需要が安定して推移するケースです。利益水準は横ばいながらも安定的に推移し、配当も110円前後を継続。PBR0.7倍付近の評価が続けば、株価は1,200円〜1,400円前後で推移し、安定したレンジ相場となる見通しです。配当込みで年率3%程度の総合リターンを期待できる堅実な展開です。
悪い場合
建設資材や人件費の高騰、公共投資の減少などが重なり、営業利益率が3%台に低下するケースです。利益減少で市場評価も下がり、PERが縮小すると株価は1,000円〜1,100円程度まで下落する可能性があります。ただし、自己資本比率が高く財務が健全なため、大幅な下落リスクは限定的です。
総合的に見ると、北野建設は派手な成長よりも安定性を重視する企業であり、大きく崩れにくく、配当を受け取りながら長期で保有するのに向いた堅実株といえます。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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