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カネコ種苗とは

カネコ種苗株式会社という会社は群馬県前橋市に本社を置く1947年創業の企業で、主に「種苗(しゅびょう)」を中心とした農業関連事業を展開しています。東証スタンダード市場に上場しています。
この会社の事業の中心は、野菜や牧草、花などの種や苗の生産・販売です。自社生産だけでなく委託生産や仕入れも行い、幅広い作物に対応しています。また、造園工事の設計・施工など、種子関連以外の業務も手がけています。
さらに、園芸用品や家庭菜園向けの種子・花き類の販売、農薬・肥料などの農業資材の販売も行っており、農業に必要な幅広い商品を扱っています。温室や栽培設備の設計・施工なども手がけており、種や資材だけでなく、生産環境を整えるところまで一貫したサービスを提供している点が特徴です。
全体として、カネコ種苗は農業や園芸分野において、種子の供給から資材、設備までトータルにサポートできる企業です。種苗は農業に不可欠なものであるため、需要が比較的安定しており、景気に左右されにくい業種でもあります。
カネコ種苗 公式サイトはこちら直近3年間の業績・指標
| 決算期 | 売上高 (百万円) |
営業利益 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
当期純利益 (百万円) |
一株益(EPS) (円) |
一株配当(DPS) (円) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年5月期 | 62,179 | 1,785 | 1,913 | 1,426 | 123.6 | 31 |
| 2024年5月期 | 61,598 | 1,478 | 1,570 | 1,177 | 103.3 | 33 |
| 2025年5月期 | 64,508 | 1,511 | 1,666 | 1,200 | 107.0 | 38 |
| 2026年5月期(予想) | 66,500 | 1,900 | 2,000 | 1,500 | 134.6 | 38〜40 |
出典元:四季報オンライン
キャッシュフロー
| 決算期 | 営業CF (百万円) |
投資CF (百万円) |
財務CF (百万円) |
|---|---|---|---|
| 2023年5月期 | -1,590 | -499 | -579 |
| 2024年5月期 | 2,235 | -486 | -614 |
| 2025年5月期 | 212 | -1,234 | -629 |
出典元:四季報オンライン
バリュエーション
| 決算期 | 営業利益率 (%) |
ROE (%) |
ROA (%) |
PER(高値平均) (倍) |
PER(安値平均) (倍) |
PBR (倍) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023年5月期 | 2.8 | 6.0 | 3.0 | ― | ― | ― |
| 2024年5月期 | 2.3 | 4.8 | 2.4 | ― | ― | ― |
| 2025年5月期 | 2.3 | 4.7 | 2.4 | 14.6 | 12.2 | 0.72 |
出典元:四季報オンライン
投資判断
カネコ種苗は、ここ3年間の数値を見ると安定した業績を維持しているものの、成長性はやや緩やかで、堅実な経営をしている企業という印象です。
まず、売上高は2023年の約6,200億円から2025年には6,400億円台まで拡大しており、横ばいに近いながらも堅調です。営業利益は2023年1,785百万円から2025年1,511百万円とやや減少傾向ですが、2026年予想では回復の見込みが出ています。
営業利益率は2023年2.8%、2024年2.3%、2025年も2.3%と低めの水準で推移しており、利益率の改善が今後の課題です。
ROEは2023年6.0%、2024年4.8%、2025年4.7%、ROAも2〜3%台で推移しており、資本効率・資産効率はそれほど高くありません。経営は安定していますが、高いリターンを狙える成長株というよりは、安定志向の企業です。
株価指標を見ると、2025年のPERは高値平均で14.6倍、安値平均で12.2倍、PBRは0.72倍と割安な水準です。PBRが1倍を下回っている点は、株価が純資産に対して低く評価されていることを示しており、過小評価されている可能性もあります。
総合的に判断すると、カネコ種苗は「大きな成長はないが安定感のある企業」で、
株価的にはやや割安。配当も安定しており、長期で保有しながら堅実なリターンを狙う投資家向けといえます。
短期で大きく値上がりを狙うより、業績の底堅さと資産価値の割安さを評価して長期保有するのが適したスタイルです。
配当目的とかどうなの?
カネコ種苗は、配当目的の投資としてはある程度魅力のある銘柄です。
現在の予想配当は2026年5月期で「1株あたり38〜40円」とされており、株価水準を考慮した予想配当利回りは約2.29%です。
これは日本株全体の平均(およそ2%前後)と比べてもやや高めで、安定配当銘柄として評価できます。
同社はここ数年、配当を増やす傾向があり、業績も安定しているため、減配リスクは比較的低いと考えられます。営業利益率やROEは低めですが、キャッシュフローが堅実で、安定した配当を出し続ける力があります。
つまり、カネコ種苗は「大きな成長は見込みにくいが、堅実な経営と安定した配当で長期保有に向く」タイプの企業です。
高配当株とまでは言えませんが、安定収入を重視する投資家には向いている銘柄といえます。
今後の値動き予想!!
カネコ種苗の現在値は1,656円です。ここから5年間の株価を想定すると、次のような3つのシナリオが考えられます。
良い場合は、業績が順調に伸びて利益率が改善し、農業資材や種苗の需要拡大が続くケースです。国内外の生産者支援や新しい品種開発が進み、収益が上向くことで市場評価も高まります。この場合、株価は5年後におよそ3,000円から3,600円程度まで上昇する可能性があります。
中間の場合は、現状の業績を維持しながら緩やかに成長していくケースです。利益率やROEは大きな変化がなく、配当も安定して続くと見られます。この場合、5年後の株価は2,200円から2,600円前後で推移する可能性が高いです。
悪い場合は、肥料価格や原材料コストの上昇、気候変動などの影響で収益が圧迫されるケースです。利益率が低下し、成長性が鈍化することで投資家の期待も薄れます。この場合、株価は1,200円から1,300円程度まで下落するリスクもあります。
まとめると、カネコ種苗は安定した業績と配当を持つ堅実な企業で、配当を受け取りながら長期的な成長を狙うタイプの投資に向いています。業績が改善すれば株価上昇余地もありますが、景気やコスト次第で値動きは大きく変わる可能性があります。
この記事の最終更新日:2025年11月2日
※本記事は最新の株価データに基づいて作成しています。

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