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ニッスイの株価動向まとめ 最新決算と今後の株価予想【証券コード1332】

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株価

ニッスイとは

ニッスイ(日本水産株式会社、証券コード1332)は、日本を代表する総合水産・食品企業の一つです。創業は1911年と歴史が長く、水産業を中心に水産物の漁獲・養殖・加工・販売までを幅広く手がけています。主力は冷凍食品、缶詰、魚肉ソーセージ、チルド食品などで、国内の食品メーカーとして高い知名度を持ち、業務用・家庭用の両方で強い販売網を築いています。

事業の柱は大きく分けて、水産事業、食品事業、ファイン事業、物流事業などです。水産事業では世界各地で漁業・養殖・買付を行い、原料の安定供給力を強みにしています。食品事業では冷凍食品を中心に、コンビニ・スーパー・外食など幅広いチャネルに商品を展開。ファイン事業では、魚油から抽出されるEPAなどの成分を活用した医薬品・サプリメント素材なども扱っており、ヘルスケア分野への進出も進んでいます。

海外展開にも積極的で、北米・欧州・アジアなどに拠点を持ち、海外売上比率は年々上昇しています。グローバルな調達・加工・販売体制を持っている点が大きな特徴です。また、物流子会社を通じたコールドチェーン(冷凍・冷蔵物流)にも強みがあり、事業の安定性を支えています。

企業としては、長い歴史と安定した事業基盤を持つ一方で、水産資源の変動や為替、原材料価格の上昇など、外部環境の影響を受けやすい面もあります。それでも、食品事業を中心に安定した収益を確保しており、ディフェンシブ銘柄(景気変動に強い株)として位置付けられることが多いです。

直近3年間の業績・指標

決算期 売上高(百万円) 営業利益(百万円) 経常利益(百万円) 当期純利益(百万円) 1株当たり利益(円)
2023年3月期 768,181 24,488 27,776 21,233
2024年3月期 831,375 29,663 31,963 23,850 76.67
2025年3月期 886,126 31,779 35,301 25,381 81.66

バリュエーション

指標 数値(目安)
PER(株価収益率) 約 12〜13 倍
PBR(株価純資産倍率) 約 1.1〜1.2 倍
ROE(自己資本利益率) 約 9 %
自己資本比率 約 43.6 %
有利子負債倍率 約 0.75〜0.8 倍

投資判断

ニッスイは、水産・食品業界で長い歴史と安定した事業基盤を持つ企業です。直近3年間の業績を見ると、売上・利益ともに堅調に推移しており、2025年3月期には売上高・利益ともに過去最高水準を更新しました。営業利益・純利益ともに着実に伸びており、EPS(1株当たり利益)も81.66円と堅実な数字を示しています。景気変動の影響を受けにくい食品事業を柱としており、全体として安定感が強い企業といえます。

バリュエーションの面でも、PERが12〜13倍、PBRが1.1〜1.2倍、ROEが約9%と、過度に割高という印象はなく、業績の安定さを考えると比較的妥当な水準にあります。高成長株のような爆発的な値上がりは期待しにくいものの、現在の株価は堅実な利益成長と財務基盤を踏まえると適正〜やや割安とも評価できます。

財務体質も良好で、自己資本比率は40%超、有利子負債倍率も1倍を下回っており、財務リスクは低いです。海外展開やヘルスケア事業の伸びも今後の成長余地として注目されます。一方で、水産資源価格や為替、原材料価格など外部環境によって収益が左右されるリスクはありますが、事業ポートフォリオが多角化されているため、特定分野への依存度は高くありません。

総合的に見て、ニッスイは急成長を狙うグロース株ではなく、安定した業績と適正な株価水準を背景に、中長期でじっくり保有するバリュー株・配当株として魅力がある銘柄です。景気に左右されにくく、長期投資やディフェンシブな資産運用を考えている投資家には向いているといえます。短期的な株価急騰を狙うタイプの銘柄ではないため、投資目的に応じた戦略が重要です。

今後の値動き予想!!

ニッスイの株価は、今後の業績推移と外部環境の影響によって、上昇・横ばい・下落のいずれのシナリオも考えられます。まず現状を見ると、2025年3月期で売上・利益ともに過去最高を更新しており、今期(2026年3月期)も増益予想が出ています。PERは12〜13倍、PBRは約1.1〜1.2倍と割高感はなく、堅実な評価水準です。アナリストの平均目標株価はおよそ1,240円とされており、一定の上値余地があると見られています。

上昇シナリオとしては、業績の増益基調が続き、営業利益・経常利益が市場予想を上回る場合や、海外展開やチルド食品、付加価値商品の拡大によって収益性がさらに改善する場合が考えられます。また、水産資源価格や為替が安定することで外部環境が追い風となれば、株価が現在の水準から1,200円台へと上昇する可能性もあります。

一方で、目立った材料が出なかったり、業績の改善が市場にすでに織り込まれている場合は、株価は一定のレンジの中で横ばいが続く可能性があります。特に原材料コストや為替の影響が大きいため、業績に対して外部環境の動向が株価の重しになることもあります。

下落リスクとしては、業績が予想を大きく下回るケースや、為替や資源価格の急変、市場全体のリスクオフなどが挙げられます。この場合は支持線を割り込むような下落も考えられます。

総合的に見ると、ニッスイは安定した業績と財務基盤を持っているため、短期的に大きく動くというよりは、横ばい〜緩やかな上昇というシナリオが現実的です。大きな材料が出るまではレンジ相場が続く可能性が高いですが、増益基調が明確に確認されれば、株価が一段上の水準に移行する可能性もあります。したがって、長期的な視点で押し目を拾い、じっくりと保有する戦略が有効な銘柄と言えるでしょう。


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