株価
マルハニチロとは

マルハニチロは、日本を代表する総合食品企業の一つで、水産事業を中心に幅広い分野で事業を展開しています。もともとは「マルハ」と「ニチロ」という2つの会社が合併してできた会社で、長い歴史と実績があります。
主な事業は大きく分けて、水産事業、加工食品事業、食材流通・物流事業の3つです。
まず、水産事業では、自社の漁船による漁業や、海外の漁業会社と連携した水産資源の確保を行っています。魚の養殖や買い付けも行い、原料となる魚介類を世界中から安定的に調達するのが特徴です。サケ・マグロ・イカなど、多様な魚種を扱っています。
次に、加工食品事業では、調達した魚介類や農産物を使って、冷凍食品、缶詰、レトルト食品、デザートなどを製造・販売しています。スーパーやコンビニ、外食産業などに商品を供給しており、家庭向けの商品も多く展開しています。
さらに、食材流通・物流事業では、国内外の食材を卸売・販売するネットワークを持っており、飲食店やメーカーへの原料供給も手がけています。自社の物流網を活かして、全国に効率的に食材を届ける体制を整えています。
このように、マルハニチロは「水産資源の確保 → 加工 → 流通・販売」という一連の流れを自社グループ内で完結できるのが大きな強みです。単なる漁業会社ではなく、川上から川下までを一体で行う総合食品企業として、日本の食を支える存在になっています。
マルハニチロ 公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
純利益 (百万円) |
1株益 (円) |
1株配当 (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 連23.3 | 1,020,456 | 29,575 | 33,500 | 18,596 | 363.7 | 65 |
| 連24.3 | 1,030,674 | 26,534 | 31,106 | 20,853 | 413.6 | 85 |
| 連25.3 | 1,078,631 | 30,381 | 32,254 | 23,264 | 461.9 | 110 |
| 連26.3予 | 1,080,000 | 30,000 | 29,000 | 17,500 | 347.4 | 110〜115 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023 | -24 | -23,860 | 30,288 |
| 2024 | 53,604 | -18,927 | -32,943 |
| 2025 | 39,179 | -1,886 | -29,352 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 | ROE | ROA | PER(高値平均) | PER(安値平均) | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 2.8% | 10.4% | 2.9% | – | – | – |
| 2024 | 2.5% | 10.0% | 3.1% | – | – | – |
| 2025 | 2.8% | 10.1% | 3.4% | 7.4倍 | 5.9倍 | 0.76倍 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
マルハニチロは、水産事業を中心に冷凍食品や加工食品など幅広く展開する総合食品メーカーです。業績の推移を見ると、売上は1兆円前後で安定しており、営業利益も毎年300億円前後を維持しています。営業利益率は2.5〜2.8%と高くはありませんが、食品業界としては標準的で、原材料費や為替の変動がある中でも安定した利益を確保しています。
ROEは10%前後、ROAも3%台と安定しており、資本効率の面でも十分に優れています。経営の効率性や財務の健全性がしっかりしており、安定的に利益を生み出せる体質が整っています。
株価指標を見ると、PERは5.9〜7.4倍、PBRは0.76倍とかなり割安水準です。企業の規模や収益力を考えると、現在の株価は低く評価されている印象があります。過度な人気化もなく、地味ながらも堅実に利益と配当を出すバリュー株として位置づけられます。
総合的に見ると、マルハニチロは短期的な値上がりを狙う銘柄ではなく、業績の安定と配当を重視する中長期投資向けの銘柄です。今後も冷凍食品や健康志向商品の需要が伸びる可能性があり、堅実な収益を期待できます。長期保有で配当を受け取りながら、じっくり値上がりを待つタイプの投資先として魅力があると言えます。
配当目的とかどうなの?
マルハニチロは、配当目的の投資としても十分に魅力がある銘柄です。
現在の予想配当利回りは 3.19% と、食品業界の中では比較的高水準に位置しています。ここ数年の配当実績を見ると、1株あたりの配当は65円 → 85円 → 110円と毎年増配傾向にあり、安定した利益還元を継続しています。今期(2026年3月期)も110〜115円を予定しており、減配リスクは低いと見られます。
同社は業績が安定しており、急激な業績悪化が起きにくい食品業界に属しているため、安定的に配当を受け取りたい長期投資家に向いた銘柄です。また、自己資本比率も高く、営業キャッシュフローも安定しており、配当の原資となるキャッシュの流れがしっかりしている点も安心材料です。
さらに、配当性向はおおむね30%台前後と無理のない範囲で設定されており、今後も業績に応じた持続的な増配が期待できます。
総合的に見ると、マルハニチロは「急成長株」ではありませんが、景気に左右されにくいディフェンシブ銘柄であり、配当金を安定的に受け取りたい投資家にとって理想的な選択肢です。長期保有による安定配当+緩やかな株価上昇が見込める、堅実な配当目的株といえます。
今後の値動き予想!!
マルハニチロの現在値を 3,444円 とした場合の、今後5年間の株価展開をシナリオ別に予想します。
良い場合
業績は緩やかに成長し、営業利益率も2.8%前後と安定、ROEは10%前後を持続して高効率経営ができる見通しです。配当も110〜115円を維持できれば、配当利回りは3%前後。
市場が成長性や中期計画の成功を評価すれば、株価は 4,200円〜4,800円 前後に上昇する可能性があります。需要が堅調な食品・水産加工分野で収益が改善されれば、保守的な想定を超えて5,000円近くも視野に入るかもしれません。
中間の場合
業績は横ばい〜微増傾向。営業利益率は2.7〜2.8%前後で安定、ROE/ROAも現在の水準程度(ROE ≒ 10%、ROA ≒ 3.3%)を維持。配当も110円を継続。
株価は 3,200円〜3,600円 あたりでレンジ推移。配当込みで年3%前後のリターンが見込め、保有していて損は少ないでしょう。穏やかな値動きで、下値リスクは限定的です。
悪い場合
原材料価格の上昇、物流コスト増、為替・水産資源価格の影響などで利益率が低下し、営業利益率は2.5%前後、ROEは9%前後、ROAも3%以下に低下、配当は維持できても業績が伸び悩むケース。
株価は 2,800円〜3,000円 まで下押しされる可能性があります。ただし、業績は大きく崩れる可能性は低く、安定企業ゆえ急落は限定的。
総論として、マルハニチロは 安定成長+配当を継続しつつ堅実な中堅企業 であり、株価も過度に割高ではありません。
中長期保有には十分魅力があり、配当+株価上昇の両方を狙える有力銘柄であり、現価格 3,444円 は買い水準とも考えられ、押し目買いや定期保有として検討価値があります。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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