株価
植木組とは

株式会社植木組は、1885年創業の老舗総合建設会社で、本社は新潟県柏崎市駅前1丁目5番45号にあります。設立は1948年7月で、資本金は約53億円、東京証券取引所スタンダード市場に上場しています。従業員数は連結でおよそ980名、単体で600名ほどです。
同社は新潟県を中心に、東日本全域(関東・中部・東北地方)で建設事業を展開しており、地域に根ざした中堅ゼネコンとして高い信頼を得ています。事業内容は、建築・土木の両分野にわたっており、オフィスビル、公共施設、病院、学校、マンション、工場などの建築工事や、道路・トンネル・橋梁・港湾といったインフラ整備を行っています。
また、建設業だけでなく、不動産の開発・売買・賃貸事業も手掛けており、土地の有効活用や再開発にも積極的です。さらに、建設資材の製造・販売、環境関連事業、施設管理、保守メンテナンスなどの関連ビジネスも展開しており、グループ全体で事業の多角化を進めています。
近年は、ICT建設技術(情報通信技術)やBIM/CIMを活用した生産性向上、働き方改革、安全管理のデジタル化などにも注力しています。さらに、環境への配慮や災害復旧事業、地域社会貢献にも積極的で、持続可能な社会づくりを目指しています。
植木組は、「信頼されるものづくり」を企業理念に掲げ、地方に根差しながらも首都圏などへの事業展開を拡大している堅実な建設企業です。
植木組 公式サイトはこちら直近の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
1株益 (円) |
1株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 48,936 | 2,044 | 2,135 | 1,350 | 205.0 | 55 |
| 連24.3 | 55,910 | 2,595 | 2,654 | 1,877 | 289.1 | 70 |
| 連25.3 | 50,703 | 2,853 | 2,950 | 1,934 | 297.1 | 90 |
| 連26.3予 | 60,000 | 2,470 | 2,520 | 1,700 | 258.5 | 90 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期(単位:百万円) | 営業CF | 投資CF | 財務CF |
|---|---|---|---|
| 2023 | 577 | -389 | -539 |
| 2024 | -670 | -449 | -706 |
| 2025 | 2,649 | -1,083 | 793 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 年度 | 営業利益率 | ROE | ROA | 実績PER(高値平均) | 実績PER(安値平均) | 実績PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 4.1% | 5.3% | 2.8% | ― | ― | ― |
| 2024 | 4.6% | 6.8% | 3.7% | ― | ― | ― |
| 2025 | 5.6% | 6.6% | 3.7% | 6.7倍 | 5.0倍 | 0.56倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
植木組は、新潟県を拠点とする中堅ゼネコンで、長い歴史と安定した経営基盤を持つ企業です。提示された数値を見ると、業績は堅調で、株価も割安水準にあり、中長期で安定収益を期待できる堅実株といえます。
営業利益は2023年に20億円、2024年に25億円、2025年には28億円と増加しており、営業利益率も4.1%から5.6%へと改善しています。経常利益や純利益も同様に増加傾向で、収益力の底上げが進んでいます。特に純利益は13億円から19億円前後で安定しており、建設業界における利益率としては良好な水準です。
ROE(自己資本利益率)は5.3%→6.8%→6.6%、ROA(総資産利益率)は2.8%→3.7%→3.7%と推移しており、資本効率・資産効率の両面で安定感があります。大きな成長こそないものの、堅実な経営姿勢が表れています。
株価指標では、2025年の実績PERが高値平均6.7倍、安値平均5.0倍、PBRが0.56倍とされています。PBRが1倍を大きく下回っており、明らかに資産価値に対して株価が割安です。PERも低水準で、利益水準を維持できれば、株価上昇の余地は十分にあります。
総合的に見ると、植木組は急成長型の企業ではないものの、堅実な業績と安定した財務を維持しており、「地味だが手堅い企業」という印象です。リスクが小さく、長期的に安定したリターンを狙う投資家に適しています。
したがって投資判断としては、 「業績安定・財務健全・株価割安の三拍子がそろった中長期保有向けの堅実株」と位置づけられます。短期的な値上がりを狙うより、配当と着実な企業成長を目的とした長期投資に向いた銘柄です。
配当目的とかどうなの?
植木組は、配当目的の投資としても十分に魅力のある銘柄です。
2026年3月期の予想配当は1株あたり90円で、現在の株価水準をもとにした予想配当利回りは約3.6%となっています。これは建設業界全体の平均(約2.0〜2.5%)を上回る水準であり、安定的に利益を出している同社の堅実な配当方針を反映しています。
直近数年を見ても、配当は着実に増加傾向にあります。2023年の55円から2024年70円、2025年90円と段階的に増配しており、今後も業績に応じて配当還元を強化する姿勢がうかがえます。また、自己資本比率も高く、キャッシュフローも安定しているため、減配リスクは低いと考えられます。
さらに、PER5〜7倍、PBR0.56倍という低水準の株価指標を踏まえると、株価自体も割安であり、配当+株価上昇の両面でリターンを狙えるポジションにあります。
総合的に見て、植木組は「高配当+安定業績+財務健全性」の3拍子がそろった堅実株であり、配当目的の長期保有には非常に向いています。
したがって評価としては、「高めの利回りで安定した配当を期待できる、長期保有向けの安定高配当株」といえます。
今後の値動き予想!!(5年間)
植木組の現在値は2,495円です。今後5年間の株価の動きを、良い場合・悪い場合・中間の場合の3つのシナリオで予想します。
良い場合
公共工事や民間再開発の需要が継続し、業績が着実に拡大するケースです。営業利益率が6%前後まで上昇し、ROEも7%台後半を維持。加えて、増配や自社株買いなどの株主還元が進めば、市場の評価が高まり株価は3,200円〜3,600円程度まで上昇する可能性があります。建設需要の堅調さと地方インフラ投資が追い風となれば、過去最高値更新も視野に入ります。
中間の場合
業績が現状維持で推移するケースです。売上・利益ともに横ばいながら安定し、配当も90円前後で継続。PER6倍前後、PBR0.6倍程度で推移する状況が続けば、株価は2,300円〜2,700円前後のレンジで安定。大きな値動きは少ないものの、配当を受け取りながら安定的に保有できる展開が想定されます。
悪い場合
建設コストの上昇や人手不足、公共工事の減少などが重なり、営業利益率が4%台に低下するケースです。利益減少によりPERも低下し、投資家の評価が下がると株価は2,000円〜2,200円程度まで下落する可能性があります。ただし、財務体質が良く赤字リスクは低いため、急落しても底堅く推移する見込みです。
総合的に見ると、植木組は派手な成長株ではないものの、財務の健全性と安定配当を強みとする企業であり、中長期的には下値の堅い安定株です。配当を受け取りながら堅実なリターンを狙う投資家に向いています。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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